大利根カントリークラブ(茨城県)を経営する株式会社大利根カントリー倶楽部が、2025年6月30日第67期有価証券報告書を公表しました。概要は下記の通りです。
回次 | 第65期 | 第66期 | 第67期 |
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売上高 | 1,319,070千円 | 1,439,032千円 | 1,643,914千円 |
経常利益又は経常損失 | 24,843千円 | 72,337千円 | △ 39,925千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 22,418千円 | 72,550千円 | △ 42,738千円 |
此れまでに無い売上高を計上した第67期ですが、その売り上げを支えている総来場者数は年間56,709名でした。第66期に比べ731名が減少したのですが、その内訳は会員が26,838名で991名の減少、ゲストが29,871名で260名の増加でした。
前期より来場者が減少したにも関わらず売上高が良かったのは、コンペの増加などにより客単価の高いゲストが増加した事により、例えばグリーンフィ収入が15,275千円、キャディ料収入が17,898千円、食堂売上が12,607千円それぞれ増収になったのが、大きな要因だったとしています。
しかしながら昨今の物価高騰から、人件費、コース整備業務委託費、肥料薬品費、機械工具費、電力燃料費、修繕費等などが増加すると共に、更に大型設備投資を行った為、終わってみれば経常及び純利益ともにマイナスになったとしています。
当該クラブは会員の同伴或いは紹介無くしてゲストがプレーする事は出来ませんが、会員の高齢化による2年連続での来場者数減少は大きなリスク要因になっています。この様な中、クラブ活性化の基礎とも言える会員入れ替えは、年間60~70名ほど行われており下支えになっています。
当該クラブでは第68期の目標として、年間来場者数を59,300名へ設定しています。この為に様々な会員ゲスト優遇策を11点ほど練っており、その効果がどの様に今期数字として反映されるのか注目されます。
筑波カントリークラブ(茨城県)を経営する株式会社筑波ゴルフコースは、2025年6月27日に第69期有価証券報告書を公表致しました。その概要は、下記の通りです。
回次 | 第67期 | 第68期 | 第69期 |
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売上高 | 774,549千円 | 798,996千円 | 819,312千円 |
経常利益又は経常損失 | 5,179千円 | 28,652千円 | △ 2,835千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 367千円 | 8,905千円 | △ 2,368千円 |
第69期は4期ぶりに赤字決算になりましたが、売上は此れまでに無い金額を計上しています。売り上げの基になる来場者数は、会員が22,835名にて前期比498名の減少、ゲストは14,145名にて同様に前期比125名が減少しています。
結果として前期比623名が減少し、36,980名になりました。マイナス1.7%の減少です。しかしながら客単価の高いゲストの来場が増えた事と、5人乗り乗用カート利用料やプロのレッスンフィ増加、これらが大きく影響し売り上げは、これまでにない数字になっています。
かつてない売り上げを出せた反面、営業費用が7.4%かさんだ為、経常及び純利益ともにマイナスになりました。営業費用の主な内訳は、人件費が6.3%、減価償却費が6,514千円、コース管理費が13,983千円それぞれ増加しています。
当該クラブは低価格化ゴルフ場との差別化、つまり価格競争に巻き込まれない営業方針で臨んでいますが、第69期の赤字対策について報告書は多くを語っていません。今後も従来通りの方針に変更無く、運営されて行くのだと思われますが、今期どの様な結果を出せるのか注目されます。
大洗ゴルフ倶楽部を経営する株式会社水戸カンツリー倶楽部は、2025年6月27日に第73期有価証券報告書を公表しました。その概要は下記の通りです。
回次 | 第71期 | 第72期 | 第73期 |
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売上高 | 779,292千円 | 819,526千円 | 876,755千円 |
経常利益又は経常損失 | 15,111千円 | 5,340千円 | 22,915千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 14,488千円 | 4,398千円 | 23,414千円 |
4期連続での黒字になったとの事ですが、来場者は36,815名から35,215名へと1600名減少しています。来場者の内訳は会員17,273名、ビジター17,942名です。
来場者が減少しているにも関わらず経常が好調な要因を、季節優待制度を廃止した関係からビジターフィが上昇、更にはキャディフィの上昇などが結果として客単価上昇となり、好決算に反映されたとしています。
当該クラブの営業方針としては、他コースとの価格競争に巻き込まれる事無く、日本屈指の難コースであるという特色と優位性を強調し、プレー価格を維持して行く点を挙げています。そう言う意味では、プロトーナメント誘致であったりプロテストの試合会場に選定される、これらが重要な要素になって来るとしています。
当該クラブがおかれた特殊性を良く理解した営業戦略と言えますが、今期へも引き続き期待がかかります。
埼玉県の飯能ゴルフクラブを経営する株式会社飯能ゴルフ倶楽部の第67期決算が、2025年6月25日に公表されました。比較する為、前2期分を含めた概要は、下記の通りです。
回次 | 第65期 | 第66期 | 第67期 |
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売上高(千円) | 621,411 | 684,151 | 679,547 |
経常利益又は経常損失(千円) | 63,714 | 42,420 | 2,786 |
当期純利益又は当期純損失(千円) | 40,024 | 31,076 | 800 |
67期売り上げは、66期及び65期と比較し大きな遜が無いものの、純利益は80万円と大きく落ち込みました。これは新たに4名の人員を増やした事に伴う経費が、大きくかさんだ為だとしています。
また最終損益は営業外収益である会員権の名義書換料に依存しており、この収入が落ち込んだ時、業績へも大きな影響をもたらす可能性が有る、この様な事業リスクが内在している事を、かねてより有価証券報告書は警告しています。
この事業リスクを具体的に見るならば、66期は65期より38,500千円、67期は66期より4,900千円名義書換料が減少しています。この傾向に対し当該クラブでは、入会のハードルを下げる訳にはいかないとしています。至極まっとうな話だとは思うものの、であるならば抜本的な対策が、急務の様にも思われます。
なおコースはベントとバミューダの2グリーンであり、有限会社G-Westがコース管理を行い、会員及びゲストより高い評価を受けているとの事です。
千葉県の千葉カントリークラブを経営する株式会社千葉カントリー倶楽部は、2025年6月20日に第72期有価証券報告書を公表しました。過去3期に渡る概要は、下記の通りです。
回次 | 第70期 | 第71期 | 第72期 |
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営業収益 | 2,263,275(千円) | 2,241,296(千円) | 2,286,443(千円) |
経常損益 | 47,301(千円) | 94,329(千円) | 32,576(千円) |
当期純損失 | 13,499(千円) | 38,216(千円) | 13,738(千円) |
今期営業収益は71期、70期と比較し遜色なく、大きな波風が無かった事が分ります。しかし当該企業は事業リスクとして5点を挙げる中、特に借地契約や借地料の変更、更にはキャディの人材確保如何によっては集客数を減らさざるを得ない状況であり、業績に影響を与える可能性が有るとしています。
なお当該企業には労働組合が組織されていますが、先鋭化された労働運動やイデオロギー色の強い政治活動などの一翼を担う組織体では無く、従業員の権利擁護を主目的としたもので、安定した労使関係が維持されています。ちなみに千葉カントリー倶楽部従業員労働組合は各コース従業員や、梅郷コースキャディなど58名にて組織されています。
また上記労組の他当該企業には、全労連全国一般労働組合千葉カントリィ支部があり、この支部は梅郷コースキャディ4名にて組織されています。以上2組織の労働組合が有ります。
売上の重要な一部を占めるゴルフ会員権の名義変更登録料ですが、71期では375,000千円を計上するも72期は314,100千円となり約60,000千円が減少しています。これは名義書換料の改定が72期目に有った事から、71期での駆け込み需要からもたらされた反動だと言え、73期では従来通りの動きへ収斂して行くものと思われます。
市原市では2025年6月2日(月)、3日(火)、5日(木)の3日間に渡り、選出された市内ゴルフ場の職場を市内高校生へ紹介すると共に、高校生がゴルフ体験をする恒例の『職場見学バスツアー』を開催しました。見学したゴルフ場は6コース、参加者は4高校32名でした。
市と商工会議所の共催により今年8回目の開催となりましたが、詳細は下記の通りです。
日にち | 午前の部 | 午後の部 | 参加校 | 参加者 |
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6月2日(月) | キングフィールズGC | 千葉よみうりCC | 袖ヶ浦高校 | 3人 |
6月3日(火) | 立野クラシック・GC | ロッテ皆吉台CC | 市原緑高校 | 17人 |
6月5日(木) | 浜野ゴルフクラブ | 鶴舞カントリー倶楽部 | 市原高校 一宮商業高校 | 12人 |
6月5日に行われた鶴舞カントリー倶楽部での見学ツアーを取材出来たのですが、12名の生徒は皆真剣にショット練習、パッティング練習、1ホールのラウンド実技に取り組んでいました。初体験の生徒がほとんどですが、多くのお客様がゴルフ場とふれるその重要な側面を、この体験を通じ感じ取られた様に思います。
2025年の今年、市原高校出身者4名が鶴舞CCへ就職していますが、その内男子女子それぞれ1名の方にお話を伺う事が出来ました。入社後は覚える内容が多く大変だと思うものの、社員研修とは異なる現実に対し、細かくメモを取り覚えている、とは男性・岡野さんでした。
その岡野さんは、昨年ゴルフ場を見学した際、社員の方がお客様と楽しく会話している場面をみて、入社を決意された様です。フレンドリーな職場の雰囲気が、とても良かった様です。女性の阿部さんは将来想定している結婚などへ向けて、資金計画を立てやすく大変魅力に感じています。
市原高校の来春卒業予定者の後輩へ向け岡野さんと阿部さんは、「今から面接などの準備を行い、力を発揮出来そうな職場を見つけて欲しい」、とエールを送っていました。
『僕は2025トヨタジュニアゴルフワールドカップでビッグスター』になる。この様に記者会見で開口一番、壮大な思いを語ってくれたのは、勇志国際高等学校1年の長﨑大星(ながさき たいせい)君でした。
梅雨空を吹き飛ばす様、会場は大きな笑いに包まれ、あどけない15歳の顔からは想像出来ない長﨑君の発言は、単なるビッグマウスとは言えない過去の実績をひっさげてのものであり、頼もしさを大いに感じさてくれました。
今年日本男子の代表者は、長﨑大星君の他、大星君の兄である日章学園高等学校3年の長﨑煌心(ながさき こうしん)君と福井工業大学附属福井高等学校2年の松山茉生(まつやま まお)君です。
女子はこの6月10日都内会場の会見に出席出来なかったものの、ビデオレターで思いを語ってくれており、それは大阪桐蔭高等学校2年の岩永杏奈(いわなが あんな)さん、共立女子第2高等学校3年の新地真美夏(しんち まみか)さん、ルネサンス高等学校3年の長澤愛羅(ながさわ あいら)さんでした。
昨年の2024年大会は、男子が韓国、女子がアメリカとそれぞれ優勝し、日本は男女ともに3位でした。会場は愛知県豊田市の中京ゴルフ倶楽部石野コースになりますが、男子は12チーム、女子は9チームが団体戦を戦うのですが、その号砲は6月23日(火)になります。日本のみならず世界のゴルフ界を将来背負うだろう、と思われる選手たちの胎動が此処に有ります。
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は、2025年5月29日都内会場にて第13回定時総会を開催し、2024年4月1日から2025年3月31日までの事業報告を行うと共に、新たな理事・監事選任を行いました。
今回新たに理事3名が選任されましたが、理事長についても2期4年を務めた高桑耐氏に代わり、手塚寛氏が新たな理事長へ就任する事になりました。手塚氏は体調不良を理由に、理事長職を高桑氏へ交代したという経緯がある訳ですが、完全回復とは至らない中で再登板へかける意気込みを伺う事が出来ました。
手塚氏は開口一番「やり残した事が多い」との思いが強くなった、この点が再度理事長就任への動機としています。人材確保やDX化などなど課題は山積しており、重要性を鑑み可能性のある分野から、一つ一つ手掛けて行きたいとしています。
ゴルフ業界は全ての団体が、一方向を向いて進むというのが難しい様に思えるものの、ことゴルフ場に関して言えば固定費削減と言う課題は共通しており、先駆けて情報発信して行きたいとしています。またこれまで当協会が培って来た外国人材の確保については、今年量的拡大を図っていくとのこと。
完全なる体調とは言えない中、手塚理事長に笑顔が戻って来ており、今後の活躍に期待がかかります。
埼玉県の石坂ゴルフ倶楽部を経営する石坂ゴルフ倶楽部株式会社の新社長へ、2025年2月16日に竹中純一氏が就任いたしました。
同日開催された株主総会及び取締役会での決定ですが、森敏朗前社長(現顧問)の後任として常務取締役からの内部昇格人事でした。
同氏はさかのぼる事30年ほど前、当該ゴルフ場が開場する数ヶ月前にコース管理者として入社し、グリーンキーパーを経て取締役コース管理部長、その後常務取締役へ就任していました。
当該ゴルフ場経営会社は2002年7月9日、東京地裁へ法的整理を申請し、幾多の困難を乗り越え今日に至っていますが、竹中社長は当該ゴルフ場の誕生から今日までを、つぶさに見て来た生き証人でも有ります。森前社長が再建の道筋をつける過程で、後継者として構想に上がっていた人物の一人が、竹中社長なのだと思われますが、ある意味森前社長の秘蔵っ子とも言えます。
竹中社長は現在の課題を、1、キャディー確保策 2、キャンセル対策 3、酷暑対策などなど主だった点を挙げていますが、その他にも課題は山積しているとしています。特にキャディー確保策は困難を極めており、毎年三桁近い学校へ案内を出す中、今年は2名を新卒採用出来たとの事。
ますますマンパワーに頼れなくなっている環境下に於いても、会員及びゲストへのホスピタリティーを充実させていく重要性と共に、この目的達成の為にはデジタル化を取り入れ融合させて行く事が、ゴルフ場進化の分かれ道になると竹中社長は考えています。
将来へ向けた難しい分岐点にゴルフ場は置かれていると分析する竹中社長ですが、過去の成功体験に縛られず如何に新しいゴルフ場像を描けるのか、新社長の手腕に期待がかかります。
栃木県の大倉カントリー倶楽部では、2025年7月31日をもって閉鎖する事を、自社のWebサイトで5月8日に公表しました。
約600名の在籍会員へは、2025年3月頃より書面で閉場に関する案内をしていたとの事ですが、その大半は千葉県の大千葉カントリー倶楽部へ転籍するとしています。
跡地利用に関し現状では明らかにされておらず、また当該ゴルフ場関係者も知らされていないとしています。