US PGA TOURは2022年8月1日(現地時間)に、来季2022~2023シーズンのツアー日程を公表しました。
FedExCupレギュラーシーズン44試合と、Playoffs3試合を含めた全47試合の初戦は、2022年9月12日からのフォーティネット選手権で始まり、2023年8月27日に最終日を迎えるツアー選手権で、ツアーチャンピオンが決定されると共に、シーズンに幕が下ろされます。以降同ツアーのシーズンは年をまたいで開催される事無く、次年度新シーズンは2024年1月からになります。
2022~2023シーズンが終了した2023年9月から4ヶ月間は、空白期間になる様に思われるものの、此処をグローバルシリーズとして、アジアや中東更にはヨーロッパを対象にした数試合が、開催される様です。現時点ではこの具体的な内容は、明らかにされていません。
今回ツアー日程公表と共に明らかに成ったのは、賞金総額が大幅にアップされた事です。8試合の招待試合総額が1,000万ドル増額され、選手へのボーナスも総額14,500万ドルとなりました。これ等をまとめると賞金総額は、ツアー史上最高額の約548億円になったのです。
これら一連の変革は、サウジアラビアの資金力をバックに動き出している、リブゴルフツアーの影響を見て取れます。PGA TOURの顔とも言えるダスティン ジョンソンやフィル ミケルソン更にはブライソン デシャンボーなどは、主戦場をリブゴルフツアーへ移しており、PGA TOURとしてもこれら一連の動きを、看過出来ないのだと思われます。
危機感をつのらせているPGA TOURの変化は、今後も継続して行くのだと思われます。
古江彩佳(22=富士通)選手は2022年の今年、USLPGAツアーへ初参戦中ですが、7月28日~31日までの4日間、スコットランドのダンドナルド リンクス(6,584ヤード_パー72)を舞台に開催されたTrust Golf Women’s Scottish Open(スコットランド オープン)にて、ツアー初優勝を飾りました。4日間のスコアは下記の通りです。
| 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
---|
当日首位選手 | C ヘジン -8 | L コ -14(-7) | C ビュティエ-15(-5) | 古江 彩佳 -21(-10) |
古江 彩佳 | 18位タイ -3 | 16位タイ -7(-4) | 9位タイ -11(-4) | 優勝 -21(-10) |
上記スコアの動きを見て理解出来る通り、古江選手は最終日10アンダーと言う爆発的なスコアを叩き出した事で、初優勝を掴んだ訳ですが、日本ではプロ入りした翌年から2年と言う短期間で6勝しています。この6勝の内3勝はプレーオフでの勝利ですので、何よりも古江選手の勝負強さを物語っている様に思われます。
又古江選手は2019年のアマ当時に出場した日本女子アマ選手権の試合中に、JGA役員が運転するカートにより、使用クラブを破損させられると言うアクシデントに合っていました。しかしこれにめげる事無く、同年に開催されたJLPGAツアーの「富士通レディース2019」では、アマとして見事優勝を飾っています。精神的にタフな選手なのです。
益々の活躍が期待されます。
中山カントリークラブ(千葉県_18ホール)を経営する株式会社中山カントリークラブの第61期有価証券報告書が、2022年7月27日明らかにされました。
売上高は757,035,000円、経常利益は162,267,000円、当期純利益は108,884,000円となり、当期を含め過去5年間に於ける最高益となりました。売上高のみを取り上げれば、前年よりも6.5%アップしていますので、コロナ禍を上手に乗り切っているとも言えます。
これを裏付ける様に、営業日数は前期に比べ11日減少し348日となるものの、入場者数は2,166名増加し47,432名と成りました。レストランや売店などを除いたプレー代の売り上げは、消費税込みで482,124,500円になりますのが、これは1人平均10,165円になります。
なお事業リスクとしては、下記の4点を上げています。
1、景気変動や個人消費動向に大きく左右される。
2、天候による売り上げへの影響が大きい。
3、ゴルフ場一部が借地である事。
4、自然災害の規模によっては業績が大きく左右される。
とは言えこれら上記4点の要素は、全国ほとんどのゴルフ場が、大なり小なり抱えている課題ですので、当該クラブ特有のリスクとは言えません。
株式会社アコーディア・ゴルフは7月22日、ネクスト・ゴルフ・マネジメント株式会社を2022年10月1日に、吸収合併する事を明らかにしました。該当する企業概要は下記の通りです。
| 存続会社 | 被吸収会社 |
---|
商号 | 株式会社 アコーディア・ゴルフ | ネクスト・ゴルフ・マネジメント株式会社 |
所在地 | 品川区東品川4-12-4 品川シーサイドパークタワー | 品川区東品川4-12-4 品川シーサイドパークタワー |
代表者 | 代表取締役 社長 CEO 石井 歓 | 代表取締役 社長 CEO 石井 歓 |
運営施設 | 132ゴルフ場、25ゴルフ練習場 | 37ゴルフ場、2ゴルフ練習場 |
今回この合併についてアコーディア・ゴルフでは、「グループ運営の更なる強化が目的」だとしていますが、親会社が同一であり又同一の業種ですので、分かれている事自体が不経済で有り、非合理的なのだと思われます。合併により10月には、169ゴルフ場と27ゴルフ練習場をそなえた巨大な企業が、誕生する事になります。
なお2022年1月31日にアコーディア・ゴルフの親会社が、MBKパートナーズよりフォートレスへ交代した為、同社の代表者も6月30日に望月智洋氏より石井歓(いしい かん)氏へ交代しています。石井氏は1954年生まれの68歳、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)へ1977年4月に入行以降、2008年10月には常務執行役員へ就任しています。
その後石井氏は、株式会社日本航空の管財人代理などを務めていますが、なんと言っても今回株主から期待されるのは、企業再生力なのだと思われます。同社の収益力とブランド力を高めていく、つまり企業価値を向上させる事で、近い将来再度東証への上場も視野に入って来るのだと思われます。
今後の石井氏の手腕に、多くのゴルフ関係者が注目しています。
石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)では2022年6月下旬に開催された理事会にて、次回より会員名簿の発行を取り止めるとして、会社提案を決議しました。
当該倶楽部では開場以来5年毎に、会員名簿を発行して来ましたが、2017年での発行が最後になります。この様な決断の背景には、個人情報保護法強化へのながれと、IT社会への劇的そして急速な変化が上げられます。
前回2017年発行の会員名簿では、電話番号を載せない会員が約30%、住所と電話の両方を載せない会員が10%ほどとなり、ある意味従来の会員名簿とは程遠い、名簿の体をなしていないものに成ってしまいました。
今後倶楽部側の対応としては、倶楽部ハウス内に常備している会員名簿原本を、会員から閲覧希望がある場合、特に特定した会員の情報蒐集を行いたい場合、相手方会員了解のもと可能にする様です。
CO2削減が全世界的に叫ばれている今日、野放図に紙が排出されると言う社会の流れに逆行する行為、尚且つ何十万円も貴重な資金を費やし個人情報が「駄々洩れ」になるクラブ慣習は、早急に見直す必要が有るのだと思われます。これらの点を、当該倶楽部に於けるこの度の決断は、示唆しているとも言えます。
PGMグループでは2022年8月より、上記写真でお分かり頂ける送風機付き乗用カート、名づけて「Cool Cart」を導入します。「GRAND PGM」ブランドの関東10コースを皮切りに、9月上旬には全国50コースで導入される予定です。主要な目的は、夏場の熱中症対策です。
1コース当たり10台~40台が目安で合計967台になりますが、1ラウンド1台に付き1人700円(税込)の利用料が必要になります。既に7月11日より予約を開始しており、滑り出しは上々の様です。
10年ほど前、静岡県の南富士カントリークラブでは、カートの前後四方からミストが噴き出すものを考案し話題になりました。此れは手動でスイッチを入れるものでしたが、今回の「Cool Cart」は人感センサーが設置されている事から、無人状況では停止されます。駆動時間は約6時間です。
1日のラウンドに充分対応出来るものに仕上がっていますが、同グループの親会社である株式会社平和とのコラボで誕生した「Cool Cart」、稼働後のプレーヤーの評価が楽しみです。今やカートは単にプレーヤーを運ぶだけのものでは無く、如何に快適に移動出来るかに焦点が移って来た様に思われます。
2022年7月13日東京地裁民事第5部631号法廷にて、ゴルフスタジアム事件にからむ「ジャックス・能代裁判」の判決言い渡しが有りました。関連裁判は8裁判体に分かれており、その内当該裁判が5年の歳月をかけた初の判決と成りました。
結果はゴルフスタジアム事件被害者ら原告側の主張、「ジャックスとのクレジット契約は、ゴルフスタジアム社員誘導による錯誤のものであり、債務は存在しない」、此れを鈴木わかな裁判長は退けたのです。ある意味被告であるジャックス側の主張を、全面的に認めるものと成りました。
これに対し原告側の代理人ゴルフスタジアム弁護団(団長:西村國彦弁護士)は、到底認められるものでは無い不当判決だとし、「速やかに控訴状を裁判所に提出する」と徹底抗戦のかまえです。また原告側代表の横田亮氏は「とことん行きます」、とこれからが戦いの本戦とばかりに、原告達を鼓舞していました。
なお今週金曜日の7月15日には8裁判体の一つ「ジャックス・宮川裁判」の判決が、同地裁民事39部421号法廷にて出る予定になっています。二つ目の判決となる訳ですが、今回の判決がどの様な影響をもたらすのか、どの様な内容になるのか注目されます。
安倍元首相は2022年7月8日11時30分頃、奈良市西大寺国見町の大和西大寺駅近くの路上で、参議院選挙の応援演説中、凶弾に倒れ同日17時3分、奈良県立医科大学付属病院にて死亡が確認されました。
この訃報に際し7月8日JGTO・青木会長は、次の様な弔文を寄せています。一部抜粋し掲載させて頂きます。
JGTO・青木功会長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
思えば安倍氏とは長いお付き合いでした。晋三氏の御尊父晋太郎氏と親交がありましたので、晋三氏が大学生だった頃からのことです。今、2019年5月にトランプ大統領が来日された時、総理大臣の晋三氏と3人で和やかにラウンドしたことが鮮明に思い出されます。
中略
長きにわたり国のため、国民のことを想い、ご自身の健康をも犠牲にして職務にあたるお姿を拝見するたび、尊敬の念を抱いておりました。
祈り叶わず悲しい訃報に接し、深い悲しみ、痛恨の極みであります。今はただ万感の思いを込めて感謝申し上げ、謹んで哀悼の意を捧げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
安倍氏は2011年5月26日より2012年12月25日まで一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会の理事長を務め、2021年5月27日からは名誉会長へ就任していました。同協会の高桑耐理事長は、下記の弔文を発表してます。同様に抜粋し掲載させて頂きます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7月8日午後5時3分、本協会 安倍晋三名誉会長が逝去されました。同日11時30分過ぎ、奈良県大和西大寺駅前において街頭演説中に銃撃を受けて心肺停止との報道を受け、容態の回復を心より祈念しておりましたが、願いが叶わずにこのような悲報に接し、深い悲しみを表するとともに、痛恨の極みであります。
中略
そして、2021年5月からは、本協会名誉会長に就任され、ゴルフ場業界の発展に尽力頂いている矢先の凶行に深い憤りと悲しみを禁じ得ません。これまでの功績に対し、改めて感謝と敬意の念を抱くとともに、衷心より哀悼の意を表します。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)では2022年10月1日より、正会員の補充募集を開始します。概要は下記の通りです。
募集会員 | 正会員(個人、法人一名記名式) |
募集金額 | 532万円(入会金1,320,000円+預り保証金4,000,000円) |
募集口数 | 100口 |
募集期間 | 2022年10月1日より定員に達するまで |
預託金償還 | 預り保証金の据置期間は入会後15年 |
同クラブによれば現在の正会員数は2,168名であり、最終会員数2,800名の目標へ向け、会員募集を行う予定との事です。此れに伴い既存会員権の名義書換は、正会員のみならず平日及び限定平日など、全ての種別で10月1日より当面の間停止になります。
株式会社富士小山ゴルフクラブは2022年6月20日に定時株主総会を開催し、小田急電鉄株式会社の完全子会社になる事を決議しました。この時点で小田急電鉄は56.1%の同社株式を保有しているものの、2022年3月31日にしめた第101期有価証券報告書では、非連結子会社と位置付けていました。
同社の支配的地位を有する小田急電鉄の意向により、完全子会社となる事を決議した富士小山ゴルフクラブは、394名の会員株主とその他株主より1株10万円にて株券を買い上げ、10株を小田急電鉄1株へ併合する、これが具体的な内容になります。この効力発行日は、2022年10月1日を予定しており、以降同社は小田急電鉄の完全子会社として連結対象子会社になります。
これまで同ゴルフ場は、小田急電鉄グループの奥座敷的意味合いも有り、野放図にビジターの集客に奔走する事は有りませんでした。なりふり構わず利益を追求して行くゴルフ場とは、一線を画しており、ある意味この点が優雅さを醸し出す要因にもなっていたと言えます。
しかし経営的には決して楽なものでは無く、親会社あっての同ゴルフ場だった訳ですが、小田急電鉄はここへ来て手放すどころか完全子会社として、存在感を高めようとしています。この様な判断に至った背景には、今後数年以内に開始されるであろう富士山麓を巡る大規模開発と、交通アクセスの大幅な改善が見込める状況、これ等の要素が大きく作用した様に思われます。
更にはゴルフ需要の大幅な改善、ゴルフブームとも言える現象が垣間見える現在、同ゴルフ場の役割を強化して行く事が、小田急電鉄グループとしてシナジー効果を得られる、この様な判断が上場会社には有ったのだろうと推察されます。
親会社との関係性が明確になり、進むべき道が明らかになったものの、現場においては如何に効率の良い集客と品を崩さないクラブ維持、この課題は常に求められているのだと思われます。