公益社団法人 日本プロゴルフ協会(以下PGA)は、2020年9月7日(月)東京都内での定例理事会後、記者会見を開催しました。会見中PGA倉本会長から、「若年層の練習場通い」が増えているとの発言が有りました。
これはコロナ禍の中、働く人々の在宅勤務が日常化しており、余暇時間に体を動かしリフレッシュする行動は、必然的な成り行きになっています。この様なビジネススタイルの変化に合わせ、近場のゴルフ練習場へ通う若者が増えだしたとの報告を、会長は地方支部から受けているとの事でした。
その報告は中部や関西地区の練習場に於ける動向であり、従来より20%ほどの来場者増加予想との事です。年齢は20歳代から30歳代の男女であり、中には初めてゴルフクラブを手にする方も居た様です。とは言え課題も多く、いつの間にか「教え魔」がへばりついてしまっている状況は、初心者にとって決して心地良いものとは、なっていない現実が在ります。
いずれにしてもこの様な新規のゴルファーを、如何に定着させて行けるのかは、ゴルフ界にとって至急検討しなければならない点だと、倉本会長は指摘しております。PGAは各練習場と連携しながら、握り方やクラブを遠くへ飛ばしてしまう事の無い様なイロハを、初心者の方に教えられる機会を、作れる様努力したいとしております。
環境変化がゴルフ経験者を増やしている訳ですが、「楽しい」、「面白い」との感情が芽生えない限り、継続性は困難なのかも知れません。一工夫が必要なのだと、思われます。
神奈川県の大相模カントリークラブを経営する株式会社大相模カントリークラブ(以下大相模CC)では、2020年8月13日会社役員が一変しました。その概要は、下記の通りです。
辞任及び退任 |
新規就任役員 |
高橋正孝 |
村田光英 |
平本 守 |
天野潤一 |
高橋登志子 |
植田健太 |
金沢朋子 |
久野太辰 |
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村田勝利 |
高橋正孝氏が代表者として経営時の選任された役員全員が同日辞任及び退任し、入れ替わる様に村田光英氏を代表取締役とした5名が新たに就任しております。まるで経営交代でもあったかの様な、入れ替え劇と言わざるを得ません。
また同日本店所在地が、かつての東京品川区から東京町田市へ移転しており、この新登記住所には村田光英氏が代表を務める株式会社スクールパートナーズと言う法人も存在します。つまり同法人の社長である村田氏が、大相模CCの新社長にもなったと言えます。
更にこの日、発行済株式数は4万株で変わらないものの、資本金が此れ迄の2,000万円から1億円へ増額されています。これが何を意味するのかは不明ですが、一夜にして大会社になってしまった事から、今後法的な縛りも多くなって来る事と思われます。
筆者がこれら一連の件に関し村田社長と電話にて話すも、「後日連絡させて頂きます」とばかりで、明確な回答は頂けませんでした。2020年9月に入り、会員権市場では相変わらづ売却案件が無数に有り、その希望価格は1万円に満たないものばかリです。多くの会員から失望感ばかり聞こえて来そうな相場ですが、今後反転する様な事態が到来するのでしょうか。
2020年9月に入り米国現地時間の2日、PGA TOUR が2020_2021シーズンのツアー開催スケジュールを明らかにしました。この中でスポンサー大会が50試合あり、シーズンを締めくくるプレーオフを入れたならば51試合に成ります。
気になるメジャートーナメントのスケジュールは、2020_2021シーズンでどの様に組まれたのでしょうか。その簡単な内容は下記の通りですが、9月以降2020年中に、2019_2020シーズン中に開催を予定していたメジャートーナメントが、2試合組まれている事が分ります。
月日 |
トーナメント |
2020年09月17日~20日 |
全米オープン |
2020年11月12日~15日 |
マスターズ |
2021年04月08日~11日 |
マスターズ |
2021年05月20日~23日 |
全米プロ |
2021年06月17日~20日 |
全米オープン |
2021年07月15日~18日 |
全英オープン |
なおPGA TOUR によれば1シーズンに開催する試合数51は、過去1975年に記録した最多数と同等としております。規模の差に驚かされると共に、日本ではドラスティックな改革無しに、大きな前進は無い様にも思われます。
PGMプロパティーズ株式会社の川越グリーンクロスは2020年9月に入り、将来同ゴルフ場のコースレイアウトが、大きく変更される可能性がある事を明らかにしました。
これは国交省が進めている「荒川直轄河川改修事業(第二調整池、第三調整池)」の関係からですが、昨2019年2月28日の同省資料によれば、2030年にはこの事業を完了する予定としております。この事から影響を受けるであろうゴルフ場にとっては、早目の対策が求められていました。
その対策の一環として当該ゴルフ場に於いては、新規入会者に対し「コースレイアウトが将来変更になる事を了解」した上で、手続きを取って欲しいとしております。ゴルフ場そして会員、この両者間で禍根を残さない為にも「承諾書」なる書類を持って、将来に備えたいとしているのです。

< 荒川河川沿いに白く見えるのがゴルフ場:提供国交省 >
荒川河川をまたぎその両側には、多くのゴルフ場が点在しております。そしてその多くが国交省からの占有許可を得て、今日営業活動を行っている訳ですが、この度の改修工事が本格化する事により、この営業活動が大きな曲がり角を迎えようとしております。
此れ迄既に今年の7月に入り大宮国際カントリークラブに於いては、既に早目の新規入会者対策を打ち出しておりましたが、川越グリーンクロスは此れに続くものとなりました。更に影響を受けざるを得ないゴルフ場は、ノーザンCC錦ヶ原ゴルフ場であり大宮カントリークラブだろうと推察されます。
此れ迄多くの地域住民を中心としたゴルファーへ、ゴルフを通じ健康増進とコミュニティを提供して来たこれ等ゴルフ場ですが、今後の在り方が今まさに問われています。
公益財団法人 日本ゴルフ協会(以下JGA)は2020年8月31日、今年度主催するナショナルオープンについて、一般非公開で開催する事を明らかにしました。
今回JGAが対象にしているナショナルオープン競技は、「第30回日本シニアオープンゴルフ選手権」、「第53回日本女子オープンゴルフ選手権」、「第85回日本オープンゴルフ選手権」です。この3試合開催へ向け、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する為には、一般非公開でプロアマ大会を中止しチャンピオンズディナーも中止する事が、最善策であるとの結論に至った様です。
一般観客を受け入れないと言う事は、JGAの収益減にもつながる事から、各試合の賞金総額も一律25%減額するとしております。日本オープンは2億1,000万円から1億5,750万円へ、女子オープンは1億5,000万円から1億1,250万円へ、シニアオープンは8,000万円から6,000万円になります。この様な経験は、日本オープンで1979年に一度あるものの、それ以外は初めての事になる様です。
一般非公開と言えどもこの模様は、共同主催のNHKにより放映されますので、ゴルフファンは地上波のテレビにより観戦する事が出来ます。
昨2019年千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ(以下習志野CC)を舞台に、日本のゴルフファンへ大きな感動をもたらしてくれたPGA TOUR の『ZOZO CHAMPIONSHIP』ですが、2020年の今年に限り米国で開催する事を、9月1日ZOZOが明らかにしました。
これまでZOZOと習志野CCでは様々な協議を試みるも、日本での開催を見送る事が、多くの関係者のリスク回避になると判断したのだと思われます。風評被害を恐れるが故に過剰反応を示し、意味の無い対策をひとたび軽視するならば、白眼視されるのが現在の日本に於ける状況です。
この様な中、PGA TOUR の海外選手と関係者多数を受け入れる事はリスクのみで、得られる果実が少ない様に思われます。これらを総合的にみて、得られた結論なのでしょう。
開催コースはカリフォルニア州にあるシャーウッドカントリークラブです。ジャック ニクラスの設計によるこのコースは、様々な大会の会場として実績を残して来ており、正しくPGA TOUR の開催コースに相応しいものです。開催日は10月22日(木)~25日(日)ですが、大会名称は『ZOZO CHAMPIONSHIP @シャーウッド』です。
JGTOの下部ツアーに位置づけられているAbema TV ツアーの今年予定していた13戦は、此れ迄9戦が中止或いは延期と言う形で、実質開催されずに今日に至っております。
その様な中、9月1日時点で残されたトーナメントは4試合ですが、既に2試合が開催を発表している事から、残り2試合の動向が気がかりなところではありました。そして昨日JGTOは、自ら主催する『TIチャレンジ』について、開催コースを変更し行う事を明らかにしたのです。
今年のツアー計画で同大会は、兵庫県の東条の森カントリークラブ東条コースでの開催を予定しておりましたが、新型コロナの感染拡大を防止する観点から、7月に入り「開催は困難」との申し出を、クラブ側がJGTOへしておりました。
そして急遽白羽の矢が立てられたのは、群馬県の草津カントリークラブだったのですが、開催に関する連絡と打ち合わせを経て、決定したのは8月のお盆前後との事でした。急ごしらえで問題無いのかと思う反面、常日頃コースメンテナンスを手厚く行っている点が、ものを言ったのだと思われます。
同クラブによれば会員への告知は此れからだとの事です。
埼玉県の飯能くすの樹カントリー倶楽部では、2020年9月1日より正会員の補充募集を開始します。その趣旨は当該クラブに於いて会員の高齢化が進んでおり、今後退会やスリーピング化が想定される事から、早目の対策としております。その概要は、下記の通りです。
☆ 募集会員 正会員(個人、法人一名記名式)
☆ 募集金額 77万円(入会金70万円+消費税7万円)
☆ 募集口数 100口
☆ 募集期間 2020年9月1日~定員に達する迄
☆ 入会条件 個人及び登録者は日本国籍である事
この募集には特典があり、家族やグループなど複数での同時入会は715,000円(税込)、現会員の紹介による入会は660,000円(税込)で手続き出来る点です。今回の募集に当たり、既存会員権の名義書換を停止にしないとの事ですが、総額66万円と同等で売買を成立させるのは、大変困難な様にも思えます。
何と言っても名義書換料が税込55万円する訳ですから、残り11万円で処理するとなると、会員権価格を5万円前後に設定しないと、会員権業者の出る幕はほとんど無いも等しいと言えます。ゴルフ場の独り舞台、と言うところでしょうか。
埼玉県の高麗川カントリークラブでは2018年9月1日より、週日会員の新規会員募集を行っております。約2年間に渡り募集活動を行って来ましたが、2020年8月下旬時点で約50名が会員になられているとの事です。
この会員種別は2018年の会員募集開始と共に創設されたものですので、それ以前の古くからの会員は在籍しておりません。土曜日と日曜日更に祝日は利用出来ませんが、平日のみご利用される方には、充分費用対効果も見込める会員権だと言えます。
平日に於ける通常のキャディ付きビジター料金は、利用税や消費税を含めトップシーズンでは19,000円前後ですが、会員料金は10,680円ほどで済みます。月に2回或いは年間20ラウンド以上、ゴルフをされる方にとっては、単純に費用面だけをとっても有益だと言えます。
まして当該ゴルフ場では、平日であってもメンバータイムを設けておりますので、会員の一人予約にも充分対応出来るとしております。1組を設けなくても、当日の組み合わせでプレーする事が出来ますので、煩わしくないのが嬉しいですね。
当該ゴルフ場では年度会員と言う制度が無い為、平日にプレーされる方は会員或いは会員と同伴したゲスト、更には会員から紹介されたビジターやゴーラと言う集客サイトを通じての方々です。集客サイトはゴーラのみとの事ですが、利用料金とサービスを精査した場合、内実は通常と遜色無いもので、一口にゴーラが格安と言えないものになっています。
なお募集金額の総額は96万円ですが、内訳として会員資格保証金30万円と、入会金66万円(消費税込み)になっております。地道な活動を展開しクラブライフ充実させている、高麗川カントリークラブの一端を紹介させて頂きました。
埼玉県の株式会社小川カントリークラブ(以下小川CC)が、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、昨日でまる2ヶ月が経過しました。当該ゴルフ場関係者A氏によれば、当初の通り自主再建の方針を、貫徹して行く模様です。
当初スポンサーの選定話も一部で報道されていた事から、その様な方向性も推測されましたが、A氏によれば予定通り自主再建に変更はないとの事です。この様にA氏が自信を深めた発言の裏には、再建を担う為の資金調達が順調に進みそうだ、との手応えが有るからだと思われます。
現在のこの進捗状況を見るならば、2020年9月下旬から10月上旬にかけ、再生計画案の提出も現実味を帯びて来ました。会員への弁済と設備面への投資、そしてランニングコストなどを考慮すると、やはり数億単位での資金は必要になって来ます。
今後は当該ゴルフ場の魅力作りと共に、集客増と客単価アップは、再建の為の必須条件と言えます。此れ迄達成したゴルフ場が少ない自主再建ですが、小川CCモデルと言われる様なものを、是非作り上げて頂きたいと思います。注目です。