再建へ歩み出した白浜ゴルフ倶楽部

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 和歌山県の白浜ゴルフ倶楽部は2022年7月25日、和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請し、即日同地裁より保全命令及び監督命令を受けました。

 負債額は債権者約490名に対し約9億5,700万円との事ですが、実際この中に預託会員が何名含まれているかは現時点で不明です。会員数は約530名と言われており、この中には預託金の無いプレー会員も含まれている為、実数は今後の債権届の中で見えてくるものと思われます。

 当該ゴルフ場の特徴は、ゴルフ場用地の80%を所在地である白浜町が、保有している事です。ゴルフ場経営会社の白浜開発株式会社(代表者:田中進)は、町から土地を借りて運営しており、ある意味「町のゴルフ場」とも言えます。

 営業成績と言えば1992年9月期の約8億5,000万円をピークに、2011年9月期には約2億700万円にまで減少しており、その年の来場者数は約21,000名でした。急速に落ち込んでいく業績に対し、究極的には成す術が無かったのです。一方会則の規定から、この度の法的整理以前に会員が、預託金の償還請求を行うケースは皆無であり、この点が法的整理へ至らしめた要因にはなっていません。

 今回申請代理人となった片岡牧弁護士(大阪市_堂島法律事務所・06-6201-4457)によれば、和歌山県田辺市の株式会社わたらせ温泉をスポンサーにしたプレパッケージ型再建を目指しており、2023年1月には地裁へ再建計画を提出する予定です。なお白浜町によれば、此れ迄賃料の受け取りが滞る事は無いものの、ゴルフ場は重要な町の産業である為、活気あるものへ再生して欲しいとしています。

 真に町民から愛されるゴルフ場へ再生出来るのか、これからが正念場です。