一都三県で54店舗のインドアのゴルフスクール(ZENGOLF)を展開するツリーベル株式会社が、埼玉県のリバーサイドフェニックスゴルフクラブ取得し、2025年6月20日より運営を開始しています。
ツリーベル社では、当該ゴルフ場の経営会社である株式会社フェニックスの全株式を取得する事で、傘下におさめた訳ですが、その狙いについて「インドアとアウトドアをつなぐ新たなゴルフ体験の流れが実現」したとして、ゴルフスクールとゴルフ場との相乗効果拡大を念頭においています。
ツリーベル社の概要は下記の通りです。
■ 会社名:ツリーベル株式会社
■ 所在地:東京都目黒区三田1-4-2 恵比寿ガーデンテラス壱番館2F
■ 創 業:2005年9月
■ 資本金:5,000万円
■ 代表者:代表取締役 森田 晋平
東急不動産株式会社及び日本駐車場開発株式会社は、2025年6月27日にそれぞれ広報を通じ、東急不動産が所有する子会社・伊豆観光開発株式会社を、2026年3月1日に日本テーマパーク開発株式会社へ譲渡することを明らかにしました。
伊豆観光開発は1979年に東急不動産の傘下に入り、今日天城高原ゴルフコースやホテル、別荘地などを所有し、その運営を東急リゾーツ&ステイ株式会社へ委託して来ています。
東証プライム上場の日本駐車場開発は子会社の日本テーマパーク開発を通じ、伊豆観光開発の株式を取得する訳ですが、取得する企業の業績及び日本テーマパーク開発の概要は下記の通りです。
■ 名 称:日本テーマパーク開発株式会社
■ 所在地:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング
■ 代表者:代表取締役 内藤佐和子
■ 主事業:テーマパーク、遊園地の運営・管理、別荘地の管理及び売買・賃貸
■ 資本金:50百万円
■ 設立日:2016年5月20日
決算期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
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売上高 | 1,005百万円 | 1,074百万円 | 1,080百万円 |
当期純損益 | 106百万円 | 115百万円 | 97百万円 |
なお日本駐車場開発は今回の株式取得の目的について、日本テーマパーク開発は観光を軸としたまちづくりや地方創生を行っており、全国展開のM&A活動は東京証券取引所への上場を視野に入れてのものであり、今回もその一環だとしています。
大利根カントリークラブ(茨城県)を経営する株式会社大利根カントリー倶楽部が、2025年6月30日第67期有価証券報告書を公表しました。概要は下記の通りです。
回次 | 第65期 | 第66期 | 第67期 |
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売上高 | 1,319,070千円 | 1,439,032千円 | 1,643,914千円 |
経常利益又は経常損失 | 24,843千円 | 72,337千円 | △ 39,925千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 22,418千円 | 72,550千円 | △ 42,738千円 |
此れまでに無い売上高を計上した第67期ですが、その売り上げを支えている総来場者数は年間56,709名でした。第66期に比べ731名が減少したのですが、その内訳は会員が26,838名で991名の減少、ゲストが29,871名で260名の増加でした。
前期より来場者が減少したにも関わらず売上高が良かったのは、コンペの増加などにより客単価の高いゲストが増加した事により、例えばグリーンフィ収入が15,275千円、キャディ料収入が17,898千円、食堂売上が12,607千円それぞれ増収になったのが、大きな要因だったとしています。
しかしながら昨今の物価高騰から、人件費、コース整備業務委託費、肥料薬品費、機械工具費、電力燃料費、修繕費等などが増加すると共に、更に大型設備投資を行った為、終わってみれば経常及び純利益ともにマイナスになったとしています。
当該クラブは会員の同伴或いは紹介無くしてゲストがプレーする事は出来ませんが、会員の高齢化による2年連続での来場者数減少は大きなリスク要因になっています。この様な中、クラブ活性化の基礎とも言える会員入れ替えは、年間60~70名ほど行われており下支えになっています。
当該クラブでは第68期の目標として、年間来場者数を59,300名へ設定しています。この為に様々な会員ゲスト優遇策を11点ほど練っており、その効果がどの様に今期数字として反映されるのか注目されます。
筑波カントリークラブ(茨城県)を経営する株式会社筑波ゴルフコースは、2025年6月27日に第69期有価証券報告書を公表致しました。その概要は、下記の通りです。
回次 | 第67期 | 第68期 | 第69期 |
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売上高 | 774,549千円 | 798,996千円 | 819,312千円 |
経常利益又は経常損失 | 5,179千円 | 28,652千円 | △ 2,835千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 367千円 | 8,905千円 | △ 2,368千円 |
第69期は4期ぶりに赤字決算になりましたが、売上は此れまでに無い金額を計上しています。売り上げの基になる来場者数は、会員が22,835名にて前期比498名の減少、ゲストは14,145名にて同様に前期比125名が減少しています。
結果として前期比623名が減少し、36,980名になりました。マイナス1.7%の減少です。しかしながら客単価の高いゲストの来場が増えた事と、5人乗り乗用カート利用料やプロのレッスンフィ増加、これらが大きく影響し売り上げは、これまでにない数字になっています。
かつてない売り上げを出せた反面、営業費用が7.4%かさんだ為、経常及び純利益ともにマイナスになりました。営業費用の主な内訳は、人件費が6.3%、減価償却費が6,514千円、コース管理費が13,983千円それぞれ増加しています。
当該クラブは低価格化ゴルフ場との差別化、つまり価格競争に巻き込まれない営業方針で臨んでいますが、第69期の赤字対策について報告書は多くを語っていません。今後も従来通りの方針に変更無く、運営されて行くのだと思われますが、今期どの様な結果を出せるのか注目されます。
大洗ゴルフ倶楽部を経営する株式会社水戸カンツリー倶楽部は、2025年6月27日に第73期有価証券報告書を公表しました。その概要は下記の通りです。
回次 | 第71期 | 第72期 | 第73期 |
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売上高 | 779,292千円 | 819,526千円 | 876,755千円 |
経常利益又は経常損失 | 15,111千円 | 5,340千円 | 22,915千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 14,488千円 | 4,398千円 | 23,414千円 |
4期連続での黒字になったとの事ですが、来場者は36,815名から35,215名へと1600名減少しています。来場者の内訳は会員17,273名、ビジター17,942名です。
来場者が減少しているにも関わらず経常が好調な要因を、季節優待制度を廃止した関係からビジターフィが上昇、更にはキャディフィの上昇などが結果として客単価上昇となり、好決算に反映されたとしています。
当該クラブの営業方針としては、他コースとの価格競争に巻き込まれる事無く、日本屈指の難コースであるという特色と優位性を強調し、プレー価格を維持して行く点を挙げています。そう言う意味では、プロトーナメント誘致であったりプロテストの試合会場に選定される、これらが重要な要素になって来るとしています。
当該クラブがおかれた特殊性を良く理解した営業戦略と言えますが、今期へも引き続き期待がかかります。
埼玉県の飯能ゴルフクラブを経営する株式会社飯能ゴルフ倶楽部の第67期決算が、2025年6月25日に公表されました。比較する為、前2期分を含めた概要は、下記の通りです。
回次 | 第65期 | 第66期 | 第67期 |
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売上高(千円) | 621,411 | 684,151 | 679,547 |
経常利益又は経常損失(千円) | 63,714 | 42,420 | 2,786 |
当期純利益又は当期純損失(千円) | 40,024 | 31,076 | 800 |
67期売り上げは、66期及び65期と比較し大きな遜が無いものの、純利益は80万円と大きく落ち込みました。これは新たに4名の人員を増やした事に伴う経費が、大きくかさんだ為だとしています。
また最終損益は営業外収益である会員権の名義書換料に依存しており、この収入が落ち込んだ時、業績へも大きな影響をもたらす可能性が有る、この様な事業リスクが内在している事を、かねてより有価証券報告書は警告しています。
この事業リスクを具体的に見るならば、66期は65期より38,500千円、67期は66期より4,900千円名義書換料が減少しています。この傾向に対し当該クラブでは、入会のハードルを下げる訳にはいかないとしています。至極まっとうな話だとは思うものの、であるならば抜本的な対策が、急務の様にも思われます。
なおコースはベントとバミューダの2グリーンであり、有限会社G-Westがコース管理を行い、会員及びゲストより高い評価を受けているとの事です。
静岡県の富士カントリークラブでは、2025年7月1日より正会員の補充募集を、新たな金額設定にて行う予定です。当該クラブでは2024年1月1日より、180万円募集を行って来ておりますが、現状でははかどっていません。
2025年3月から新経営陣へ移行する中、現実の市場を軽視した理念先行の募集を一旦見直し、新規に募集価格を設定する事になりました、その概要は下記の通りです。
■ 募集金額:760,000円(会員権代金10万円+入会金66万円)_税込
■ 募集口数:50口
■ 推薦者 :在籍1年以上の正会員1名の推薦要、推薦者に心当たりが無い方は同伴プレー
■ 募集期間:2025年7月1日~口数に達するまで
なお上記76万円のほか、入会にあたり年会費を月割りにて、清算する必要が有ります。いずれにしても大変お得感のある価格設定になり、コスパ的には数年で元が取れるものと言えます。この度の会員募集が、クラブ活性化の一助となる事を、祈念したいものです。
千葉県の千葉カントリークラブを経営する株式会社千葉カントリー倶楽部は、2025年6月20日に第72期有価証券報告書を公表しました。過去3期に渡る概要は、下記の通りです。
回次 | 第70期 | 第71期 | 第72期 |
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営業収益 | 2,263,275(千円) | 2,241,296(千円) | 2,286,443(千円) |
経常損益 | 47,301(千円) | 94,329(千円) | 32,576(千円) |
当期純損失 | 13,499(千円) | 38,216(千円) | 13,738(千円) |
今期営業収益は71期、70期と比較し遜色なく、大きな波風が無かった事が分ります。しかし当該企業は事業リスクとして5点を挙げる中、特に借地契約や借地料の変更、更にはキャディの人材確保如何によっては集客数を減らさざるを得ない状況であり、業績に影響を与える可能性が有るとしています。
なお当該企業には労働組合が組織されていますが、先鋭化された労働運動やイデオロギー色の強い政治活動などの一翼を担う組織体では無く、従業員の権利擁護を主目的としたもので、安定した労使関係が維持されています。ちなみに千葉カントリー倶楽部従業員労働組合は各コース従業員や、梅郷コースキャディなど58名にて組織されています。
また上記労組の他当該企業には、全労連全国一般労働組合千葉カントリィ支部があり、この支部は梅郷コースキャディ4名にて組織されています。以上2組織の労働組合が有ります。
売上の重要な一部を占めるゴルフ会員権の名義変更登録料ですが、71期では375,000千円を計上するも72期は314,100千円となり約60,000千円が減少しています。これは名義書換料の改定が72期目に有った事から、71期での駆け込み需要からもたらされた反動だと言え、73期では従来通りの動きへ収斂して行くものと思われます。
一社)日本ゴルフツアー機構(JGTO)は2025年6月17日都内会場にて、今シーズン中10月に新規の『フォーティネット プレーヤーズ カップ』開催を明らかにしました。概要は下記の通りです。
■ 大会名称:フォーティネット プレーヤーズ カップ
■ 主 催:ジャパンゴルフツアー選手会(共催:一般社団法人日本ゴルフツアー機構)
■ 特別協賛:フォーティネットジャパン合同会社
■ 協 力:成田ヒルズカントリークラブ株式会社(千葉県)
■ 賞 金:総額100,000,000円(内優勝賞金2000万円)
フォーティネットジャパン社が資金提供し新たに開催される大会ですが、同社がこの大会を開催する事により狙うものは、日本に於ける同社の認知度上昇です。同社マーケティング本部長である米野宏明(こめの ひろあき)氏によれば、企業認知度向上へ向けここ3年間を費やして得られた結論が、ゴルフトーナメント開催だったとの事。
同社の親会社は、米国に本社を置くサイバーセキュリティを本業とするフォーティネット社で、世界有数の企業です。日本法人は2003年に設立されていますが、目的は安心安全なサイバー空間を、日本の取り引き先企業へ提供する事になります。
同社の多くの取り引き先企業役員はゴルフに慣れ親しんでおり、訴求性の高いスポーツだと認識した米野本部長は、米国本社と交渉しJGTOトーナメント開催の予算を勝ち取れた結果が、当該大会開催に繋がりました。トーナメントは複数年開催する計画であり、JGTOとはその様な契約になっています。
企業認知度向上へ向け同社の当面の到達目標を伺う事は出来ませんでしたが、ここ数年での目標達成を射程に入れているものと思われます。しかし至らなかった場合は、「私が責任を取ればいいだけですから」、と悲壮感は無いものの米野本部長はそう語ります。
JGTO選手会主催によるものは当該大会を含め2大会になりますが、「第5のメジャーへ育てたい」とは、選手会のみならずJGTO側の総意でもあります。早期にJGTOツアーからフォーティネットジャパン社が撤退してしまうのか、或いはJGTOツアーの顔へ育つのか、先ずは今秋開催される大会に注目です。
なお今大会の会場となる成田ヒルズカントリークラブとは単年契約との事から、来年会場は変更になる可能性が有ります。
市原市では2025年6月2日(月)、3日(火)、5日(木)の3日間に渡り、選出された市内ゴルフ場の職場を市内高校生へ紹介すると共に、高校生がゴルフ体験をする恒例の『職場見学バスツアー』を開催しました。見学したゴルフ場は6コース、参加者は4高校32名でした。
市と商工会議所の共催により今年8回目の開催となりましたが、詳細は下記の通りです。
日にち | 午前の部 | 午後の部 | 参加校 | 参加者 |
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6月2日(月) | キングフィールズGC | 千葉よみうりCC | 袖ヶ浦高校 | 3人 |
6月3日(火) | 立野クラシック・GC | ロッテ皆吉台CC | 市原緑高校 | 17人 |
6月5日(木) | 浜野ゴルフクラブ | 鶴舞カントリー倶楽部 | 市原高校 一宮商業高校 | 12人 |
6月5日に行われた鶴舞カントリー倶楽部での見学ツアーを取材出来たのですが、12名の生徒は皆真剣にショット練習、パッティング練習、1ホールのラウンド実技に取り組んでいました。初体験の生徒がほとんどですが、多くのお客様がゴルフ場とふれるその重要な側面を、この体験を通じ感じ取られた様に思います。
2025年の今年、市原高校出身者4名が鶴舞CCへ就職していますが、その内男子女子それぞれ1名の方にお話を伺う事が出来ました。入社後は覚える内容が多く大変だと思うものの、社員研修とは異なる現実に対し、細かくメモを取り覚えている、とは男性・岡野さんでした。
その岡野さんは、昨年ゴルフ場を見学した際、社員の方がお客様と楽しく会話している場面をみて、入社を決意された様です。フレンドリーな職場の雰囲気が、とても良かった様です。女性の阿部さんは将来想定している結婚などへ向けて、資金計画を立てやすく大変魅力に感じています。
市原高校の来春卒業予定者の後輩へ向け岡野さんと阿部さんは、「今から面接などの準備を行い、力を発揮出来そうな職場を見つけて欲しい」、とエールを送っていました。