8年にも渡るゴルフスタジアム事件、その根幹を形成した被害者約600人とクレジット・リース会社との8裁判は、最後ともなった2025年3月のジャックス判決をもって終結したのですが、被害者達の戦いはこれで幕を下ろす事は有りませんでした。
以降被害者達の戦いは、旧ゴルフスタジアム社(旧GS社)の役員及び事件の中心的役割を担ったかつての社員への責任賠償請求として、東京地裁を舞台に開始されていたのです。
新たなステージでの戦いは被害者有利に展開しており、概ね被害者の請求を裁判所が認める形になっています。
しかしながら旧GS社代表者個人は、裁判所の判決を軽視するかの如く、誠意が見られない対応に終始しています。例えば個人の住まいとしての届出住所には、全く無関係な第三者が既に居住しており、郵便物は現在の住まいと推察される住所へ、転送と言う手続きにより送られていたのです。
被害者の追及をあざ笑うかの様な旧GS社代表者個人の行いに対し、被害者の代表者が2025年6月に入り水戸地裁へ、旧GS社代表者個人の「破産」申請をおこなっていました。そして遂に9月5日、同地裁より開始決定が下りたのです。隠匿財産を炙り出し逃げ得を許さないぞ、と言う被害者達の魂の叫びが聞こえて来そうでした。
アコーディアゴルフの東千葉カントリークラブでは2025年10月1日より、洗練された『GRANDシリーズ』ブランドとして昇華される事になりました。
これは当該クラブが2025年8月中旬に会員へ、書面をもって一斉送信した事により明らかになりました。『GRANDシリーズ』とは書面から一部引用するならば、「日本のゴルフを、もっと上質に。日本を代表する威厳と品位を兼ね備えたハイグレードなゴルフ場」と言う内容になります。
この内容を満たす為に当該クラブでは、①エントランスロビー ②ロッカールーム等の改修 ③年間を通じグリーン及びターフコンディションを維持 ④東コースカート道路の改修 ⑤バンカー整備などを行って行くとしています。
意地悪な言い方をするならば、此れまで当該クラブではこの様なメンテナンスを怠って来たと言えなくも無いのですが、それが旧アコーディアゴルフの基本方針だったからかも知れません。この動きは、今後アコーディアゴルフ内で急速に進んで行くものと思われます。
アコーディアゴルフではグループ内の選別と差別化を進めて行く事で、より収益性の高いゴルフ場を確保して行こうとしている訳ですが、これは既に姉妹グループであるPGMにより『GRAND PGM』として実証済みだとも言えます。なおこの動きは、会員権相場に如実に反映されて行くものと思われます。
千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブが2025年10月1日より、「習志野カントリークラブ」へ名称変更します。
当該ゴルフ場は1960年11月3日に開場しましたが、旧・日東興業株式会社の経営によりその名称は習志野カントリークラブでした。2019年3月1日に当時の社長だった田代祐子氏のもと、現在の呼称へ変更されました。
PGA TOURが当該ゴルフ場で開催されると言う事から、アコーディアと言う名称を広く知らしめたい、その様な思い或いは思惑からの発想だった訳ですが、今回原点回帰と言う意味合いから再度変更する事になりました。
現名称は長くそして一般ゴルファーにとって言いずらく、広く流布されている「習志野カントリークラブ」と言う名称が、訴求性が高く広く浸透しているのが現実です。
栃木県の那須伊王野カントリークラブは2025年12月31日をもって閉場するとして、2025年8月1日に当該ゴルフ場のWebサイトにて公表しました。
既に当該クラブ会員へは、2025年7月に入り書面で告知しており、会員が有する預託金については、全額返金するとしています。またプレーの継続を望む方には、近隣のゴルフクラブへの移籍を案内しているとの事です。
閉場後も当分の間、残務整理やコース巡回などを常駐管理人が行うとしていますが、具体的な跡地利用について噂は有るものの、現時点で明確な計画を公表出来る段階では無いとしています。
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2025年08月28日当該ゴルフ場ご担当者へ取材する過程で、❶預託金の返還 ❷近隣ゴルフ場への移籍などは、確定事項では無いとの事から、上記文章の一部を削除させて頂きます。
2025年08月29日08時40分
一社)日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は2025年8月中旬に入り、2025年5月度単月に於ける全国のゴルフ場利用者数実態を公表しました。その資料によれば、対前年比87,561人が減少しています。
NGKでは、各都道府県の税担当者から寄せられた数値を基に資料作成している関係から、公表された資料はゴルファーの動向把握に不可欠なものであり、貴重な一次資料になっています。マイナスとなった都道府県は下記の通りです。
■ 都道府県 ゴルフ場数 対前年5月度単月比
1 青 森 13(∓0) -109人
2 岩 手 23(∓0) -5,658人
3 宮 城 36(-1) -4,949人
4 秋 田 15(∓0) -2,481人
5 山 形 16(∓0) -2,807人
6 福 島 36(∓0) -2,167人
7 栃 木 115(-2) -6,124人
8 群 馬 67(∓0) -6,307人
9 埼 玉 83(∓0) -9,699人
10 千葉 158(-2) -11,048人
11 東京 21(∓0) -2,638人
12 神奈川 52(∓0) -9,597人
13 新潟 40(-1) -3,668人
14 山梨 41(∓0) -1,579人
15 長野 66(+1) -4,614人
16 静岡 90(-1) -6,006人
17 愛知 55(∓0) -4,088人
18 三重 67(∓0) -4,671人
19 大阪 39(∓0) -260人
20 奈良 35(∓0) -1,476人
21 和歌山 19(∓0) -310人
22 島根 7(∓0) -677人
23 山口 32(-1) -4,554人
24 徳島 14(∓0) -251人
25 福岡 58(∓0) -3,563人
26 佐賀 24(∓0) -498人
27 長崎 23(∓0) -2,735人
28 熊本 41(∓0) -4,917人
29 大分 23(∓0) -5,534人
30 宮崎 27(∓0) -4,453人
31 鹿児島 27(∓0) -6,901人
単純に減少人数のみを数えるならば124,088人ですが、16の他県で増えていますので、結果として冒頭の減少数になります。ちなみに2024年5月度の総利用者数は8,656,421人であったのに対し、2025年5月度は8,568,860人でした。
なおゴルフ場数は、5月時点で8コースが減少しています。
茨城県の霞南ゴルフ倶楽部を経営する株式会社霞南ゴルフ倶楽部は、2025年8月中旬に入り、9月1日より経営会社の名称を株式会社利根へ変更するとして、多くのゴルフ関係者へ公表しました。
謄本上から確認出来る商号変更は、下記の通りです。
■ 2022年1月14日 (株)サンクチュアリ霞南→(株)霞南ゴルフ倶楽部
■ 2025年7月11日 株式会社利根
謄本では既に変更されている訳ですが、当該ゴルフ場からすれば、対外的には9月1日からその様に変更して行く、と理解するのが適当なのだと思います。なお代表者は下記の様に変更されています。(敬称略)
■ 宮原 正敬 2022年1月14日辞任
■ 森 秀雄 2022年1月14日就任 → 2025年7月11日辞任
■ 松丸 容子 2025年7月11日就任
茨城県の霞南ゴルフ倶楽部は2025年9月1日より、クラブ名称を「利根ゴルフ倶楽部」へ変更します。当該ゴルフ場は経営会社の不安定さから、度々ゴルフ場名称を変更して来ましたが、その流れは下記の通りです。
■ 1988年09月27日 利根ゴルフ倶楽部として開場
■ 2006年07月01日 霞南ゴルフ倶楽部
■ 2013年12月25日 サンクチャリ霞南ゴルフ倶楽部
■ 2022年01月15日 霞南ゴルフ倶楽部
■ 2025年09月01日 利根ゴルフ倶楽部
西山ホールディングスが2022年1月14日、当該ゴルフ場を経営していた株式会社サンクチャリ霞南の全株式を取得し、約3年半が経過しました。コース管理からハウスなど、様々な設備投資を行って来ており、ある意味体制が整って来ました。
クラブ名称変更は、最後の仕上げとも言えます。
千葉県の中山カントリークラブを経営している株式会社中山カントリークラブでは2025年7月30日、第64期有価証券報告書を公表しました。その報告書に記載されている企業業績の概略は、下記の通りです。
回次 | 第61期 | 第62期 | 第63期 | 第64期 |
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売上高(千円) | 757,035 | 815,998 | 775,957 | 835,622 |
経常利益(千円) | 162,267 | 144,828 | 106,964 | 156,535 |
当期純利益(千円) | 108,884 | 102,499 | 70,484 | 105,776 |
売上高は過去5期を通じ最高の数字をたたき出しており、経常は近年では第61期に次ぐ内容になっています。当然、純利益も第61期に準ずる内容です。この様な好業績の背景は、どの様なものなのでしょうか。
この点について決算書は、酷暑と言う悪影響は否めなかったものの、それでも営業日を2日伸ばす事ができ352日になりました。来場者数は対前年度比831名増え46,374名になったとの事。この資料を基に計算するならば、一日平均132名、33組が万遍無く来場しています。
しかしながら近年特に顕著な資材やエネルギーコストの上昇は、経営を圧迫しており大きなリスク要因になっています。この様な中、コースコンディションの維持向上、施設の維持改善、サービスの更なる向上、従業員の雇用維持、これらの課題を達成して行く事で対応して行くとしています。
株式会社アコーディア・ゴルフでは2025年7月中旬に全172コースへ、「Cool Cart」を導入しました。「Cool Cart」は既にPGMグループが導入済みですが、乗用カートへ送風機を取り付けたカートになります。
人感センサーによる自動部分も有りますが、風向風量などは個人で調節可能になっており、プレーヤーからは大変好評との事です。「Cool Cart」台数に制限があるコースもある為、Webサイトからの事前予約も可能です。
利用にあたっては別途料金が発生しますが、プレーヤーへの強制では無くあくまでも任意になっており、利用しない事も選択肢に入っています。
酷暑のラウンドを如何に快適に過ごすかと言う課題は、かねてから多くのゴルフ場で取り組まれていますが、今は無き静岡県の南富士カントリークラブでは2012年の夏頃より、ミストがカートの四隅から噴き出すものを導入していた事が、思い出されます。
2025年7月3日和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請した国木原ゴルフ倶楽部を経営する国木原開発株式会社(代表:木内栄一)のスポンサーについて、2025年7月17日に開催された債権者集会にて、申請代理人の栁井健夫弁護士より明らかにされました。
今回の法的整理はプレパッケージ型ですので、地裁への申請前にデューデリなど一連の作業を済ませ名乗りを上げたのは、韓国の株式会社GADスポーツです。日本法人は無いとの事ですが、日本の女子プロゴルフ界で活躍した韓国選手のマネジメントなども手掛けた実績があり、日本とはなじみ深い様です。
GADスポーツ社は再建の大きな足掛かりをインバウンドにおいており、韓国からの誘客に力を入れたいとしており、実際、韓国から和歌山県の南紀白浜空港へは、過去チャーター便の直接的乗り入れも行われています。この辺の交通アクセスの整備が必要では有るものの、集客を伸ばすには大きな要素だと言えます。
伸びしろの大きさを感じさせる当該ゴルフ場ですが、木内社長の在任中に再建のビジネスモデルを描けるのか、期待がかかります。