千葉県のスカイウエイカントリークラブを経営する(株)スカイウエイカントリー倶楽部(以下スカイウエイ)は、2015年3月31日東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。同日(株)アコーディア・ゴルフ(以下アコーディア)は、(株式会社スカイウエイカントリー倶楽部とのスポンサー契約書締結に関するお知らせ)と題して、下記内容を明らかにしました。
アコーディアは当該ゴルフ場のスポンサーに就任し、再生計画案の認可決定確定後に出資する事を、(株)スカイウエイカントリー倶楽部との間で締結したとしております。いわゆるプレパッケージ型再建手法と言われるものを当該ゴルフ場経営陣は計画し、法的整理に臨んだ事に成ります。経営陣は事前にアコーディア側と打ち合わせをし、法的整理へ至った訳ですが、何が原因でこの様な事態に成ったのでしょうか?
3月31日帝国データバンクは、2014年3月末時点でスカイウエイの負債は約53億5,500万円有り、内会員預託金総額は52億9,200万円であると、WEBサイトで明らかにしております。一年前の情報ですから正確性には若干欠けるものの、ほとんどその通りなのだとするならば、会員の預託金を除く負債は6,300万円に成ります。
土曜日、日曜日にはそれぞれ約200万円の売り上げが見込めるゴルフ場が、6,300万円の負債に対して今後長期に渡っても返済見込みが無く、倒産する以外に道は無い、と考える経営者が通常居るものでしょうか?
では次に会員の預託金に対する状況は、どの様なものだったのでしょうか。前回の預託金償還期日到来に対して、戦々恐々としていたゴルフ場経営陣を喜ばせたのは、数名の償還希望者のみで、その他の会員からは10年間の期間延長を承諾されていました。
以上何点かに絞って見て、特段大きな波風が立っていなかった様に思えるのですが、何故にこの様な事態に成ったのでしょうか。経営者の気力喪失でしょうか?登記上は3名の取締役で構成されておりますが、ヘゲモニーは株主が掌握している事でしょうから、株主=オーナーの意向によりこの度の事態へ進展した事に成ります。会合を進める中で、オーナーは言われたのでしょう、アコーディアに。「あなたの手で預託金=会員を整理して下さいね」と。
この様な状況下で働く従業員の中には、将来アコーディアの傘下に入る事を嫌い、自らの働く職場を自らが守る動きも出ている様です。この度の事案は、大口の担保権者が居ない様ですので、将来提出されるであろう民事再生計画案に対する可否は、ひとえに会員の動向が大きな要素を占めていると言えます。
- 申請代理人
- 樋口收弁護士(東京都港区赤坂2-11-7 、敬和綜合法律事務所 TEL 03-3560-5051)
- 監督委員
- 大貫裕仁弁護士(東京都港区赤坂1-12-32 、西村あさひ法律事務所 TEL 03-5562-8500)