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 長野県伊那市の『信州伊那国際ゴルフクラブ』を経営しておりました株式会社信州伊那国際ゴルフクラブが、2024年1月24日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。

 申請代理人はノイエスト総合法律事務所(東京都千代田区丸の内1-5-1)の西山彩乃弁護士ほか2名です。すでに当該事業は昨年の2023年11月29日に設立された新会社、伊那国際ゴルフクラブ株式会社へ吸収分割にて移管されており、今回この法的整理はプレパッケージ型にて再建しようとする手続きになります。

 今回の法的整理は会員の預託金問題から端を発していますが、旧事業会社となった対象会社の負債は、債権者約3000名に対し約33億円です。関係者によれば弁済率は、一般的な率よりも高いものを想定している様です。

 一連の手続きを経て、今回選定されたスポンサーへ新事業会社の株式を譲渡する訳ですが、その企業は東京都中央区銀座2-9-17に本店を置く、土木建築工事業の坪井工業株式会社です。此れまで多くのスポンサー候補が尻込みする中、ある意味火中の栗を拾う形になったのです。

 どこまで会員の協力を得られるかが、再建へ向けての試金石と言えます。

アコーディアがミオス菊川CCを取得へ

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 2024年1月18日に株式会社アコーディア・ゴルフは広報を通じ、静岡県のミオス菊川カントリークラブを取得する事を明らかにしました。

 M&Aを基にした契約は、2023年12月20日に株式譲渡契約として締結しており、引き渡しは2024年3月21日になります。当面、商号は残し営業を継続する様ですが、単体では営業黒字になっている関係上、早急に何かへテコ入れする必要はないものと思われます。

 しかしながらアコーディアゴルフとしては、アコーディアブランドとして営業していく方針から、徐々にシステムは変更されていくものと思われます。古くからの会員から、反発される様な事態を招きたくないのは当然ですから、少しづつ変化していくのではないでしょうか。

 この度のゴルフ場譲渡は、何が要因だったのでしょうか。一説には後継者不足とも言われており、日本の多くの老舗企業が抱える問題が、ゴルフ場に於いても浮き彫りになったと言えます。

(株)清里丘の公園が7月11日破産手続開始決定

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 山梨県営の『丘の公園清里ゴルフコース』を2023年3月まで運営していた株式会社清里丘の公園が、2023年7月11日に甲府地裁より破産手続きの開始決定を受けていました。

 同社は2004年4月より19年間に渡り、同ゴルフ場の運営に携わってきておりましたが、2023年4月からは信玄餅などで有名な(株)桔梗屋へ、運営主体が変更になっていました。この変更について県企業局は、昨年2022年に公募にて名乗りを上げた数社を、選定委員会が審査した結果だとしています。

 ところで(株)清里丘の公園の負債額については、約6億と言われていますが、破産管財人の石川善一弁護士(山梨県甲府市、石川善一法律事務所、TEL 055-222-0200)によれば、現在精査中であり詳細は集会終了まで明らかに出来ない、としています。

 なお破産会社が設立されたのは2003年10月10日、山梨県より当該ゴルフ場の運営を受託する約半年前でしたが、この約20年の歴史に幕を閉じる事になります。

入間カントリー倶楽部はクラレからリソルへ

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 株式会社クラレとリソルホールディングス株式会社(以下リソルH)は2023年7月12日それぞれ、埼玉県の入間カントリー倶楽部に関する(お知らせ)を発表しました。内容はクラレの連結子会社である(株)入間カントリー倶楽部の全株式を、リソルHのグループ企業であるリソル(株)へ、譲渡契約を同日締結したと言うものです。

 株式譲渡日は2023年8月31日を予定していますので、この日をもって当該ゴルフ場は、1977年9月以来から継続してきたクラレグループ一員、としての位置づけが変更になります。クラレでは中期経営計画「PASSION 2026」にて、事業ポートフォリオの高度化を掲げており、この観点から今後も当該ゴルフ場にてより良いサービスを提供して行く為には、リソルグループへ譲渡する事が最善と判断したとしています。

 譲渡会社及び買い受け企業の概要は、下記の通りです。
被譲渡会社(株主構成変更対象会社)
 ・社 名:株式会社入間カントリー倶楽部
 ・所在地:埼玉県入間郡越生町大字如意1159番地1
 ・代表者:代表取締役社長 松井 茂
 ・資本金:40百万円
 ・事 業:ゴルフ場運営(入間カントリー倶楽部)
 ・株 主:株式会社クラレ100%

買い受け企業
 ・社 名:リソル株式会社
 ・所在地:千葉県茂原市真名1808番地1
 ・代表者:代表取締役 佐野 直人
 ・事 業:ホテル運営事業、ゴルフ運営業
 ・株 主:リソルホールディングス(株)95%、リソル総合研究所株式会社5% 

 リソルグループでは当該ゴルフ場取得で18コース目になりますが、ゴルフ場運営では「長期的に安定した収益基盤の構築」を図っているとしています。

『武庫ノ台ゴルフコース』が10月にPGMグループへ

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 兵庫県の『武庫ノ台ゴルフコース』が、2023年10月2日にPGMグループの一員になるとして、関西電力株式会社及びパシフィックゴルフマネージメント株式会社(以下PGM)双方が、2023年7月11日明らかにしました。

 当該ゴルフ場を現在経営しているのは関西電力グループの株式会社関電アメニックスですが、同社は会社分割により「武庫ノ台ゴルフ株式会社」を別途設立し、ゴルフ場事業を移管させます。7月下旬に設立されるそのゴルフ場専業会社の株式を、PGMが10月2日に取得しグループ化する、此れが今回のゴルフ場売買の流れになります。

 ところで当該ゴルフ場は、名設計家・上田治の手によるもので、開場は1966年10月までさかのぼりますが、関西でも著名な18ホールズのパブリックコースです。当該ゴルフ場譲渡について関西電力は、「経営資源の最適化」という観点から見直しを行った結果、ゴルフ場専業大手へ当該ゴルフ場を引き継ぐ事が最適、と言う結論に至ったとしています。

 関西電力と言えば日本の基幹産業である電力事業を担う重要企業ですが、我が国に於ける原子力発電に関する方向性が曖昧な中、ロシアによるウクライナ侵略は、様々な問題を我が国へも提起したと言えます。エネルギー源を他国に依存する危険性をNATO加盟諸国が痛切に感じた様に、我が国に於いても様々なエネルギーミックスが今こそ求められています。

 この様な環境下、関西電力にとってゴルフ場事業は、「2021ー2025グループ中期経営計画」による将来の成長、このカテゴリーには入らないのだと思われます。なおPGMにとっては、魅力的なゴルフ場をまた一つ、取得する事になりました。

株)東名小山カントリー倶楽部が東京地裁へ破産申請

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 2023年7月12日の昨日、帝国データバンクと東京商行リサーチは、株式会社東名小山カントリー倶楽部が債権者約19,820名に対し約175億3100万円の負債を抱え、7月6日に東京地裁へ破産申請した事を報じました。

 同日同地裁より開始決定を受け破産管財人に選任されたのは、永沢総合法律事務所(東京都中央区:TEL 03-3273-1800)の藤井哲弁護士です。同弁護士によれば、債権者が多い為に債権者説明会を開催せず、また破産手続き費用に支障をきたす恐れがある事から、破産債権届の提出を当面求めないとしています。

 当該法人は同名のゴルフ場建設を目論むも完成へ至らず、その用地は1989年より『ギャッツビイゴルフクラブ』へと名称変更され、ゴルフ場として今日に至っています。当該法人は、そのゴルフ場の一部施設を保有している関係から賃貸契約を締結し、その収入で経営されていたとの事ですが、今般5月にその契約継続がままならず、法的整理へ至っています。

 現在当該ゴルフ場を運営しているのは、(株)ゴルフサービス(駿東郡小山町_代表:金山英植)ですが、今後のクラブ運営方針について、今秋には新たな内容をギャッツビイゴルフクラブ会員へ、提案出来るのでは無いかとしています。ここでの会員とは、(株)東名小山カントリー倶楽部の預託金債権者を指すものと思われます。

 権利関係が複雑な当該ゴルフ場ですが、会員によれば7月7日~8日頃にかけ、破産に関する書面が届いた様です。なおこの度この破産申請を行った代理人は、浅香寛弁護士(浅香法律事務所、東京都新宿区四谷1-20、TEL 03-3341-1501)他2名でした。

函館シーサイドCCの経営会社が破産へ

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 函館シーサイドカントリークラブを経営する(株)函館シーサイドカントリークラブは2023年6月23日、函館地方裁判所より破産手続き開始決定を受けたとして、自らのWEBサイトで明らかにしました。

 破産管財人に選任されたのは、五稜郭法律事務所(函館市:TEL0138-33-1551)の野﨑渉弁護士です。同弁護士によれば、第1回債権者説明会は9月7日を予定しているものの、必要に応じその後何回か開催される可能性があるとしています。

 また同弁護士によれば競売については極力避け、当該ゴルフ場の継続営業を前提に、引き受け事業者を手当てする作業へ、注力して行きたいとしています。既に数社が手を上げており、今後の再建へ向けた交渉を、進めていく事になるとしています。

 ですが新たな候補者の出現も歓迎しており、窓口は開けておきたい様です。ちなみにゴルフ場用地は自社地との事、更に負債額は他の情報筋からの話では約13億円、内会員の預託金10億円ほどの様ですが、同弁護士によれば詳細は精査中としています。

 滋賀県の「センチュリー・シガ・ゴルフクラブ」を経営していました株式会社センチュリー(以下センチュリー)が、2023年6月1日大津地裁へ特別清算を申請しました。

 帝国データバンクによれば、申請代理人は東畠敏明弁護士(大阪府、東畠法律事務所_TEL 06-6858-1829)で、負債は預託金約43億円を含む約55億円との事です。

 当該法人は今回を含めると、法的整理は2回目になります。かつて2001年4月24日に民事再生法の適用を申請し、2002年7月10日に再生計画の認可決定を受けていました。此れが1回目です。ところが約20年が経過した今日、売り上げの減少から様々な資金需要へ対応出来ず、この様な結果になりました。

 ところで当該ゴルフ場関係者いわく、会社分割も視野に入れており、この手続きが可能になれば債務を切り離せる為、新会社は大変楽になるとしています。此れ迄の流れを振り返れば、やはり当初の整理時に行った継続債権者への40%カットと言う内容が甘かった故に、会員へ2度も辛い思いをさせる事になったとも言えます。

 センチュリーは2023年5月31日の株主総会にて会社解散を決議し、そして通常の清算業務とは異なり、裁判所管理の基に進める訳ですが、早ければ年内にも終了するのでしょうか?

 仙台空港カントリークラブを経営する株式会社仙台空港カントリークラブは、2023年5月9日会員債権者25名更に同じく債権者である株式会社エイチ・ジェイ(代表者:岡本豊_以下HJ)より、東京地裁へ会社更生手続開始申し立てを受けました。此れを受け同地裁は、同日調査命令を発動しています。

 債権者数は約1,900名にて、その負債総額は約7億5,000万円に上ります。申し立て代理人は、西村國彦弁護士他4名(東京新宿、さくら共同法律事務所_TEL03-6384-1120)。此の度約1億8,000万円の最大債権者となったHJは、債権者であると同時に同ゴルフ場の運営会社でもありました。一見複雑な同ゴルフ場をめぐる関係は、仙台空港CC社をめぐる株主構成に起因していますが、その概要は下記の通りです。

■ (株)仙台空港カントリークラブ(100%株式保有者はSW開発株式会社)
■ SW開発株式会社(株式会社韓国産業洋行_50% / 株式会社ディ・アイジャパン_50%)
 仙台空港CCが2004年の法的整理時に、受け皿として設立された特定目的会社
■ 韓国産業洋行は子会社であるHJを同ゴルフ場の運営へ当たらせる
■ HJ(米原ゴルフ倶楽部など国内9コース、国外19コースを運営する専門企業)

 今回訴訟沙汰になった要因は、デイ・アイジャパン自らが保有するSW開発の株式50%全てを、2022年末に株式会社WOコンサルティング(代表者:小澤洋介)へ譲渡しており、譲り受けたWO社が手続き手順を踏まず、一方的にHJ社を同ゴルフ場から締め出した事によるものです。

 今後5月17日には宮城県名取市に於いて、会員説明会が開催され、この間の経緯などが説明される様です。

2022度に経営交代したゴルフ場は193コース

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 一季出版株式会社発行の「ゴルフマネジメント4月号」では、2022年度に経営交代したゴルフ場は、全国で193コースだったと伝えています。大変数多くのゴルフ場が、交代した事になります。

 この背景にはアコーディア・ネクストゴルフグループのゴルフ場169コースが、2022年1月31日にソフトバンクグループ傘下のフォートレス・インベストメント・グループに買収された事が、大きく数字を伸ばした要因になっています。

 ではそれ以前の実績は、どの様なものだったのでしょうか。同記事によれば、2021年度が23コース、2020年度が27コースが交代したとしています。2022年度について更に詳しくみて見るならば、アコーディア・ネクストゴルフグループを除けば24コースの交代となりますので、例年通りの動きと言えなくも有りません。

 此の経営交代へ至る具体的な手法は、M&Aが大半との事ですから、経営会社の株主構成が一変する訳ですが、新たな株主による経営が必ずしも成功するとは限らず、再度転売の憂き目にあうケースも多い様です。経営手腕に優れた新経営者によるゴルフ場取得が、何よりも望まれるものと思われます。