2020年6月11日の午前中、株式会社ファンケルは2020年8月に開催を予定していた『ファンケル クラシック』に付いて、中止にするとの告知を報道関係者へ一斉に流しました。主催者であるファンケル社と主管をつかさどるPGAが、協議を重ね得られた結論です。
中止理由としては、「ギャラリーや選手、ボランティアなど多くの人が開催地域に移動することにより、感染リスクが高まる」、事からだとしております。この結論に至るまでは、関係者間で様々な葛藤も有ったものと推測されますが、それらは下記の内容として集約出来るのだろうと思われます。
1_2010年より10年連続で2万人越えの来場者数を誇る同大会が無観客で良いのか、2_観客を入れた場合もし集団感染が発生したならば、健康産業を標榜するファンケル社のイメージダウンは免れない、3_トーナメントの感動や喜びが来場者の2メートル間隔では得辛い、4_記念すべき20回大会がまるでお通夜の様では大会開催の意味が無い。
静岡県の裾野カンツリー倶楽部を舞台に予定されていた同トーナメントの開催中止は、賢明な判断だったと言えますが、この無念は来年2021年に「倍返し」して頂き、最高のトーナメントへ仕上げて行ってもらいたいものです。お楽しみは来年へ、取っておきましょう。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
ファンケルの挑戦は続く

< 手塚 寛 理事長 >
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)は2020年6月10日、都内会場に於いて第8回定時総会を開催しました。基調報告では、ゴルフ場入場者数が対前年比136万人ほどの延びを見せるものの、高齢者に支えられている現状は、抜本的な対策が不可欠としております。
またゴルフ場に於ける人材不足は深刻な問題で有り、外国人材の受け入れは制度整備と合わせ、喫緊の課題になっていると報告されました。この問題に付いては国の「外国人技能実習2号移行職種」へ、ゴルフ場のコース管理技術者が認定されるべく、既に申請要件整備に着手したとの事です。
大石専務理事はこの外国人材に付いて時間を取って報告しており、NGKにとって重要度の高いものに位置づけられている事が伺えます。付け加えるならば、国からはこの件について、全ゴルフ場の50%以上が賛同している事、複数の送り出し国との協力体制は不可欠、これらの条件を設けられている様です。
その後組織としての中長期的課題でもある 1.市場活性化対策 2.ゴルフ場経営のコストダウン 3.預託金償還問題 4.地球温暖化・廃プラによる海洋汚染防止活動などの報告が有りました。総会はCOVID_19の影響から、この度議事進行を簡潔にさせる方針であり、紛糾課題も無い事から定刻内に終了しております。
2020年6月11日PGA TOUR が再開します。
待ちに待ったツアー再開ですが、初陣を切る試合は『Charles Schwab Challenge』(チャールズ シュワブ チャレンジ)です。テキサス州のコロニアルCC(7,000ヤード_パー70)を舞台に、148名の選手がしのぎを削る事になります。
参加選手はジェイソン デイ、リッキー ファウラー、ダスティン ジョンソン、ブルックス ケプカ、ローリー マキロイ、フィル ミケルソン、ジャスティン ローズ、ジョーダン スピース、ジャスティン トーマス、ババ ワトソンなどの日本でもお馴染みの有名選手ばかりです。
残念ながら松山、小平両選手は不参加であり、日本のゴルフファンにとっては興味半減と言えなくも有りませんが、世界一流選手のプレーぶりを又見れる事は、何よりも嬉しいものです。時期的にはシーズン半ばを越え、後半戦へ突入しているのですが、気分的には開幕戦にも等しい感覚に襲われます。
この試合は無観客にて開催されますが、その模様はGOLFTVにて観る事が出来ます。コロニアルCCに観客は居なくとも、GOLFTVを通じ多くのゴルフファンが、この試合を観戦する事と思われます。視聴料金は月額1,000円(税込)ですので、毎週250円のコーヒ―を飲みながら観戦する感覚とも言えます。
なお6月11日にはPGA TOUR の下部ツアーである、Korn Ferry Tourも再開します。正しく動き出して来た感じで、ワクワク感がたまりませんね。
株式会社ゴルフパートナーと一般社団法人日本ゴルフツアー機構(以下JGTO)は、今年7月に初開催の予定であった『ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント』を、中止にするとして共同で2020年6月5日明らかにしました。
ゴルフパートナー社では大会開催への意向が強かったものの、海外選手の日本国内への入国が厳しい現状から、難色を示したJGTOへ配慮する形で、今回は中止せざるを得なかった様です。しかしながら、当初想定していた試合内容は無理であるものの、代わりにエキシビショントーナメントを開催する事を公表しております。その概要は、下記の通りです。
大会 |
JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント |
主催 |
株式会社 ゴルフパートナー |
共催 |
一般社団法人 日本ゴルフツアー機構 |
会場 |
取手国際ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県) |
日程 |
本戦 7月9日(木)~7月10日(金) |
賞金 |
2,000万円(優勝賞金360万円)_予定 |
選手 |
90名(JGTOトーナメント出場有資格者+主催者推薦) |
競技 |
36ホールストロークプレー(予選カット無し) |
大会は無観客で行い、You Tube にて生中継されます。ゴルフパートナー社Webサイトのホーム画面から、You Tube へ入れるとの事です。なお当初予定していたトーナメントでは、出場出来るアマチュアを各地区大会から選抜するスタイルが取られており、この予選会は既に終了しております。
昨年から開催された予選会にて、本戦への出場資格を有しているアマの権利は、来年へ持ち越されるとの事です。いずれにしてもこのエキシビショントーナメントが賞金加算試合では無いものの、本年国内に於ける記念すべきJGTOの初試合と成ります。COVID_19に翻弄され続けて来たJGTOですが、やっと選手にも明るい兆しが見えて来た様です。
今後は我こそはと続く大会が、何処になるのか大いに注目されます。
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)では2020年6月の初旬に入り、全国ゴルフ場入場者数の速報値を明らかにしました。その内容は2018年度と2019年度の両年に於ける総利用者数、非課税利用者数がカバーされています。速報値と言え多変貴重な資料です。
総利用者数_図No1 |
2018年度 |
2019年度 |
前年度比増減 |
84,953,000人 |
86,319,000人 |
1,366,000人 |
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会資料
|
非課税利用者数_図No2 |
2018年度 |
2019年度 |
前年度比増減 |
18,032,000人 |
19,397,000人 |
1,365,000人 |
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会資料 |
上記図1の表にて年間約136万人の来場者が、増加しているのを理解出来ます。2019年秋には大きな自然災害が幾つもあった事から、年間来場者数の増加には驚かされるばかりですが、その要因は非課税者の増加にリンクしており、ほぼその増加分が年間ベースの統計にも反映されていると言えます。
要するに基本的に若年層と言うよりは70歳以上の方が、数多くゴルフに取り組んだ結果がこの様な数字に成ったものと思われます。非課税者の存在無くしてゴルフ場の繁栄も無い、と言うのが現在の正確な現実なのだと思われます。
高齢者多く若年層が少ない事をもってして、ゴルフ業界の危機などと声高に騒ぐのは、とてもナンセンスでは無いでしょうか。高齢者が大変楽しみにし、取り組んで頂いているのがゴルフであり、スポーツ性やレジャー性が有り、リタイア後の人生を豊かにしている、ゴルフの持つ一面をこの様に正しく理解する事で、更なる発展が見えて来るのではないでしょうか。
更にNGKのこの資料は昨年来場者減となったエリアも表記している事から、この一覧を下記へまとめる事で参考資料にしたいと思います。
エリア |
2019年度利用者数 |
減少数 |
福島 |
1,323,591人 |
▼34,009人 |
群馬 |
2,744,462人 |
▼37,147人 |
埼玉 |
3,888,349人 |
▼71,686人 |
千葉 |
7,681,094人 |
▼131,523人 |
東京 |
984,895人 |
▼5,798人 |
神奈川 |
253,869人 |
▼34,939人 |
長野 |
1,614,447人 |
▼61,550人 |
長崎 |
699,064人 |
▼2,875人 |
熊本 |
1,510,533人 |
▼1,718人 |
宮崎 |
1,073,434人 |
▼1,040人 |
鹿児島 |
1,026,456人 |
▼8,999人 |
千葉県のPGM総成ゴルフクラブでは、2020年8月1日より正会員の補充募集を開始する予定です。かつて当該ゴルフ場では旧経営会社時の2016年に、無額面でなおかつ利用期間が10年間と限定された会員権、その名称は「有期正会員」と言うものですが、新規に販売し完売した実績が有ります。
今回PGMグループとしては初の会員募集に成りますが、その簡単な概要は下記の通りです。
税込220万円正会員補充募集 |
募集会員 |
正会員(個人、法人記名式) |
募集金額 |
税込2,200,000円(入会金+消費税) |
募集口数 |
100口 |
資格譲渡 |
可 |
募集期間 |
2020年8月1日から定員に達するまで |
当該クラブの会員構成は2020年5月現在、預託金正会員が817口、有期正会員が202口、平日会員が52口と成っております。27ホールコースと言う規模から見た場合、あまりにも会員数が少ない現状であり、尚且つ会員の高齢化はアクティブ会員の減少となって表面化しております。
この様な現象を打破すべく設けられた会員募集ですが、2020年明け早々から全世界を脅威に陥れているCOVID_19は、6月に入っても完全にその騒動に終止符を打てない状況であり、苦しい中からのスタートに成ります。しかしながらPGMグループでは会員権業者との協力体制を構築しながら、この募集を完遂させようとの士気が高まっている様です。
なお既存会員権の名義書換は、募集開始1ヶ月後の2020年9月1日より、募集終了時まで停止になるとの事です。
神奈川県の清川カントリークラブでは会員権の売買に当たり、会員である名義人が譲渡書類へ添付した印鑑証明書は、その有効期限を半年間と規定しております。
但しこれには条件が有り、当該会員権を譲り受けた方が、クラブへ内容証明郵便にて、譲り受けた証を示す必要が有ります。このひと手間を省略する事は出来ないのですが、反面この手続きをしていれば、提出期限に余裕が出来るのです。
この手続きは古くから当該クラブに於いて採用されている様ですが、大変利便性が高く又会員権の流通を鑑みた場合、スムースに売買が行われている重要な要素にもなっています。
2020年6月初旬東日本エリアに於いて、印鑑証明書の有効期限を半年以上としているクラブは80、その他共通会員権が1件あります。この様に印鑑証明書の規定を改定するクラブは、年を追う毎に若干ずつではあるものの増加しつつ有ります。
これは近年会員権価格が安価に成った事から、「会員権詐取」に付いての危惧が、年々薄まって来ている事もその背景と成っています。この様な「会員権詐取」と同等のその他事故もまた、会員権市場に於いてほとんど耳にしなくなっています。

遂にツアー開幕です。2020年に於けるJLPGAツアーの初戦となる戦いが、『アース・モンダミンカップ』に決まりました。6月3日同ツアー主催者であるアース製薬株式会社は、広報を通じ無観客での大会開催へ向け、準備中である事を明らかにしました。
COVID_19対策としては、「日本国内プロゴルフトーナメントにおける新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を基に、万全の感染予防対策を講じるとしております。しかしながら今後政府や自治体の見解、及び国内感染状況の推移によっては、中止せざるを得ない可能性も現時点であるとの見解です。
なお大会は6月25日から28日までの4日間ですが、この模様はインターネットを通じ、期間中LIVE配信を行う予定との事です。会場は千葉県のカメリアヒルズ・カントリークラブです。
『ビジネス教養としてのゴルフ』なるタイトルの書籍が、2020年4月下旬に株式会社KADOKAWAより出版されました。文字通りビジネスマンたる者、ことゴルフに関し最低限この様な事はおさえておきたい、その様な内容が凝縮された本だと言えます。
難しい内容で満載と言うよりは、実際ビジネスマンとして社交ゴルフを展開する過程で、遭遇するであろう様々な状況、その時々どの様な所作や対応をするべきなのかが、解かり易く解説されています。
読者は巻頭から最終ページまで目を通すも良く、また目次から自分の疑問への回答ページを索引するもよし、と言う目的に合った読み方も出来ます。ある意味会社の総務部には、1冊常備しておいて頂きたい、社交ゴルフの参考書とも言えます。
本書は日本ゴルフジャーナリスト協会所属会員を中心に、6名にて執筆されていますが、全体の監修をゴルフプロデューサーの戸張捷氏が行っています。全体は6番ホール、つまり6章で構成されており、その概要は下記の通りです。
・1番ホール ビジネスとしてのゴルフ
・2番ホール 歴史としてのゴルフ
・3番ホール 評価が上がるマナー
・4番ホール 接待がスムーズに運ぶコースでの慣習
・5番ホール 必ず押さえておくべきゴルフのルール
・6番ホール ココで差がつく用具の話
なお本書は、此れからゴルフに取り組もうとする方にも、大変役立つものと思われます。2020年6月3日現在、アマゾンでも購入可能です。
一季出版株式会社(以下一季)は2020年5月に発行した月刊誌の『月間ゴルフマネジメント6』に於いて、2020年4月中旬時点での全国ゴルフ場数に付いて、2155コースとした調査結果を明らかにしております。
一季社によればこの数の中には、9ホールコースも入れカウントしているとの事ですが、この9ホール規模のゴルフ場内容は、いわゆるショートコースと言うよりも、ドライバーも使用出来る本格的なものとの事です。
ゴルフ場数に関する調査では、一季社同様に信用度の高いものとして、一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)が、毎年10月下旬に発表しているデータが有ります。一足先にNGKへ尋ねたところ、2020年2月末時点での速報値として、更には今後若干修正の可能性を含め、ゴルフ場数を2217としております。
両社ほぼ同時期の調査ですが、これらには62コースの差が有ります。NGKでは納税している全てのゴルフ場企業を対象にしている事から、あらゆる形態のゴルフ場がカバーされている事と推察されます。これらを総合的に見た場合、全国には2020年春の段階で2217コースがあるものの、いわゆる本格的なゴルフ場は2155コースが存在している、と表現するのが適切なのだと言えるのでは無いでしょうか。
一季社によれば昨年同時期の調査と比較し、19コースが減少したとしておりますが、この傾向は今後も更に継続されて行くものと予想されます。何時になったらこの減少傾向に、歯止めがかかるのでしょうか。