『令和3年税制改正大綱』は利用税について何も語らず

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 2020年12月10日自由民主党と公明党は連名にて、『令和3年税制改正大綱』を発表し、来年度税のあり方を明らかにしました。此れまで『ゴルフ場利用税』廃止を訴えているゴルフ業界の動きは、どの様なものだったのでしょうか。

 此れまで撤廃運動の中心的役割を果たしてきた日本ゴルフ関連団体協議会、いわゆるゴ連協は、2019年暮れより活動停止状態となり、ついに2020年7月には解散へ追い込まれてしまいました。この中心的組織を失う中、これに代わってその役割を担えるのは、JGAとスポーツ庁になるのだと思われます。

 ではこの2組織は今年税制改正要望として、ゴルフ場利用税撤廃を関係省庁や政府与党へ、申し入れ出来たのでしょうか。ゴルフ場利用税撤廃のアドバルーンを下す事は無いものの、コロナ禍の中、今年はその要望を提出する事は無かったのです。

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、此れ迄の日本の社会環境は大きく変化しました。これが影響したのか大綱の基調は「脱炭素」であり、更に「デジタルトランスフォーメーション」や中小企業の再編に、内容が大きく割かれております。経済評論家によれば約500~600億円の減税予想との事ですが、此処に『ゴルフ場利用税』撤廃が登場するスペースは有りませんでした。

 冷静に考え誰しもが納得し得ないゴルフ場利用税ですが、大きな怒りとなり燃え広がらないのが現状です。税の采配は時の総理大臣も口出しし辛いと言われる様ですが、事ゴルフ場利用税に関し、その出口がなかなか見いだせないでいます。

シルクカントリー倶楽部をPGMが2021年3月1日売却へ

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 群馬県のシルクカントリー倶楽部をPGMグループは、2021年3月1日に譲渡するとして、2020年12月16日報道関係者へ公表致しました。

 当該ゴルフ場を保有するPGMプロパティーズ株式会社は、会社新設分割によりシルクゴルフ株式会社を設立します。その法人へ当該ゴルフ場を承継させた後、新設会社の全株式をロックフィールドゴルフリゾート株式会社(大阪市北区_代表取締役:大島均)へ譲渡する流れです。

 ロックフィールドでは現在全国で6コースを運営しておりますが、来年3月にシルクCCが加わる事で7コースになります。現在運営しているコースは下記の通りですが、それぞれのエリアが離れており、シナジー効果も薄いと思われる中、関東圏のゴルフ場を取得する事は、かねてからの方針でした。

1、 千羽平GC(富山)
2、 養老CC(岐阜)
3、 有馬富士CC(兵庫)
4、 アイランドGガーデン宇部(山口)
5、 岩見沢雉ヶ森CC(北海道)
6、 紀の国CC(和歌山)

 PGMグループにとりゴルフ場の売買は、それ自体が目的では無く手段に過ぎません。PGMグループが手放すと言う事は、そのゴルフ場から得られる様々な利益が少ない為だと推察されますが、この様なゴルフ場を今後どの様に再生させていくのか、ロックフィールドの手腕が試されていくのだと思われます。

おおむらさきゴルフ倶楽部は2021年1月より名義書換再開

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 埼玉県のおおむらさきゴルフ倶楽部では、2021年1月より会員権の名義書換を再開します。正会員の名義書換料は110万円、年会費は44,000円です。

 入会条件としては、アコーディアゴルフグループ共通である反社関係者の入会拒否、と言う大命題はあるものの、それ以外は特段設けていないとの事です。入会条件だけを見るならば、大変おおらかな内容になっております。

 ところでアコーディア・ゴルフグループは2012年6月26日、当該ゴルフ場の旧経営会社であるピーエスアール武蔵株式会社の全株式を、パシフィックスポーツアンドリゾーツ株式会社より取得し傘下に収めて来ました。

 その後税別130万円と税別150万円にて、無額面の会員募集を行ってきている関係から、当該ゴルフ場の会員構成としてはプレー会員が中心なのだと思われます。しかしながら旧経営会社時代に、保証金200万円を含めた515万円募集を、2007年6月から2009年3月末まで行っている事から、この会員の存在を無視し得ないのではないでしょうか。

 この会員をかつてA会員と呼称したのですが、アコーディア本社の担当者によれば、その様な会員は存在しないとの説明でした。では会員募集時、全く入会する方がいなかったのか、或いはいたものの保証金を返還し退会したのか、一切説明は有りませんでした。

 不正確な情報開示は関係者を不信感から解放する事は出来ませんし、その様な呪いはなかなか解けるものでもありません。今後の名義書換の進展が、老婆心ながら案じられます。

『ネクストプレーヤーズカップ』12月17日開催

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 聞きなれないトーナメント名ですが、それも当然です。『ネクストプレーヤーズカップ』は、2020年今年初めて開催される1日トーナメントです。
主催は株式会社報知新聞社、特別協賛はJT、概要は下記の通りです。

・大会名称 ゴルフ日本シリーズJTカップpresents「ネクストプレーヤーズカップ」
・開催会場 グランフィールズカントリークラブ(静岡県三島市)
・開催期日 2020年12月17日(木)
・出場人数 30名
・賞金総額 1,500万円(優勝300万円)

 この試合は男子ツアー最終戦である「JTカップ」を主催している報知新聞社と特別協賛のJTが、「JTカップ」を戦えなかったツアー選手へ、コロナ禍の中で少しでも試合経験を積まさせてあげたい、その様な思惑で開催されるもので、今年限りの試合になります。

 この1日トーナメントへ出場出来る選手は、2020年『第57回ゴルフ日本シリーズJTカップ』出場選手以外から選出されます。2020年に開催されたJGTOツアーの上位選手で、30名に達するまで繰り上がって行きます。資格はあっても何らかしらの事情で参戦出来ない選手もいますので、60位以下の選手まで声がかかるものと思われます。

 今年最後のツアー選手による熱き戦いは、当日YouTubeでライブ配信されますが、JTカップの公式サイトでも見られる様、現在検討中との事です。

大利根カントリークラブは約2週間で平日会員募集終了

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 茨城県の大利根カントリークラブでは、2020年10月1日より平日会員の補充募集を開始しましたが、約2週間が経過した10月13日にはこれを閉め切りました。募集口数50口に達した為です。

 なんと言う驚異的速さでしょうか。あらかじめ募集開始前より、準備されていたかの様でした。この速さに匹敵するのは毎年8月から開始される、静岡県の葛城ゴルフ倶楽部補充募集以外無いと思われます。

 此処で少し募集内容をおさらいしておきますと、1.募集価格は税別200万円 2.5年以上在籍の正会員1名による紹介が必要 3.譲渡不可 4.土曜日に利用出来る会員権、と言う事になります。これを見てくると会員権の資産価値と言うよりは、利便性と費用対効果が適切或いは高いと判断された方が多く、そして手を上げられたのでは無いかと推測されます。

 ではどの様な方々が、会員になられたのでしょうか。クラブによれば30歳代から70歳代まで、満遍ない年齢の方々が入会された様ですが、特に50歳代の方が一番多かったとの事です。当然ですが会員のご家族、例えば奥様方も入会されました。

 今回の募集は当該クラブを取り巻く状況を把握し、上手に需要をキャッチ出来た結果だった、のでは無いかと思われます。愚策に資金投下を行っても、需要を喚起出来ない事を良く物語っています。現実を軽視する事なく、上手にクラブ運営を行っていく必要があるのだと言えます。

ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 栃木県の日光カンツリー倶楽部では、2020年12月8日より週間会員の募集を開始しました。週間会員とは、祝日を除く月曜日から土曜日まで、利用出来る会員資格です。

 此れまで同倶楽部では適時週間会員の募集を行ってきておりますが、この度は会員権業者との協力体制を構築する形で進める事となりました。募集開始日の12月8日は、全会員権業者がこの情報を一律に知り得た時点で有り、「業者間での情報格差と不公平感が出てはならない」との、倶楽部側の配慮によるものです。

 週間会員の募集概要は、下記の通りです。
・募集価格 1,000,000円(税込1,100,000円)当該倶楽部では入会金と呼称
・募集人数 50名
・入会条件 1.満25歳以上の方
・入会条件 2.選考委員会による面接の上、理事会にて承認された方(不承認理由は非開示)
・資格譲渡 不可

 週間会員の大きな特徴は、その会員資格を第三者へ名義書換出来ない事であり、一代限定のものです。しかしながら将来、週間会員が正会員へ移行する場合、募集時倶楽部へ支払った入会金の100万円は、正会員入会時に支払う名義書換料200万円の一部として、充当する事が出来ます。残額100万円の支払いで済む事になります。

 ところで当該倶楽部は、法人名義での新規入会は、一切出来ません。

ザ・クイーンズヒルGCが12月7日再生手続き開始決定へ

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 九州・福岡県のザ・クイーンズヒルゴルフクラブが2020年12月7日、福岡地裁より再生手続き開始決定を受けました。同日管財人へは高松康祐弁護士(福岡県福岡市、弁護士法人みらい法律事務所_TEL092-781-4148)が選任されました。

 同ゴルフ場はプロゴルファー・岡本綾子氏の設計監修により、18ホール・パー72・7,054ヤードのコースとして、1992年11月に開場しました。博多の中心街から20~30分と言う交通アクセスの良さ、更にコースレイアウトの面白さから人気を博しており、地元の会員権業者によればその会員権価格は、2020年春時点で200万円前後の値動きをしていました。

 このゴルフ場を造ったのは地元で不動産開発業をしていた田原學氏ですが、ご子息の司氏も当初経営スタッフに名を連ねていたものの、親子間の不仲から一時外へ出ていました。しかしながら2017年に創業者の田原學氏が亡くなった事から、田原司氏が新社長へ就任するも、役員間の不協和音は途絶える事無く、会員の預託金問題など重要案件を処理する為には、法的整理も止む無しとの判断に至った様です。

 とはいえ今回の申請は、経営会社である株式会社ザ・クイーンズヒルゴルフ場自ら申請したものでは無く、第三者の金融機関から申請されたものです。今後債権の届け出とその調査を2021年6月頃まで、その後再生計画の立案と提出及び承認と言う過程を考慮するならば、2021年秋から冬にかけて一段落を迎える日程になるものと思われます。

 今後の方向性として新スポンサーによる再建になると会員間では予想されているものの、早くも「あの大手ゴルフ場グループはだめ」と、様々な憶測が会員間で飛び交っている様です。一体何処がこの素材に恵まれたゴルフ場を、取得するのでしょうか。

浜野ゴルフクラブでは2021年1月より年会費値上げ

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ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 千葉県の浜野ゴルフクラブでは2021年1月より、年会費を値上げする事になりました。これは2020年7月に経営会社である株式会社浜野ゴルフクラブの取締役会が決議し、同ゴルフ場理事会が承認し進められるものです。

その概略は下記の通りです。

 会員種別    改定前     2021年1月
個人正会員 40,000円(税別) 60,000円(税込66,000円)
法人正会員 40,000円(税別) 60,000円(税込66,000円)
個人平日会員 20,000円(税込) 30,000円(税込33,000円)
法人平日会員 20,000円(税込) 30,000円(税込33,000円)

 この値上げに至った背景には、昨年2019年9月及び10月に、同ゴルフ場が襲われた台風被害があります。特に同ゴルフ場前にある県道での電柱倒壊事故は、同ゴルフ場への電力供給網を破壊し、約2週間に渡るゴルフ場閉場状態へと追いやったのです。

 当然この間に於ける来場者は皆無ですから、数千万円にも登る赤字を計上せざるを得なかったのです。更に月次での定時払いは、待った無しの状況ですから、これらの損失を捉え返す事は簡単では無く、自助努力以上の会員による支援を必要としたのです。これらの内容に付いては既に2020年8月に入り、書面や会報を通じ会員への報告を済ませているとの事です。

 上記値上げを見るならば、正会員が2万円、平日会員が1万円の負担増となります。他クラブの値上げ状況を俯瞰した場合、ある意味この程度の値上げで済ませている所に、当該クラブの底力を感じさせます。

ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg 2020年12月1日PGMグループは、アコーディアゴルフ及びネクストゴルフグループより、4コースを取得しました。
その4コースとは石岡ゴルフ倶楽部(茨城県)、武蔵ゴルフクラブ(埼玉県)、きみさらずゴルフリンクス(千葉県)、南市原ゴルフクラブ(千葉県)です。

 この4コースは以前のグループに於いても、中には短い期間に限定していたコースもありましたが、会員権の名義書換手続きを行っておりました。その手続きにて、会員本人いわゆる名義人の印鑑証明書は、有効期限を発行日より3ヶ月間として、取り扱われていたのです。

 これらがこの度PGMグループ入りした事で、印鑑証明書の有効期限は半年となりました。この事により広域の関東圏に於ける、名義人の印鑑証明書有効期限を半年以上としているコースは、2020年12月に入り86コースを数える程となったのです。

 以前当「ゴルフ事件過去帖」ではこの件に関し、共通会員権の総武総合平日権及び山田クラブ21、これら2件をカウントしておりましたので、従来通りであれば88になる事と思います。しかしながらこれを共通会員権として、別のカテゴリーで仕分けるのが適切だと判断し、切り離す様にしました。

 結果として2020年12月8日現在、単独コースとしては86、共通会員権としては6件が、名義人の印鑑証明書有効期限を6ヶ月間として、取り扱われています。印鑑証明書に関する適切な認識と理解が、徐々に拡大して行っています。これまでの歪んだ商慣習、ゴルフ場担当者へおもねる事で、手続きにさじ加減を加えてもらうのでは無く、適切なルールとその明文化が、何よりも業界を発展させるのだと思われます。

ゴルフ事件過去帖_TACT-No1.jpg ジャスダック上場の株式会社守谷商会は2020年11月26日、18ホールゴルフ場の菅平グリーンゴルフを、株式会社ノザワワールドへ譲渡するとした内容を公表しました。

 同ゴルフ場を経営しているのは、同社の連結子会社である菅平峰の原グリーン開発株式会社ですが、会社分割にて株式会社菅平グリーンゴルフを2021年4月1日に新設し、同ゴルフ場事業を承継させます。そしてその全株式をノザワワールドへ、4月2日に譲渡し手放す計画です。

 守谷商会では1973年より同ゴルフ場の経営を開始しておりますが、なんと言っても「ノンコア事業」である事から、同ゴルフ場の処理は近年の課題でもありました。その様な中2019年7月、同ゴルフ場元社長の業務上横領・特別背任事件は、同ゴルフ場処理へ向け経営陣の背中を強く押す事になったのです。

 同ゴルフ場経営会社は長野地裁への特別清算手続きを経て、その裁判所の許可を持ってゴルフ場譲渡に至ります。一連の手続きには時間を必要とする為、4ヶ月に及ぶ準備期間をもっての譲渡となります。守谷商会によればこの度の買い手発掘作業は、M&A専門業者からの提案により、まとめられたとしております。

 同ゴルフ場直近の決算書では約7,800万円の赤字ですが、買い手のノザワワールドは約半年間雪に閉ざされた同ゴルフ場の経営を、どの様に立て直していくのでしょうか。ちなみにノザワワールドでは現会員を、無額面のプレー会員として受け入れて行くと思われます。