宇都宮カンツリークラブを経営する株式会社宇都宮ゴルフクラブでは、第64期有価証券報告書(2023年1月1日~同年12月31日)を、2024年3月27日に公表しました。過去4年間の概要は、下記の通りです。

回次第61期第62期第63期第64期
売上高274,487千円326,002千円344,045千円410,034千円
経常利益又は経常損失▼31,444千円11,270千円7,711千円38,045千円
当期純利益又は当期純損失▼32,029千円9,733千円7,325千円38,763千円

 前期は売上高が対前年比で19.2%増加しました。この背景には、来場者数が対前年比3.1%増加し40,678名になった事と、太陽光発電事業に於ける増設設備が2023年2月より稼働し始めた点を上げています。

 前期は大変良い成績を残せた訳ですが、懸念材料も内包しており、特に会員権の預託金償還については、高額面証券が70口が手つかずの状態です。270万円額面が69口、540万円額面が1口、整理されていない為、一挙にこの話が出て来た場合、財政状態へ悪影響を及ぼす可能性があるとしています。これらの合計金額は191,700,000円になります。

 運営上の理念としては、「お客様ファーストに徹し顧客満足度の向上をはかる事」、これを上げています。とても正しいスタンスの様に思えますが、当該クラブは会員制をうたっている訳ですから、そうであるならば会員ファーストとしなければ、ならないのではないでしょうか。

 儲かる事の楽しさを甘受してしまうと、あの苦しい時へ戻りたくない気持ちは分かりますが、現状を鑑みる場合、徐々に会員制とパブリックの垣根が低くなりつつある様に思われます。会員権であれば、売値と買値の中間価格で、50万円は付けて欲しいところです。

相模原ゴルフクラブの第71期決算が明らかに

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 相模原ゴルフクラブを経営している株式会社相模原ゴルフクラブは、2024年3月28日に第71期決算を明らかにしました。62ページにも及ぶ資料の中から、簡単な内容を紹介したいと思います。まずは売上高に関する過去4期に渡る概略は、下記の通りですが金額の単位は千円です。

回次第68期第69期第70期第71期
売上高1,038,9141,347,6121,431,1211,461,780
経常利益又は経常損失▼135,479138,50673,27673,802
当期純利益又は当期純損失▼144,132129,89548,33241,881

 新型コロナにより日本社会が大混乱した、その影響の関係から2020年度の第68期と2021年度の第69期は、いびつな数字になっているものの、ここ2年間は本来の姿を取り戻した数字の様にも思われます。

 2023年の1年間の来場者数は会員が34,942人、会員家族2,548人、ゲスト26,587人の合計64,077人に上ります。コロナ旋風が吹き荒れた2020年の1年間の総来場者数は、48,810人ですので単純に15,000人ほど上回った事になります。

 ところで当該クラブ執行部は、ゴルフ会員権の名義書換を大変重要視していますが、昨年度の実績としては、新規入会及び名義登録件数は115件を数えるとの事です。過去のピークは2021年の146件ですが、そこには及ばないものの手ごたえを感じられている様です。

 今後の課題としては、「会員のプレー機会増大」を上げています。様々な層の会員、例えば高齢者やスループレーを希望する方々などへ、より多くプレーする機会を設ける必要があるとしています。

 小金井カントリー倶楽部を経営する小金井ゴルフ株式会社は、2024年3月21日に第88期(2023年1月1日~12月31日)決算を明らかにしました。来場者数は会員が9,888人、ゲストが16,313人の合計26,201人となり、対前期比674人増加しています。過去4期に渡る決算概略は、下記の通りですが、金額の単位は千円です。

回次第85期第86期第87期第88期
営業収入481,882600,213680,914729,639
経常利益又は損失▼19,786201,286▼3,598140,843
当期純利益又は損失▼30,031181,159▼6,205120,117

 前期好調な要因は新型コロナが一段落し、営業日数が増えた事、またその結果として来場者数も伸びた事が上げられます。更には受取手数料が90,000千円増加し250,000千円、新規会員加入による入会金収入が35,000千円増え125,000千円となった点も見逃せません。

 年間来場者数が3万人未満でこれだけの好決算になるのは、一重に客単価が高い事とゴルフ会員権の名義書換料、決算書では入会金収入と呼称しているこの点が大きいと思われます。

府中カントリークラブ第73期決算が明らかに

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 東京都下の府中カントリークラブを経営する株式会社府中カントリークラブでは、2024年3月28日第73期有価証券報告書を明らかにしました。過去4期の概要は下記の通りです。

回次第70期第71期第72期第73期
決算年月2020年12月2021年12月2022年12月2023年12月
売上高686,285(千円)762,597(千円)827,994(千円)843,382(千円)
経常利益43,934(千円)35,814(千円)8,242(千円)30,782(千円)
当期純利益22,532(千円)16,578(千円)231(千円)16,638(千円)

 総来場者数は会員27,377名、ゲスト14,510名の合計41,887名となりました。対前年比207名の減少です。様々な要素を加味した差し引き営業損益は207,822千円の営業損失になるものの、営業外損益は会員権の名義書換料が47,700千円増加した事により、対前年比49,530千円増となりました。

 最終損益では上記の通り16,638千円の純利益を確保しています。

 しかしながら当該クラブではこの様な現象に対し危機感を有しており、営業損益では赤字が続いており、これを会員権の名義書換料がカバーしているのが実情として、書換件数が大幅に減少した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があるとして、警鐘を鳴らしています。

 魅力ある府中カントリークラブであり続ける必要があり、ゴルファーが憧れるクラブで無ければならないのだと言えます。

成田ヒルズCCは2023年度は対前年比116.4%の売上高増

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 千葉県の成田ヒルズカントリークラブを経営する成田ヒルズカントリークラブ株式会社は、2024年3月25日に株主総会を開催し、第37期事業報告を行いました。

区分/期別令和3年度(第35期)令和4年度(第36期)令和5年度(第37期)
売上高496,650(千円)574,541(千円)668,665(千円)
営業利益又は損失60,504(千円)148,217(千円)182,767(千円)

 上記表にて一瞥出来る様に令和5年度(2023年1月1日~12月31日)は、売上高が対前年比116.4%増加しています。この裏付けとなる指標の一つである来場者数は、対前年比102.16%増加し34,600名となりました。

 大きな設備投資は無く、小規模なものに限定されましたが、これは此れまでのコース改造やハウス関係などの大型設備投資が一段落した為です。とは言え良好なクラブ環境を維持する為のコース改修は、絶え間なく行われています。

 更に当該クラブでは業務の効率化とシステム化に取り組んでおり、少ないスタッフ数でもサービスの質が低下しない様にすると共に、販売促進へ向けた予算配分を重点的に今後も行って行くとしています。

 全国的に吹き荒れたコロナ禍バブルが終息し、此れまでの各ゴルフ場に於ける経営努力が、どの様な数字として残せるのか、多くのゴルフ場に課せられた課題になっています。それは当該ゴルフ場に於いても同様ですが、ブレずに辛抱強く様々な設備投資を行って来た事が、少しずつ花開きつつあります。

 ミオス菊川カントリークラブを経営しています株式会社ミオスは、予定通り2024年3月21日に株式会社アコーディア・ゴルフへ引き渡され、登記手続きも済んでいます。

 同社の代表取締役は南學正英氏より石井歓氏へ変更になり、また位置づけも資産保有会社へと移行しています。現場はアコーディアゴルフによる運営となりますが、これに合わせクラブ名称も2024年4月9日より、掛川カントリークラブへ変更になります。

 前代表者である南學氏の後継者不足に端を発したこの度のM&A劇でしたが、今後どの様な変貌を遂げるのか、アコーディアゴルフの手腕が問われます。

 神奈川県の大相模カントリークラブは2024年4月1日より、東京ロイヤルゴルフ倶楽部へ名称変更します。

 この度の名称変更は、2024年2月4日に開催された同クラブ理事会にて、承認を得てのものになりますが、この動きに合わせ経営会社の商号も株式会社大相模カントリークラブから、株式会社東京ロイヤルゴルフ倶楽部へ3月1日に変更されました。

 なお上記法人は、子会社である株式会社大相模ゴルフスポーツガーデンを同じく3月1日に、同法人と合併させていますが、この子会社が経営していたのは、神奈川県愛甲郡愛川町のゴルフ練習場・大相模ゴルフスポーツガーデンです。

鎌ヶ谷カントリークラブでは6月より名義書換料改定

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 千葉県の鎌ヶ谷カントリークラブでは2024年6月1日より、会員権の名義書換料を改定します。その概要は下記の通りです。

会員種別改定前改定後
正会員1,100,000円(税込)1,430,000円(税込)
平日会員550,000円(税込)770,000円(税込)
週日会員330,000円(税込)550,000円(税込)
法人内登録者変更料440,000円(税込)550,000円(税込)

 振り返れば1984年10月1日に当時50万円だった正会員権の名義書換料が、100万円へ改定になっていますので、それ以来の改定に今回はなります。ゆうに40年の時間が経過している訳ですが、この間の大きな経済変動をも当該クラブは、吸収し得てきたと言う事になります。

 2024年5月31日までに入会申請された件については、現在の料金が適用されます。なお現会員へは、7月に発行される会報にて告知する予定との事から、この改定事実について現時点では、会員間で理解されてないものと思われます。

JGTO2024諸星新体制の布陣

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 一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、2024年3月19日に社員総会を開催し、4期8年に渡り組織をけん引して来た青木体制から、諸星新体制へ移行する事となり、その新布陣を発表しましたが、その概要は下記の通りです。

役職氏名現職及び前職
会長諸星 裕桜美林大学名誉教授
副会長新井直之一般社団法人日本ゴルフトーナメント振興協会専務理事
副会長井上尚彦一般社団法人日本高等学校・中学校ゴルフ連盟理事長
副会長倉本昌弘前公益社団法人日本プロゴルフ協会会長
副会長谷原秀人ジャパンゴルフツアー選手会会長
理事阿久津未来也ジャパンゴルフツアー選手会副会長
理事安中新祐公益財団法人日本ゴルフ協会
理事五十嵐朋広公益財団法人日本プロゴルフ協会
理事石川 遼ジャパンゴルフツアー選手会副会長
理事井上幸彦元警視総監
理事大多 亮株式会社 フジテレビジョン専務取締役
理事川合敏久中日クラウンズ・シニアアドバイザー
理事國府宏匡株式会社信和ゴルフメンテナンス代表取締役社長
理事田蔵奈緒東洋学園大学教授
理事林 祐樹森ビルゴルフリゾート株式会社取締役
理事堀川未来夢ジャパンゴルフツアー選手会副会長

JGTO新会長へは諸星 裕 氏が就任

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 一般社団法人 日本ゴルフツアー機構(以下JGTO)は2024年3月19日の会員総会及びその後の臨時理事会開催にて、新会長へ桜美林大学名誉教授の諸星裕氏を選出しました。
 副会長へは新井直之、井上尚彦、倉本昌弘、谷原秀人の4氏が就任すると共に、理事11名が承認されています。

 新会長曰く、アジアを一つの市場として捉え、中国及び韓国との試合共催も含め、広く提携して行きたいと抱負を述べました。またこの度の諸星体制構築へ向けた尽力者とも言える倉本氏によれば、此れまでツアーを支えてくれた、そして今支えてくれているスポンサーに対し、様々な要望などを聞き取りしながら、今後のツアー開催へ生かして行きたいとしています。

 谷原副会長は自らJGTO選手会の会長職でもある事から、JGTOの組織運営に当たっては、風通しの良い透明性のあるものにして行きたいと、ある意味選手目線での抱負を語っています。

 なお新会長誕生秘話として諸星氏は、3週間前よりネクスト バッターボックスに入り、何時でも打席に立てるよう準備していたとの事。そして本日、JGTO総会へ向かう車中にて、倉本氏より連絡を頂き決意が固まったとしています。

 この経緯について倉本氏は、選手達の意を受けA氏の会長就任へ向け交渉中だった、様々な条件を一歩一歩クリアして行くものの時間切れになってしまった、この様な中、諸星氏には大変申し訳無く、ある意味控え選手の様になってしまったが、快諾して下さった新会長には敬意を表したいと述べています。

 諸星体制の船出です。