JLPGA下部ツアーであるステップ・アップ・ツアーは、残すところ3戦となりました。既に5試合が開催されておりますので、今シーズンは合計8試合をもって幕を閉じる事になります。
予定では18試合の開催でしたから、半数以下と言う事になります。これは一重に新型コロナウイルスの影響からですが、注目すべきはダイクレレディースカップの動向です。当初の予定では、5月27日に初日を迎えるはずでしたが、4月20日時点で既に延期を決断しておりました。
そして既にこの4月時点でJLPGAと株式会社ダイクレは、開催を11月4日と決めていたのです。この判断をした時点で半年先の動向を読めるはずも無いと思われますが、重要な決断をしていた事になります。「ダイクレ」の翌週に開催されるのは『フンドーキンレディース』ですが、この開催発表があったのは10月1日であり、最終戦の『カストロールレディース』の開催発表は10月6日でした。
ところで現在の賞金トップに立っているのは石川怜奈選手ですが、今シーズン此れまでに優勝している選手は、全て上位へ顔を連ねている事から、この中から賞金王が出て来る様な予感さえあります。残り3試合全てが11月に集中していますので、来月には賞金王が確定する事と思います。注目です。
PGA TOURのZOZO CHAMPIONSHIPは今年2020年の会場を米国へ移し、大会名称も『ZOZO CHAMPIONSHIP @シャーウッド』として、10月22日(日本時間23日)に開幕初日を迎えます。
この試合は日本で開催されるところに意義が有った訳ですが、新型コロナウイルスの影響から、今年に限りカリフォルニア州サウザンドオークスのシャーウッドカントリークラブ(7,073ヤード/パー72)へ移動し、下記の日本人選手8名も参戦します。
1、堀川未来夢
2、星野陸也
3、今平周吾
4、石川遼
5、金谷拓実
6、小平智
7、松山英樹
8、関藤直煕
見所はやはり松山選手が優勝争いへ絡めるのか、と言う点に尽きるのではないでしょうか。その他7名の日本人選手は、予選落ちの無い試合であるが故に、米国の大舞台で上位進出出来るような活躍を見せて欲しい、と言うのが日本人ゴルフファンの本音だと思われます。
この模様は日本時間23日の午前6時からGOLFTVにて、またGOLF NETWORKでは同じく午前5時より放映されます。なお昨年の覇者であるタイガー ウッズ選手も参戦しますので、観戦ポイント満載だと言えます。
三井住友カード株式会社、株式会社TBSテレビ、株式会社太平洋クラブの3社は2020年10月20日、『2020三井住友VISA太平洋マスターズ』を開催する事を明らかにしました。この試合がJGTOツアー実質4試合目と成りますが、その概要は下記の通りです。
開催日程 |
11月12日(木)~15日(日) |
開催会場 |
太平洋クラブ御殿場コース |
賞金 |
総額1億2,000万円/優勝2,400万円 |
地上波 |
TBS系28局全国ネット(土、日) |
BS |
BS-TBS(金曜日~日曜日) |
CS |
TBSチャンネル2(木~日) |
昨年アマチュア選手として見事この試合で優勝した金谷拓実選手は、今年プロゴルファーとしてこの大会に戻って来ます。そのコメントは次の様な内容です。
まず、このコロナ禍の中、大会を開催頂きます、主催の三井住友カード様、太平洋クラブ様、TBSテレビ様、本当にありがとうございます。
ディフェンディングチャンピオンとして臨む初めての試合ですので、非常に楽しみにしていますし、太平洋クラブ御殿場コースにプロゴルファーとして戻ってこられることを嬉しく思います。
無観客での開催ではありますが、ゴルフファンの皆様に感動を与えられるよう、精一杯プレーしますので、応援よろしくお願いいたします
22歳の若者とは思えないしっかりとしたコメントは、頼もしく感じると共に礼儀正しい青年をもイメージさせます。2020日本オープンで単独7位となった実績をひっさげ、プロとしての初優勝を目指し大暴れして欲しいものです。
JGTOの下部ツアーであるAbema TVツアー『ディライトワークスチャレンジ2020』は、今週の水曜日10月21日より3日間、茨城県の取手国際ゴルフ倶楽部東コースを舞台に開催されます。
この試合へこの度の日本オープンで大活躍し注目されたアマチュアの河本力、そして女子プロゴルファーの三浦桃香2選手が参戦します。見所は河本選手が今試合も前試合同様に実力を発揮し、並み居るプロの中でどの様な戦いを見せてくれるのか、だと言えます。
そしてもう1点は三浦選手が予選を突破し、本戦で戦えるのかです。2005年の旧・チャレンジトーナメント以来合計11名の女子選手が、男子ツアーへ挑戦して来ておりますが、これ迄誰一人本戦へ駒を進めた選手は居ませんので、大いに注目されます。試合の概要は、下記の通りです。
日程 |
10月21日(水)~10月23日(金) |
会場 |
取手国際ゴルフ倶楽部 東コース (茨城県) |
賞金 |
賞金総額 1,500万円 / 優勝賞金 270万円 |
放送 |
Abema TV SPORTS ch |
URL |
https://abema.tv/channels/world-sports/slots/ARM9mcSP6pz4xf |
この試合は観客を入れずに開催されますが、Abema TV の上記URLへアクセスする事で、観戦する事が出来ます。画面越しに成りますが、Abema TV ツアー今シーズン最後の戦いをご観戦下さい。
2020年10月15日~18日までの4日間、千葉県の紫カントリークラブすみれコース(7,317ヤード・パー70)を舞台に、第85回日本オープンゴルフ選手権が開催されました。
今回このメジャートーナメントを制したのは稲森祐貴選手ですが、2018年に横浜カントリークラブで開催された第83回も制しておりますので、二度目の同選手権優勝となりました。これは同選手にとってツアーキャリアに於ける優勝が、全て日本オープンと言う事にもなりました。
此れ迄の約20年間で同オープンを複数回優勝しているのは、尾崎直道、谷口徹、片山晋呉、池田勇太の4選手のみですから、稲森選手は実績としてツアー2勝ながらも日本オープン2勝として、かれらの仲間入りを果たした事になります。記録に残る選手になったとも言えます。
多くのゴルフファンの記憶に残る選手として活躍して行く為には、今後多くのゴルフシーンでの活躍が期待されますが、大舞台に強い選手である事が実証された今回の優勝は、更に同選手を磨いていく事と思われます。それにしても4日間安定したゴルフだったと言えます。
埼玉県の武蔵カントリークラブでは、2020年10月11日に開催されたクラブ委員会にて、入会手続きに於ける推薦者の資格要件が改定されました。
一口で述べれば厳しくなったとも言えるのですが、別の観点からはクラブがより純化して行く、その一環とでも表現出来ます。これまで当該クラブでは、「40歳以上・在籍5年以上」の会員であれば、入会希望者の推薦人になれました。今回の改定により推薦者は、「入会希望者と交友が有り、尚且つ当該クラブで同伴ラウンドの実績が有る事」、を問うとしております。
付け焼刃での生半可な関係では、推薦者に成るべきでない、とある意味クギを指した様な内容に成っているのです。この内容により今後気安く、推薦者を引き受けて下さる会員の方は、ほとんど見当たらなくなるものと思われます。入会希望者の立場からは、現会員と面識の無い場合、ゴルフコースの良さのみに触発されての安易な入会希望は、たちどころに打ち消されるのではないでしょうか。
今回の改定が、会員権相場にどの様な影響をもたらすのかは、図り知れませんが、売り物をなかなか消化出来ていない現状から、この傾向は更に加速して行く様にも思えます。更なる下落傾向が、続くのは容易に推測出来ます。ある意味その様な事で一喜一憂する様な人物は、会員として相応しくない、とでも言われている様に思えます。
しかし様々な理由から会員が退会を望んだ時、その手続きが容易に出来ないのは、これも又悲しい現実ですね。
鹿沼化成工業株式会社の代表取締役である武山信良氏が、2020年7月27日『ゴルフ場芝生管理革命』と言うタイトルの書籍を現代書林より上梓しました。
氏は九州大学工学部を卒業後に古河電工に就職するも退職し、堆肥を製造する会社を立ち上げ、ゴルフ業界と深く関る様になったのです。異色と言えば異色なのですが、以後芝生の研究がライフワークになっています。
この度出版された書籍は、全国のゴルフ場やゴルフ関係各機関へ、それぞれ2冊合計約6,000冊を贈呈したとの事です。それほど氏にとって自信作に仕上がったのだと思われますし、コース管理手法に関する実態を良く理解しているからこそ、関係者には参考にして欲しかったのだと思われます。
全体は6章から成り立っておりますが、その具体的な項目は下記の通りです。
第1章 まったく新しいベントグリーンの夏越し方法
第2章 ベント芝って、どんな芝?
第3章 低コストで省労力、芝がよろこぶ新しいベント芝の管理法
第4章 目からウロコ、土づくりを支える完熟堆肥
第5章 芝生管理のまとめ
終 章 芝生管理の標準化について
氏が長年にわたり追求して来たのは、「コース管理の標準化」でした。誰しもが難しいとして来たこの難題に挑戦し、辿り着いた「武山メソッド」を、明日のコース管理へ役立てて頂きたいと思います。新し世界が見えて来る事と思われます。
新型コロナウイルスの影響を大きく受けているゴルフトーナメント業界ですが、10月16日(金)から3日間、千葉県の東急セブンハンドレッドクラブを舞台に、JLPGAツアーの実質9戦目に当たる『富士通レディース2020』が開催されます。
概要は下記の通りです。
・主 催 富士通株式会社
・公 認 一社)日本女子プロゴルフ協会
・競技運営 株)ダンロップスポーツエンタープライズ
・賞金総額 1億円
・優勝賞金 1,800万円
・出場資格 JLPGA規定による出場有資格者80名、主催者が推薦する16名
大会は今年38回目を迎えますが、注目選手は何と言っても古江彩佳選手です。同選手は昨年の当該大会に於いてアマチュアながら見事優勝し、それを契機に2020年3月同社とのスポンサー契約へ至っております。古江選手の勢いは留まるところを知らず、今年の実質第6戦『第51回デサントレディース東海クラシック』では、プロ初勝利を飾っております。
更にもう一人上げるとすれば、富士通所属の柏原明日架選手ではないでしょうか。高い注目度とは裏腹になかなか勝利をつかめなかったものの、プロ入り6年目の昨年初優勝するや否や2勝目も上げ、今大会は上昇気流に乗った柏原選手の活躍が期待されます。
注目選手として上記2選手を上げたものの、参戦選手の顔触れを見るならば、誰が優勝しても可笑しくない状況です。激戦が予想される当該大会ですが、地上波はテレビ朝日系列にて土日の2日間、インターネットはAbema TVにて予選から3日間見る事が出来ます。当該大会は無観客で開催されますが、画面越しに熱き声援を送りたいものです。
株式会社アコーディア・ゴルフとネクスト・ゴルフ・マネジメント株式会社は共通の親会社を持つグループ会社として、2019年3月より連携や協業をすすめて来ており、この度「ACCORDIA NEXTポイントプログラム」が2020年10月1日に誕生しました。
これは両社の全国合計173コースで、相互に利用出来るシステムを目指したものであり、これを基にポイント利用であるとかプレー予約などが、出来る様になります。予測はされたものの、遂に相互利用へ向けた第一歩が、進み出したと言えます。
今後は此れ迄アコーディアゴルフのカードを所有していた約380万人が、新システムへ移行して行くと共に、ネクストゴルフの各ゴルフ場は、アコーディアゴルフのシステムへ追加される形を取る事から、10月7日の出島ゴルフクラブ(茨城)を皮切りに、順次システムが拡大されて行きます。そして2021年春にはこのシステムが、完成する見込みとしております。
デジタル化の遅れが常に指摘されるゴルフ場業界ですが、既にPGMグループでは5年越しで「ティーラ」を完成させ、市場へ導入していると共に、この度はアコーディア・ネクストグループによるIT化の強化策を、垣間見る事になりました。大資本の動向を見るにつけ、独立系の単独ゴルフ場企業にとって、アナログの良さを維持しつつもITを駆使した作業効率の改善は、喫緊の課題になっている事を痛感させられます。
茨城県の金乃台カントリークラブ会員に戦慄が走ったのは、2020年9月17日都内会場で行われた会員総会での事でした。この総会にて経営会社である日鉄日新ビジネスサービス株式会社側より、同ゴルフ場を第三者へ譲渡すべく交渉が進められている事を、会員は知らされたのです。
交渉先は3社に絞られているとの事。これを知らされた約130名の出席者は、この案に対し猛反発するものの、会社側もこれに負けじと前理事の再就任を拒否し、結局理事となったのは3名のみと言う異常事態になったのです。半世紀以上にも渡り培われて来た信頼関係が、一挙に瓦解した瞬間でもありました。
経営会社によれば「まだ何も決まっていない」と言うものの、ゴルフ場売却に関する方針は不変の様で、基本的な考え方は「本業への集中」との事です。この様な事態へ至った背景には、親会社である日本製鉄株式会社の事情が大きいのでは、と会員間ではもっぱら噂されています。
ところで親会社側が、選定したとも言われている3社とは、一体何処なのでしょうか。会員間で現在話題に上っている「A社」については、「絶対反対」と会員の拒絶反応が激しく、此処迄嫌われるA社の評価は正しく地に落ちているとも言えます。
関連する記事を、明日10月13日発売の「週間パーゴルフ10月27日号」_2020VOL.33でも、執筆させて頂きました。是非、お目通し頂ければと思います。