千葉県のデイスターゴルフクラブが、会員制からパブリック運営へと、舵を切ったのは2011年4月1日でした。そして約10年が経過した2021年12月30日、この日をもってパブリック営業にも、終止符が打たれる事になりました。
振り返れば法人会員400社を中心にした会員制クラブを、解散した大きな理由は経営難でした。親会社にあたる大林組の2010年3月期有価証券報告書は、当該ゴルフ場の経営会社が、約122億円の債務超過状態であるとしていました。この様な状況を改善すべく、コペルニクス的転回とも言える、パブリック営業へ一大転換したのです。
そして2021年の今年8月31日、年内をもって当該ゴルフ場の営業を終了すると、大林組は自らのWEBサイトで告知していました。スーパーゼネコンが当該ゴルフ場経営から完全撤退、1990年の開業から数え約30年で幕を下ろす事になりました。とは言えゴルフ場自体の価値は充分にあり、翌2022年からはゴルフ場の第二幕が、開幕するものと思われます。
それは当該ゴルフ場を購入する先が有り、既に大林組は譲渡契約を済ませている様です。当該ゴルフ場は27ホールコースですので、此れをPGA TOURにも耐え得る18ホールコースへ改修出来るならば、日本には2つと無いスタジアムコースが出来上がるのでは無いでしょうか。
アリゾナ州のTPCスコッツデールの様なゴルフ場が出来たならば、トーナメント開催時の1週間で約60万人とは言わないまでも、大規模集客が可能と成れば、日本のゴルフシーンも大きく変革されていくものと思われます。一体何方が、購入したのでしょうか。間もなくビッグニュースが、飛び込んでくるのかも知れません。

2021年10月27日東京地裁民事第5部にて、俗にゴルフスタジアム事件と言われている金融会社・ジャックスを被告とした債務不存在確認請求裁判(五十嵐章裕裁判長)にて、初めて証人尋問が行われました。
証言台に立ったのは、都内でゴルフ工房を営むT・K氏(男性)。同氏はジャックスと約300万円のローン契約を組むに当たり、MAソフト購入と言う認識は無く、あくまでもホームページ作成資金と考えており、またその様にゴルフスタジアム担当者H氏から説明を受けていた。
しかしH氏は「ホームページ作成費用」ではローンが通り辛いので、「MAソフト購入資金」としなければならず、ジャックス・オペレーターからかかって来る確認電話には、全て「はい」とだけ答えて欲しいと言われていた。そしてその様に応えたと証言。
後日H氏が置いて行ったゴルフスイング解析MAソフトは、仕方なく受け取るものの開封した事が無く、当然ながら一度も使用してはいない、と契約時の経緯を原告側弁護士の質問にT・K氏は答えたのです。
当該裁判の論点の一つは、原告側によるクレジット契約が錯誤によるものであり、それはゴルフスタジアム担当者がその様に誘導して行った結果であり、そして引き起こされた事件で有るか否かと言う点です。原告側は数多くの状況証拠や証言から、如何にこの錯誤を立証出来るのかがポイントになっています。
ゴルフスタジアム裁判は合計8事件に分かれ進行しており、年内には少なくとも2件の証人尋問が控えています。書面準備が整い、遂に息詰まる攻防が始まりました。
千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブでは、2021年9月に開催された理事会にて、年会費に関する内容を改定しました。此れ迄時限的な措置とし位置付けていた年会費額を、次回の改定まで正規のものとしたのです。
2019年9月の台風被害に対する復旧資金調達の為、3年間限定で年会費を値上げしていた同クラブですが、その後のCOVID-19による悪影響から、2019年度及び2020年度は大幅な赤字決算を強いられる事になりました。
更に今後クラブ施設の経年劣化対策などを考えた場合、資金確保は必須な状況で有り、これ等を総合的に見るならば、会員による年会費の協力無しには乗り越えられない事から、同理事会は年会費の時限的内容を撤廃したのです。この決議による正規料金は下記の通りです。
会員種別 |
年会費額(税込) |
賛助会員・正会員 |
99,000円 |
平日会員 |
77,000円 |
登録会員 |
55,000円 |
千葉県のPGMマリアゴルフリンクスでは2021年11月1日より、正会員の補充募集を開始します。概要は下記の通りです。
募集会員 |
正会員(個人、法人1名記名式) |
募集口数 |
100口 |
募集金額 |
220万円(税込、通常入会の場合) |
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198万円(税込、当該クラブ会員の紹介で入会する場合) |
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209万円(税込、2口以上の同時入会の場合) |
募集期間 |
2021年11月1日より定員に達する迄 |
この度募集される会員権は預託金の無いもので、通常プレー会員権と言われているものです。入会に当たっては、特段厳しいハードルは設けていない事から、比較的入会し易いのだと思われます。なお同クラブでは、2021年9月現在の会員数を、正会員566名、平日会員95名としております。
振り返れば2007年10月、旧・経営会社のオリックス・ゴルフ・マネジメント社が会員募集を開始した時、その販売価格は税込231万円でしたので、約14年が経過した今日、大きな価格差は無い事になります。ピート ダイ設計の魅力的コースをどの様にアピール出来るか、PGMグループの訴求力が試されます。
千葉県の八幡カントリークラブは2021年11月1日より、「ザセイントナイン東京」へ名称が変更されます。経営会社名は平岩観光株式会社で、当面変更の予定は無い様です。
一般的にゴルフ場名は、〇〇カントリークラブであるとか□□ゴルフ倶楽部などが多いのですが、新名称はこれだけでゴルフ場だとは想像出来ないものとなっており、独創的でさえあります。いずれ時間の経過と共にこの名称から、八幡カントリークラブを想起出来なくなる人々が、多くなるものと思われます。
ところでコース改修はほぼ終了しており、18ホールコースとしてのお披露目は、来年2022年1月を予定している様です。とは言えクラブハウスを立て直す関係から、来場したプレーヤーへの不便さは、2022年秋口まで続くとの事。また新規会員募集に付いては、その内容を経産省へ申請済みとの事から、まもなく概要が発表されるものと思われます。
2021-2022シーズンのPGA TOUR第5戦、千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ(7,041ヤード_パー70)で開催された「2021 ZOZO CHAMPIONSHIP」にて見事、松山英樹選手が優勝しました。
2021年マスターズトーナメントに続くツアー通算7勝目達成ですが、4日間に及ぶ戦いの軌跡は下記の通りです。
松山英樹選手 |
1日目 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
当日スコア |
64 |
68 |
68 |
65 |
通算スコア |
-6 |
-8 |
-10 |
-15 |
順位 |
2位タイ |
1位 |
1位 |
1位 |
なお当該大会には、松山選手以外に18名の日本人選手が参戦しました。その結果は下記の通りです。(表記はあいうえお順)
- 今平周吾 18位タイ
- 稲森佑貴 35位タイ
- 今田竜二 77位
- 岩田寛 18位タイ
- 大岩龍一 44位タイ
- 大槻智春 35位タイ
- 片岡尚之 66位タイ
- 金谷拓実 7位タイ
- 木下稜介 66位タイ
- 香妻陣一朗 35位タイ
- 小平智 57位タイ
- 杉山知靖 57位タイ
- 中島啓太 28位タイ
- 中西直人 28位タイ
- 永野竜太郎 39位タイ
- 比嘉一貴 57位タイ
- 久常涼 52位タイ
- 星野陸也 39位タイ
茨城県のPGM石岡ゴルフクラブでは2021年11月1日より、正会員の補充募集を開始します。その概要は下記の通りです。
募集会員 |
正会員(個人、法人一名記名式) |
募集口数 |
100口 |
募集金額 |
165万円(税込、通常入会の場合) |
143万円(税込、PGM石岡GC会員紹介で入会する場合) |
154万円(税込、2口以上の同時入会の場合) |
募集期間 |
2021年11月1日より定員に達する迄 |
同クラブによれば、2021年8月31日時点での会員数は、632名との事です。一般的な稼働率を考えた場合、現会員数では会員制クラブとしての運営が、大変苦しい状況と言えます。この様な中、アクティブ会員の補充は、クラブ発展の上で至上命題になっています。
なお2021年9月1日から開始された既存会員権の名義書換は、同年12月末をもって終了するとの事です。再開時期については明言されていないものの、目安はこの度の補充募集終了後と考えるのが、妥当なのだろうと思われます。いずれにしてもこの度の募集が、どれだけの求心力を発揮出来るのかが、大いに注目されます。
ゴルフ会員権の購入検討者を資金面でサポートして来た< 株式会社かんそうしん >が、2022年3月末をもってゴルフローン業務から撤退する事になりました。
同社は1974年に設立されましたが、当初よりゴルフローンに取り組んで来ていましたので、その業務歴は約半世紀に及びます。しかしながら近年、ゴルフローン利用者が激減している事から、業務の柱とは言えない状況が続いていた様です。
そして金融業界を取り巻く環境は、「マイナス金利」と言う言葉に象徴される様、厳しさが増しています。様々な状況を勘案し同社は、クレジット業務の縮小_ゴルフローンからの撤退と言う、判断に至ったのです。同社は今後、本来の役割である信用保証業務へ特化し、資源を集中させて行くとしています。
同社によれば2022年3月31日受け付け分までは、取り扱い対象との事ですが、ゴルフ会員権を巡る環境が又一つ変わろうとしています。
静岡県の東富士カントリークラブは2021年10月1日より、会員権の名義書換を開始しています。当該クラブでは2021年7月以降パブリック運営を予定していましたが、完全な移行が出来ない中、残存した会員への対応として行われるものです。
名義書換料は正会員が税込1,100,000円、平日会員が税込550,000円です。また入会条件は従来通りとの事。この様な設定により名義書換の舞台は整備されたとは言え、現実的に売却案件が出て来るとは早々思えません。なぜならば利用する事を最大の目的にした現会員が、退会する事無く残った訳ですから。
ところでこの様な会員のメリットは、何処に有るのでしょうか。現在ではかつての様な会員の優遇策、例えば優先予約や予約枠などが殆ど無く、唯一有るとすればプレー代金が割安な点だけの様です。以前は会員制クラブとして機能していた内容も、現在の位置付けはあくまでもパブリックでしか有りません。
パブリック形態のゴルフ場に2021年10月20日現在、様々な会員種別を合計し105名の会員が在籍している、と理解するのが適切なのでは無いでしょうか。この継続を選択した会員へ、市場を通じ退会する道を整備したのが、今回の措置だったと言えます。
2021年10月12日R&AとUSGAは、クラブの長さを46インチまでとする、新たなローカルルールを発表しました。これは2022年1月以降に採用可能となりますが、両組織は此れを競技団体へ強制しない任意のものとしています。
クラブの長さと一口に言っても、究極はドライバーが対象になると思われます。此れ迄正規規定は48インチまでと定められており、今回この規定が変更された訳では有りません。新ローカルルールで定められた内容は、あくまでもプロトーナメント或いはアマの高度な競技を対象にしています。
そしてこの新ローカルルールを採用するか否かは、強制では無い事から競技を運営する団体の自主判断となります。強制では無いと言いつつもこのルールを、敢えてR&AとUSGAが出して来た背景には、どの様なものが有るのでしょうか。それは一重にゴルフ業界の飛距離競争への警鐘と、捉えられるのではないでしょうか。
今回この新ルールを発表するに当たり両組織は、2021年2月に産業界へ告知しており、時間を使いその反応を探って来ました。その姿勢は評価されるものの、業界を巻き込みながら飛距離に対するコンセンサスを、形成して行きたいと言う目論見も見え隠れします。
それほど飛距離競争は重要な問題と、両組織は位置付けているのだと思われます。今回新ローカルルールを競技団体へ提案出来た事で、主催者側が何時でも採用出来ると言う、ある意味下地が形成されたと言えます。そして次の注目点は、このルールを用いた大会が、何時か開催されると思われる事です。