株式会社日立製作所は2020年2月初旬、公益財団法人日本プロゴルフ協会(以下PGA)へ、『国民健康増進へ向けたゴルフ活用に関する報告』と題する報告書を提出しました。これはPGAが、保有する全ての資料を日立製作所へ提供し、日立製作所は人口知能(AI)を活用し、この資料を分析したものです。
この報告書には副題として、『Open Data 分析によるInsight(気づき)のご紹介』と有ります。AIが8ページにまとめた(気づき)ですが、分析結果として下記の6項目に分かれています。
- ゴルフはアルツハイマー型認知症の防止効果が高い
- 高血圧性疾患、脳梗塞にもゴルフは効果が高い
- 他の学校体育スポーツと比較してもゴルフは効果が高い
- 2000万人潜在層の掘り起こしは各クラスター毎の施策が有効
- 女性がゴルフをすると、さらなる認知症の減少につながる
- 女性の子育てタイミングと55~64歳世代が、ゴルフ継続の分かれ道
上記6項目の中で、例えば1番目の内容に関しこの資料では、様々なスポーツに於いてゴルフをする人の割合が多いと、アルツハイマー型認知症者の割合が少なくなるとしており、その相関係数が高いと記述されています。
ではゴルフをしない事が認知症の要因になるのか、と言う論理も成り立つ訳で、相関関係の立証には若干飛躍も見れるものの、資料分析能力と言う点ではAIの活躍が目立つものに成りました。他方PGAにとってこの分析結果は、恣意的判断では無く、AIの客観的判断で有るとのお墨付きを得られたのだと思われます。
いずれにしても社会に於けるゴルフの効能或いは役割を、常に考え抜いているPGAだからこそ成し得た報告書なのだと言えます。今回内容を掻い摘んで紹介しましたが、ご興味のある方は是非(PGA)へお問い合わせてみては、如何でしょうか。
2020年3月16日株式会社テレビ宮崎とアクサ生命保険株式会社更に一般社団法人日本女子プロゴルフ協会は、3月27日に開幕を迎える予定だった『第8回アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI』を、開催中止するとして共同で発表しました。
これは新型コロナウイルス(COVID_19)の感染脅威が世界レベルになっており、3月11日に世界保健機関のテドロス事務局長が「パンディミックとみなせる」と宣言する事態となった今日、更なる感染拡大の要因を作ってはならない、とトーナメント事務局が出した結論です。
これで3月に開催される予定だった、女子のレギュラーツアー4試合全てが中止になりました。残念ではあるものの、人類が見えない敵と戦う為には、必要な措置だとも言えます。今後どの様な現象が、社会的特徴として見て取れた時に再開出来るものなのか、この物差しが明確化されていない点にもどかしさを感じます。
今後は4月2日に開幕予定である『ヤマハレディースオープン葛城』の動向が、大きな焦点になって来ております。
神奈川県の葉山国際カンツリー倶楽部は、2020年12月に法人創立60周年を迎えます。これを記念し同倶楽部では、名義書換料を2020年4月1日より2021年3月末までの1年間に付き、通常の半額にて手続き出来るキャンペーンを開始します。
具体的な内容は、下記の通りです。
会員種別 |
通常料金(税込) |
減額料金(税込) |
正会員 |
770,000円 |
385,000円 |
平日会員 |
550,000円 |
275,000円 |
また1、生前贈与 2、相続継承 3、法人名義を記名者の個人名義へ変更 4、個人名義を同一人物が記名者となる法人名義へ変更 5、法人会員の記名者変更手続き等は、通常正会員税込385,000円、平日会員税込275,000円ですが、これらが共に半額と成ります。
これら一連のキャンペーンを市場は好感し、会員権価格は若干上がって行くものと思われます。この事から入会希望者にとって、キャンペーン前後で取得コストに極端な差は、生じない様にも思われます。しかしながら片方で退会を検討している会員にとって、会員権価格が上昇する事は、大変望ましい状況になるとも言えます。
今回60周年記念キャンペーンを行う当該ゴルフ場に於ける目的の一つは、倶楽部の活性化を上げる事が出来ますが、同時にこれは市場の活性化をも意味しています。会員の入退会がスムースに行われる倶楽部側の料金設定、これこそがある意味市場が判断した、適正な設定なのだと思われます。
PGA TOUR コミッショナーであるジェイ モナハンは、2020年3月13日(金)米国東部時間朝の8時に記者会見を来ない、3月12日に初日を迎えたザ・プレーヤーズ選手権を2日目の本日から中止にする事、そしてその次のValspar 選手権、WGC Dell Technologies マッチプレイ、Valero テキサスオープンの3試合も開催を取り止めると発表しました。
これは新型コロナウイルス(COVID_19)の脅威から、プレーヤー及び観客そして関係者など全てを守る為だとしたのですが、同時刻にマスターズ トーナメントを主催するオーガスタ ナショナルGCのフレッド リドリー会長からも、同招待大会を延期にするとの発表がありました。
結局4試合が中止になり、1試合が延期と言う事になったのです。今のところ再開は、4月16日のRBC ヘリテージからになります。では延期となったマスターズは、何時開催されるのでしょうか。昨年2019年のマスターズで2位タイの成績を残したザンダー ショーフレは、「延期は慰めの言葉です」と半ば諦めのコメントを発しています。
1929年にアメリカを震撼させた大恐慌は、マスターズの第1回大会が開催された1934年当時も続いていました。暗黒の中から立ち上がったマスターズ トーナメントですが、1943年から45年の3年間は、第2次世界大戦の影響から中止になっています。それ以降今日まで、この4月の週に中止は有りませんでした。75年ぶりの出来事です。
マスターズの会場となるオーガスタナショナルGCは、酷暑の為5月の最終週から10月初旬までクローズされます。PGA TOUR 2019-2020は、8月30日に最終日を迎えるツアー選手権で幕を閉じます。この様なタイトな日程から、何時今シーズンの大会が再開されるのか、全く予測不能です。
実質的には延期で無く、中止なのかも知れませんね。
栃木県の那須ハイランドゴルフクラブは、2020年4月下旬より営業を再開する予定との事ですが、これはコナミスポーツクラブの会員を対象にしたもので、一般営業は行わない方針の様です。
当該ゴルフ場は2015年6月30日にコナミグループの傘下となり、2017年4月以降は同グループのゴルフスクール会員向けとして機能して来ました。
この様な中2019年10月の台風19号による冠水被害により、10月12日から営業を停止にしておりました。懸命な復旧作業が行われるものの、シーズン最終営業日である11月24日まで再開出来ない事が判明し、クローズ状態で今日に至っております。
営業再開後コナミスポーツクラブ月会費会員の予約は、受け付けるとしているものの、あくまでも運用は同スポーツクラブのプライベートクラブとしてのものだとしております。なおコナミグループとなる前に、在籍していた会員の処遇に付いては、分からないとの事です。
群馬県の21センチュリークラブ富岡ゴルフコースは、2020年3月31日をもって閉鎖する事を、3月に入り同クラブのWEBサイトで明らかにしました。
同ゴルフ場は2019年4月17日に経営会社である株式会社ワイ・ケイ・ジャパンが、東京地裁へ民事再生法の適用を申請する中、当初よりユニマットグループをスポンサーとした、プレパッケージ型の再生を模索しておりました。
そして8ヶ月後の同年12月にユニマットグループが、同ゴルフ場を傘下に収める事になったのです。この再生過程で当時在籍していた500名弱の会員の中から、新しいクラブへ移籍するとの希望者は、50名にも満たないものでした。
この様な事実を勘案しユニマットグループでは、全会員へ弁済を済ませた後、新クラブへの移行会員を募りませんでした。つまり会員数ゼロの、いわゆるパブリックとして今日に至っております。この事から、今回同ゴルフ場を閉鎖するに当たり、不利益を被る方は居りません。
今後同ゴルフ場は群馬サファリパークの一部として、機能して行くものと思われます。具体的な活用案は、これからの様です。なお昨年の弁済内容は、会員が保有する50万円以上の債権に付いて、一律50万円を弁済すると共に、更にその金額を超える部分の3.67%をプラスし、弁済すると言うものでした。
昨年4月に開始された法的整理は、あくまでもゴルフ場としての再建を目的としたものと思われましたが、約1年後の今日、それは再建では無く解体として具現化する事になったのです。また一つゴルフ場が、消滅する事になりました。
東京都下の東京よみうりカントリークラブでは、2020年3月1日より入会条件を一部緩和しました。これは同年2月に開催された理事会にて、決議されたとの事です。
同クラブ関係者によれば近隣ゴルフ場の内容も精査し、時代に相応しいものへ改定されたとしております。ではどの様な内容が、今回緩和されたのでしょうか。それは他クラブの要件を、広い意味で外した事です。
此れ迄同クラブへ入会申請する為には、他クラブへ在籍している必要が有りました。その他クラブとはJGA加盟で無ければならないとか、入会申請者がそのクラブへ何年以上在籍していなければならない、などの縛りは無いものの条件としては必須でした。
これが今回この条件に関し、「原則」と言う文言が付く事になりました。これを拡大解釈するならば、無くても入会申請を受け付けますよ、と理解出来ます。他クラブへ在籍していない入会申請者に付いては、人物像が理解出来る様な詳しい資料を、入会申請時に提出してもらう事により、当該クラブではカバーして行きたいとしております。
この改定の狙いは、取りも直さずクラブの活性化です。現会員の退会と新規入会者のスムースな申請手続き、これを円滑に進める為には、入会希望者の対象範囲を広くする事が、何よりも重要だと言えます。形式主義に陥らず、内容を精査する事が大切だと、時代が要請している様にも思われます。
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)は、新型コロナウイルス(COVID_19)対策として各ゴルフ場が取るべきものは、「安全で安心なプレー環境の確保とその為に実施している対応策の告知」だとしております。
これが自粛ムードや、根拠のない風評によるプレー忌避を防ぐ為に、重要だとしております。ではどの様な内容の告知文にしたら良いのか、その原案をNGKが提案しておりますので、表記しておきたいと思います。
なお下記原案は、NGKのご了解を頂き、再現しております。
「ゴルフ場としての新型コロナウイルス感染症対策」(案)
【ゴルフプレーヤーに協力を要請する事項】
- ゴルフ場(クラブハウス)入場時において、「手の消毒」にご協力下さい。
- 昼食時やプレー終了後には、「手洗い・消毒・うがい」の励行にご協力下さい。
- 発熱等の風邪症状がある方には、プレーの自粛をお願いするケースがあります。尚、体調に不安のある方は、お申し出頂ければ非接触型の体温計で検温致します。
- 万が一、「新型コロナウイルス」に感染した場合は、出来る限りご連絡をお願い申し上げます。
【ゴルフ場側として実施している事項】
- 従業員の健康管理には万全を期す為に、毎日の「体温測定」と「記録管理」を実施しています。
- 「手洗い・消毒・うがい」を一定時間内に全ての職員が常に実施しています。
- 発熱等の風邪症状の自覚が見られた従業員には、休暇取得を実施しています。
- 接客対応者には、「マスク着用」を励行しています。
- 業務終了後、テーブル・椅子・階段手摺・ロッカーノブ・ドアノブ等、多くの方が接触する可能性の高い箇所に付いては、消毒作業を実施しています。
ゴルフ場は、広い空間でプレーを楽しんでいただく施設で有りますが、万が一にも感染症が発生しないよう、従業員一同細心の注意を払い、皆様をお迎え申し上げます。
今般の「新型コロナウイルス感染症」が終息するまでの期間、ご来場の皆様にもご理解を賜り、ご協力をお願い申し上げる次第で御座います。
これは原案ですので、適時修正し使用して頂きたいとの事です。
東京都下の府中カントリークラブでは、来週の3月15日(日)にクラブ理事会が開催され、新規入会申請者の合否が判明します。今回20数件の入会申請中、他クラブ在籍と言う入会条件を満たさず、審査特別委員との同伴プレーにてカバーした方々が、約半数あるとの事です。
JGA加盟の他クラブに、2年以上在籍していなければ入会申請出来なかったのは、昨年2019年3月末まででした。4月以降この条件が上記の様に、同伴プレーを行う事で補える様になったのです。この条件緩和が、会員権市場に於いても影響をもたらしており、常に買い希望が有り売買が活発になったのです。
同伴プレーは年に2回有りますが、1月末と7月末に締め切った入会申請に付いて、それぞれ2月と8月に行われます。これを受けて3月と9月の理事会にて、その方々の合否が決定されます。なおこの同伴プレーをクラブへ申請する為には、当該クラブの会員権を取得済みで無ければなりません。
此れ迄当該クラブ会員権の動きは、季節要因が大きく働くケースが有り、市場動向としては秋以降12月にかけ、相場が弱いと言われ続きて来ました。これは年会費の支払い方法に、起因するものでした。しかしながら入会条件を緩和した事により、通年買い希望が入る様になったのです。
形式的審査に依存するのでは無く、内容を重んじた審査へ移行した事により、当該クラブは今また脚光を浴びつつ有ります。現状を良く把握し時代に即したハードルを設けて行く事こそ、いま名門クラブには求められていると言えます。変化は苦しいものですが、それ無くして進化も有りません。
神奈川県の戸塚カントリー倶楽部では、平日会員として在籍している会員が正会員へ移行する場合、これまで基本的な原則を緩和し対応し来ておりました。例えば推薦者4名について、或いは入会申請者の経歴を場内掲示する事、などを免除して来ました。
しかし2020年2月23日に開催された理事会は、この緩和措置を取り止め原理原則に基づいた手続きを、復活させるとして決議したのです。この内容は即日施行され、以降の入会申請手続きは、一般の新規入会者と同様の内容となりました。
此れ迄の緩和措置は、現在平日会員である事を鑑み、正会員への入会は確実であるから、形式的な手続きだけで良いのでは無いか、と言う発想が原点に有るものと思われます。しかし今後原則通りに手続きすると言う事は、正会員への入会申請が、否認される可能性もあると示唆しているのです。
否認された場合は、大変な事になります。なぜならば当該倶楽部の会員として相応しく無い、と烙印を押された事になる訳ですから、ではそのまま平日会員として残っていても良いものなのか、良識ある人物であればあるほど精神的苦痛を味わう事になります。
ところでこの様な手続きを復活させると言う事その背景には、平日会員だからと言っても相応しく無い人物は居るよね、とこの様な会員同士の認識が有るが故だと思われます。当該倶楽部は名門であるだけに、常に純化を求める自浄作用が働くのだと言えます。