韓国ゴルフ事情_M.F氏からの寄稿

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 お仕事の関係から長い間韓国でゴルフをされて来たM.F氏より、2015年10月初旬に「韓国ゴルフ事情」と言う事で、氏自身が感じて来られた韓国に於けるゴルフ文化の一端に付いて、寄稿して頂来ました。

 当事件帖からM.F氏へは、原稿用紙一枚から二枚程度の長さにお願いした関係から、表現に付いてはご苦労された事と思いますが、以下点線内に全文を掲載させて頂きます。


 長年ソウルに駐在していたので韓国のゴルフ事情の裏表を知ることとなった。今回はそのうちのいくつかをご紹介したい。

 先ず韓国のゴルフ場の絶対数がきわめて少ない。全国で200か所、日本の十分の一以下である。ゴルフは金持ちのスポーツというイメージが強く、なかなか開発許可が下りない。開発許可が大変な利権である。

平野部をつぶしてゴルフ場に転換することは先ず不可能。勢い山地を削ってゴルフ場を造成する。アップダウンが激しく面白いといえば面白いが鬼面人を驚かすというコース設定が好まれる。日本のような易しそうに見えて実は難しい、なかなかパーが取れないというようなしみじみとしたコースは少ない。

 しかし会員権一億円以上というデラックス・コースも最近結構ある。コースが素晴らしいかというと山地に無理して造成、日本ではその付近にいくらでもあるコースだ。なぜ高いかというと会員数が極端に少ない。二、三百人というような閉鎖的なコースもある。これならいつでも予約が取れる。韓国で土日に予約を取るのは至難のわざである。

 今一つ韓国人のプレー・マナーである。良く言えばおおらかな性格ともいえようが、球は打ちやすいように大きく動かす、結構長い残りパターもOKを貰う、難しいラフに入れば打ちやすい所に出してしまう (もちろんノーペナルティーは当然) 等々である。韓国人の名誉のために付けくわえると、自分だけ好成績で上がりたいから不正をするというのではない。

同伴プレーヤーにも同様の配慮をする。同伴プレーヤーが不正をせずとも打ち易いように球は良い所に出して呉れるし、かなり長いパターもOKを出して上げる。昔大宅壮一がゴルフ場は緑の待合と評したが、要は皆が楽しく良い成績で上がって来れば良いのだ。一打二打を必死に争うなどというようなゴルフは野暮ということなのであろう。

これも大人の知恵であろうか?