関東一円に6コースを擁する共通会員制の山田クラブ21は、2020年12月1日より親族名義書換制度なるシステムを導入しました。この制度は現個人会員が、二親等以内の親族へ自らの株券を生前贈与し、会員資格を継承させるものです。
株券を譲り受けた親族は、名義書換料5万円(税別)にて、当該クラブの会員になれます。正会員或いは平日会員であれ、この手続き料は同一です。これは大変安価な金額であり、なおかつ2020年12月初旬時点での会員権価格を加味するならば、総額10数万円のコストで会員になれると言えます。
この手続きをこの制度導入前に行おうとした場合、その金額は50万円と消費税が必要でした。さらに不幸にも相続が発生し、法定相続人が継承手続きを行う場合、その費用は15万円とプラス消費税であり、現在もそれは変わりません。
これらの点を総合的に考慮した時、如何にこの度の制度費用がリーズナブルな設定になっているかが、理解出来る事と思います。この様にしてまで当該クラブが、会員権を親族間譲渡へ誘導したいその思惑は、どの様なものなのでしょうか。
此処にはこの手続きを行う事で、スリーピング化した会員の会員権をスムースに継承させ、アクティブな会員を創造したいという意図を読み取れます。また売却案件として放出させない事で、会員権市場に於ける売り圧力を抑えたい、と言う点も見逃せません。
今回導入した親族名義書換制度が、目論見通りの効果を発揮していくのか否か、その評価は今しばらく時間の経過が必要と思われます。
千葉県の千葉カントリークラブでは2020年12月に入り、次年度から年会費を値上げする事を明らかにしました。その概要は、下記の通りです。
会員種別 |
在籍状況 |
改定前 |
2021年4月 |
正会員 |
一般 |
88,000円(税込) |
132,000円(税込) |
地方・海外 |
55,000円(税込) |
92,400円(税込) |
満78歳以上 |
55,000円(税込) |
92,400円(税込) |
平日会員 |
一般 |
55,000円(税込) |
88,000円(税込) |
地方・海外 |
33,000円(税込) |
61,600円(税込) |
満78歳以上 |
33,000円(税込) |
61,600円(税込) |
週日会員 |
一般 |
44,000円(税込) |
66,000円(税込) |
地方・海外 |
━━━ |
46,200円(税込) |
満78歳以上 |
━━━ |
46,200円(税込) |
この内容は2020年11月18日開催の理事会に於いて、会社提案を承認する形で決議されたものです。背景には会社収益の大幅な減少が上げられます。兎に角頼みの綱とも言える法人コンペが壊滅的状況であり、これを補う為には年会費の値上げ以外に方策が無かった様です。
会員へのこの知らせは書面にて送っている事から、早い方では11月30日頃手元にされている様です。今後どの様な反応が会員より寄せられるかは不明ですが、恐らく来年に入り年会費の請求が具体化しだした頃、会員権市場へ売却希望がどの位出て来るのかが、一つの山場になるのだと思われます。
クラブでは今以上に会員を中心にした運営を心がけたいとしておりますが、如何にゲスト来場者との折り合いをつけ、コントロールしていけるかが手腕の見せ所とも言えます。会員満足度を高める事が、今後のクラブ運営に強く求められるのだと思われます。
一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)は2020年11月下旬、『ゴルフ場利用税の課税状況からみたゴルフ場の数・利用者数等』と言う小冊子を販売開始しました。この調査資料を俯瞰する事で、国内に於ける18ホール以上のゴルフ場数が、2105コース存在していると分かります。
この資料は2019年3月より2020年2月までの期間を対象として、最寄りの自治体へ各ゴルフ場から寄せられた納税報告を基に、作成されております。2020年3月から同年11月までの9ヶ月間と言うブランクはあるものの、今日のより正確なゴルフ場地図とでも言える内容に仕上がっています。大変重要な資料集です。
この資料によれば前年比21コースが減少し、全国には2,227コースが点在しているとしています。この中には一つのゴルフ場が、2つの自治体をまたいでいるケースが18件ありますので、実数は2,209コースになります。さらに18ホール規模に満たないコースが104ある事から、この数を差し引くと先ほどの数2105コースになります。
毎年この資料が公開されと、年間どれほどのゴルフ場が減少したのかが、大きな関心事になって来ます。高額の会員募集をし得ない現状、更にコスパを無視した投資家による投資は考え辛い為、今後新規のゴルフ場が開発される事は少ないと思われます。
この様な現状を鑑みた場合、ゴルフ場の減少傾向に歯止めがかかるのは何時なのか、ゴルフ市場を無視した錬金術による造りすぎたゴルフ場が、適正数に落ち着くのは何時の事になるのでしょうか。ゴルファーを増やす事は、ゴルフ場減少にストップをかける重要な要素だと言えますが、それのみでは解決し得ない様にも思えるのですが。
長野県の木曽駒高原宇山カントリークラブは、2020年12月6日をもって営業を終了致します。これは2020年11月9日に開催された経営会社、木曽駒高原宇山カントリークラブ株式会社の取締役会にて決議された内容です。
同社は近年同ゴルフ場に併設するホテルの稼働率が悪く、この運営が大きな課題になっており、中々解決策を見出せずにおりました。ホテルとゴルフ場はフロントやお風呂など共通部分が多く、単にホテルを閉鎖すれば経営が好転すると言う単純な問題でも無かったのです。
この難問に対しトドメを刺したのが、2020年に入り大きな社会問題となった新型コロナウイルスの影響であり、更に7月に入り豪雨がもたらした5ホールにも及ぶ土砂崩れでした。この土砂崩れは現在に至っても、根本的な処理が出来ていない状態です。この二つの自然現象が、親会社をして再建の道を断念するに充分な要因となったのです。
ゴルフ場の営業を終了した後の来年1月には、全会員400名ほどを対象とした総会を予定しており、この場でクラブ解散を経営会社より公表される可能性が高くなっております。しかしながら現時点で経営会社を、清算する予定は無いとの事です。
振り返れば2016年2月に会社分割にて木曽駒高原開発株式会社が設立されており、木曽駒高原カントリークラブを分離独立させておりました。大切な虎の子を守る一手段だったと今になって気づくのは、凡人故の知恵の無さからとも言えますが、親会社である大同特殊鋼によるこのスキームは、予言者が居たかの様、現在粛々と進みだしたのです。
当該ゴルフ場の営業が終了した後、どの様な形へ変化していくのか注目されます。
静岡県の葛城ゴルフ倶楽部では2020年8月1日より開始していた補充会員募集が、予定通り11月末本日をもって終了する事から、明日12月1日既存会員権の名義書換を再開します。
名義書換料は従来通りであり、その内容は下記の通りです。
・正会員 1,500,000円(税込1,650,000円)
・平日会員 400,000円 (税込440,000円)
2012年から毎年恒例化した補充会員募集ですが、これまで9年間1度も不調に終わった事が無く、今日に至っております。今後は当該会員権をめぐる舞台は、会員権市場へ移行していく訳ですが、恐らく来年8月に又名義書換が停止になる事を想定した場合、活躍出来る期間は約8ヶ月間です。
この8ヶ月間でどれ程の件数を消化、ニーズを吸い上げる事が出来るのか、大いに注目されます。
千葉県の立野クラシック・ゴルフ倶楽部では、2020年12月1日より2021年5月31日までの半年間限定で、名義書換料を無料で対応するとしております。大変魅力的なキャンペーンですが、あくまでも対象は下記の方々へ限定されています。
- 立野クラシック・ゴルフ倶楽部と姉ヶ崎カントリー倶楽部の法人会員
- 上記2倶楽部会員の家族や親戚
例えば個人会員或いは法人登録者の三親等以内の方が、個人会員として入会する場合、通常正会員1口の名義書換料は110万円ですが無料となります。また法人会員が口数を増やす場合も、同様の内容となります。これらは全て当該会員権第三者譲渡の延長上にある手続きです。
更には会員権の親族間譲渡、或いは同一法人内で現行登録者の三親等以内親族へ記名者変更する場合、この様な場合も無料となります。いずれにしてもこの様なやり取りは、親族間以外すべて会員権を市中で手当てする必要があります。
このキャンペーンがスムースに進行した場合、市中から当該倶楽部の会員権が品薄状態になるだろう事は、明らかに予想できますし、会員権価格も値上がりするものと思われます。あくまでもこれは予想の範疇ですが、来年6月にはどの様な結末が待っているのでしょうか。貴重な市場実験が、まもなく開始されます。
埼玉県の日高カントリークラブでは、2021年1月1日より全会員の年会費を値上げします。概要は下記の通りです。
会員種別 |
改定前 |
2021年1月 |
正会員 |
88,000円(税込) |
100,000円(税込110,000円) |
平日会員 |
71,500円(税込) |
80,000円 (税込88,000円) |
これは2020年11月23日に開催された理事会にて決議された内容ですが、会員へは書面にて告知される予定で、現在発送準備中との事です。この値上げせざるを得ない要因として、経営会社では下記内容の費用へあてる必要がある為としております。
- 新型コロナウイルスの影響によりゲストの来場が減少し収益に大きく影響。
- 例年50本ほどのところ今年は約100本にも及ぶ松枯れ対策費がかさむ事。
- コース売店の改修。
- 開場60周年を迎える来年2021年へ向けた準備。
当該クラブに於ける年会費値上げの歴史を振り返るならば、2004年、2017年の改定を経て今回に至っております。13年間と4年間というインターバルをそれぞれ経ているのですが、今回はあまりにも短期間であり、会員へのプレッシャーもそれなりに強い事が伺えます。
この影響が今後どの様な動きとなっていくのか注目されます。
株式会社ノジマ(代表取締役社長:野島廣司_神奈川県横浜市)は、2020年12月16日(水)に神奈川県の厚木国際カントリー倶楽部西コースを舞台に、チャリティトーナメントを開催します。
名付けて『ノジマチャリティトーナメント』ですが、シニアプロ30名に著名なアマチュア選手15名を加え、総勢45名15組の大会に成ります。アマはオリンピアンなどスポーツ界での活躍が素晴らしい方々へ、出場依頼をかけているとの事ですが、本日時点で名簿は発表されておりません。
プロには賞金総額1,200万円が用意されており、その内優勝者の獲得賞金は200万円です。賞金シードの上位選手から参加選手を選出するとの事ですが、こちらも現時点では明らかにされていません。
ノジマは「スポーツを通じて地域社会を元気に」と言うスローガンの基、今年4月にシニアトーナメントを開催する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響から延期を強いられておりました。延期ですから当然開催を念頭に、様々な案が練られていたと思われますが、11月に入り中止となったのです。
この代替案とでもいえるのが当該大会であり、規模を縮小した1日大会として、又チャリティとして開催される事になったのです。賞金総額の10%と、全参加者が達成したバーディ数に2万円をかけた金額をノジマが負担し、その総額をコロナ対策に奮闘する医療従事者へ贈られます。
この模様は無観客ながらもYou TubeのUUUM-GOLFでライブ配信されると共に、12月27日にはBS-TBSの特別番組として放映される予定です。
2020年度PGAプロテストの実技試験が、11月20日(金)終了しました。17日(火)を初日とした4日間に幕が下りたのですが、このテストに合格したのは、12オーバーまでの47位タイ51名、下記一覧の通りです。
順位 |
スコア |
氏名 |
1 |
-7 |
長谷川 祥平 |
2 |
-6 |
岡田 絃希 |
3 |
-5 |
黒岩 輝 |
4T |
-3 |
吉田 泰基 |
4T |
-3 |
梅山 知宏 |
6 |
-2 |
西山 大広 |
7T |
-1 |
田中 章太郎 |
7T |
-1 |
清水 大成 |
7T |
-1 |
砂川 公佑 |
10T |
+1 |
関 将太 |
10T |
+1 |
三島 泰哉 |
12T |
+2 |
稲田 愛篤 |
12T |
+2 |
大岩 龍一 |
12T |
+2 |
富本 虎希 |
12T |
+2 |
金子 駆大 |
16T |
+3 |
小木曽 喬 |
16T |
+3 |
安倍 寛章 |
18T |
+4 |
渡辺 龍ノ介 |
18T |
+4 |
久保田 皓也 |
18T |
+4 |
幡地 隆寛 |
18T |
+4 |
桂川 有人 |
18T |
+4 |
高野 碧輝 |
23T |
+5 |
玉城 海伍 |
23T |
+5 |
原 敏之 |
23T |
+5 |
古川 雄大 |
23T |
+5 |
大内 智文 |
27T |
+6 |
鈴木 慶太 |
27T |
+6 |
金子 優将 |
27T |
+6 |
田中 裕基 |
27T |
+6 |
荒井 陸 |
31T |
+7 |
馬渡 清也 |
31T |
+7 |
片岡 尚之 |
33T |
+8 |
原田 凌 |
33T |
+8 |
上浦 雄大 |
33T |
+8 |
岩崎 亜久竜 |
33T |
+8 |
神農 洋平 |
37T |
+9 |
中村 貴至 |
37T |
+9 |
猪川 頌生 |
39T |
+10 |
池内 慧 |
39T |
+10 |
篠塚 明宏 |
39T |
+10 |
J・M・シン |
39T |
+10 |
櫻井 隆輔 |
39T |
+10 |
池見 和輝 |
44T |
+11 |
原田 大雅 |
44T |
+11 |
島野 璃央 |
44T |
+11 |
中村 志凪 |
47T |
+12 |
安富 慎 |
47T |
+12 |
小寺 健大 |
47T |
+12 |
石塚 祥利 |
47T |
+12 |
石崎 真央 |
47T |
+12 |
石毛 一輝 |
今やプロテスト合格によるプロの称号は、トーナメントプロへの一歩と言うよりも、このテストに合格する事で社会的地位が明確に成る、その様な意味合いが強くなったと言えます。今後合格者は講習会を経てプロ資格をPGAより授与される事になりますが、この資格をどの様に生かすも本人次第です。
より良きプロゴルファー人生の、一資格にして欲しいものです。
埼玉県の大宮カントリークラブでは2021年1月1日より、会員権の名義書換料を全種別、正会員及び平日会員共に一律50万円へ改定します。概要は下記の通りです。
会員種別 |
改定前(税込) |
改定後(税込) |
正会員 |
300,000円 |
500,000円 |
平日会員 |
300,000円 |
500,000円 |
同クラブに於ける名義書換料は正会員30万円(税別)と平日会員20万円(税別)でしたが、2015年4月1日から2019年3月31日までの実質4年間、この半額で減額キャンペーンを行ってきていました。その後2019年4月1日からは、正平共に税別30万円で対応して来ています。
これが今回大きく改定された訳ですが、背景には国交省による「荒川直轄河川改修事業(第二調整池、第三調整池)」の影響が有り、更には新型コロナウイルスの関係から一時的に来場者が減少した事なども有ったのだと思われます。
いずれにしてもこれだけ金額が高額になると、果たしてどれだけ名義書換の実績を積み上げられるのか、疑問視せざるを得ない点も有ります。動向を見守りたいと思います。