矢板カントリークラブ(栃木県)を経営する矢板カントリークラブ株式会社は、2022年4月27日これまでの神田成二氏に代わり、新たに須山光男、須山裕史両氏が代表取締役へ就任しました。
此れは株主構成が変更になった事に伴う、経営母体の交代とも言えます。新たな経営母体は、栃木県宇都宮市でLPガス販売や太陽光発電事業を手掛ける、株式会社須山液化ガスを中心にした同グループです。
此れまで同ゴルフ場の経営母体は、ミヤ興業株式会社からユニマットグループへ、そして冠婚葬祭業を主軸としたむさしのコンサルティンググループへと移り変わり、今回4度目の交代と成りました。ミヤ興業からユニマットグループへ移行したのが2006年1月でしたので、それ以降この16年間で3度交代した事になります。
度重なる交代の主要因は、経営の厳しさに有るとも一説には言われており、地元の有力企業がバックボーンと成った今回、地域密着型の営業手腕に期待する声は大きいものが有ります。関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
矢板カントリークラブは2010年6月1日に経営交代する
茨城県の霞南ゴルフ倶楽部は2022年1月14日、此れ迄の単独企業から西山グループ一員と成りました。前経営会社である株式会社サンクチュアリ霞南の全株式を、西山グループが同日取得する事で、経営交代が行われたのです。
今回のこのM&Aに仲介者は無く、当事者同士の話し合いにより得られた結論ですが、大きな特徴は当事者同士がテーブルについたその期間が、1ヶ月と短期間だった点です。2021年12月14日開始、翌年の1月14日には株式会社霞南ゴルフ倶楽部への商号変更と共に、西山グループの森秀雄氏が同社の代表取締役へ就任しています。
この動きに合わせ当該倶楽部に於ける、新旧交代の人事異動が有りました。新支配人へはニッソーCC支配人だった松本謙三氏を、新キーパーへは大宮国際CCでサブキーパーでした佐藤陽一氏がそれぞれ就任しています。
当該倶楽部の新社長である森氏によれば此れ迄の4年間、全く更新作業を行ってこなかったコースを、クオリティの高い魅力的な18ホールへ仕上げて行く必要がある、この事により在籍している約750名の会員へ、高い満足度を提供して行く事から始めたいとしています。
なお当該倶楽部と姉妹コースのニッソーCCは、その往来に片道30分程度な事から、コース管理機材のやりくりはシナジー効果が得られ、同じ作業をする機材を重複所有しなければならない、その様なケースを少なく出来るのでは無いかと考えています。
いずれにしてもこの度のM&Aは、西山グループにとって効果的な買収劇だったのでは無いかと思われますが、その金額に付いては非公開としています。
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利根ゴルフ倶楽部は破産手続き終了
2022年2月10日株式会社西武ホールディングスは、同グループの株式会社プリンスホテルが保有するホテル・レジャー事業の一部を、GIC Private Limited(以下GIC)が出資する複数の合同会社へ譲渡するとして、GICの関係会社であるReco Pine Private Limitedと本基本協定書を締結した事を公表しました。
資産譲渡日は2022年9月を予定しておりますが、これにより約800億円の利益を計上する見込みです。ところでこの譲渡後、運営は西武グループの株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが受託しますので、表面上は変化が無いものと思われます。
資産譲渡対象は31物件ですが、その中のゴルフ場は下記の通りです。
1、竜王ゴルフコース
2、大原・御宿ゴルフコース
3、北海道カントリークラブ
4、嬬恋高原ゴルフ場
5、日南串間ゴルフコース
6、富良野ゴルフコース
7、岩手沼宮内カントリークラブ
8、女満別ゴルフコース
9、上士幌ゴルフ場
10、雫石ゴルフ場
この度の資産譲渡は、2021年5月13日に策定された「中期経営計画」に基づくものですが、基本的な骨子は危機に対し強固な財務・事業体質を構築する為のものです。これはアフターコロナ社会での成長戦略を、同グループが描く上での再編と成っています。
ある意味それほどCOVID_19の影響、被害を同グループの主にホテル業が受けたとも言えますが、直接的な感染症被害によって引き起こされたダメージでは無い点が特徴です。
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プリンスホテル系全国27コースが臨時休業
何時実施されるのかと注目されていました、ソフトバンクグループのフォートレスによるアコーディア・ネクスト(以下ANX)グループ買収が、2022年1月31日終了したとして、株式会社アコーディア・ゴルフが広報を通じ明らかにしました。
ANXグループは、1都1道2府32県に169のゴルフ場と27練習場を、保有・運営しています。このANXグループ株式をフォートレスは、投資ファンドのMBKパートナーズより、取得した事になります。その取得額は、約4,000億円とも言われています。
破格の取得金額に対し、短期間例えば5年から10年程度での資金回収を考慮するならば、単にゴルフ場経営の延長に未来を描く事は難しく、一部他の業態への転換とそしてその成功実績をもって、株式の再上場以外は想定出来ないと言えます。
ソフトバンクグループの動向は、今後も大いに注目して行く必要があります。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
アコーディアはソフトバンクグループのフォートレスへ
MBKパートナーズはアコーディア・ネクスト売却へ向け入札
栃木県のサンレイクカントリークラブを経営しているサンレイク株式会社は、2021年12月2日新たな経営体制へ移行した事が分かる株主構成と成りました。
同社は2002年4月に民事再生法の適用を申請し、同年12月には新経営体制へ移行したのですが、当時当該ゴルフ場の再建に名乗りを上げたのは、会員でもあった病院経営者の原中勝征氏でした。同氏は後に、第18代日本医師会会長へ就任された事から、その存在感は際立っていました。
しかしながら病気を治癒する医師業とゴルフ場経営は、必ずしもリンクしなかった様で、傷口を塞ぐどころか、更なる原中氏の自己犠牲無くして、経営は立ち行かなくなっていったのです。周辺のゴルフ場がビジターの客単価を下げ集客に走る中、当該ゴルフ場は頑なに値下げ作戦を実行する事は有りませんでした。
この様な窮状を察してか、2020年初秋頃には様々な買収案件が原中氏へ持ち込まれ、この度ついにソフトランディングに成功したのです。この件に関する出資者は株式会社タカラクリエイト(長野県:代表取締役社長_上村康治)、運営は株式会社ザナショナルカントリー倶楽部(東京都:代表取締役社長_守谷牧)が行います。
疲弊した当該ゴルフ場をどの様に再生して行くのか、多くのゴルフ場を再建して来た実績を持つ守谷社長の手腕に、全てがかかっている事業です。なお既に守谷氏の片腕とも言える山本暢氏が、総支配人として着任しています。
岐阜県の関ヶ原カントリークラブは2021年11月29日、岐阜地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令及び監督命令を受けました。事件番号は「令和3年(再)第3号」。
申請代理人は東京丸の内法律事務所(千代田区丸の内_TEL03-3213-1095)の石井健(ケン)弁護士、会員債権者は約1,500名、全体的には1,800口ほどに成るのでは無いかと推測されており、その負債額は約40億円に上ります。
今回法的整理へ至った大きな要素は、当該ゴルフ場の業績悪化と、会員からの預託金返還請求の増加が上げられます。今後は自主再建を断念し、大垣共立銀行の親密企業である正和商事株式会社をスポンサーとして、再建を目指します。
当該クラブは(権利能力なき社団)と言う特殊な任意団体の為、2022年中ごろに新会社を設立し、当該ゴルフ事業を承継させて行く予定との事。既に12月2日午前と午後の2回に渡り、同県内の不二羽島文化センターにて、債権者説明会が開催されています。スポンサーの概要は、下記の通り。
創業 |
1937年6月 |
資本金 |
1,000万円 |
株主 |
大垣共立銀行、日本生命、OKBキャピタル、第一生命など |
事業内容 |
損害保険代理業務、生命保険募集業務、飲食事業など |
本社 |
大垣市郭町2-25 Kix中央ビル7F |
TEL 0584-78-6433 / FAX 0584-78-6436 |
香川県の高松グランドカントリークラブを経営しております高松グランドカントリー株式会社は、2021年11月24日高松地裁へ民事再生法の適用を申請し、11月30日同地裁より再生手続開始決定を受けました。
帝国データバンクによれば負債は約46億8,000万円、その内会員の預託金が43億900万円との事です。申請代理人の籠池宗平弁護士が所属する籠池法律事務所(丸亀市_TEL0877-23-2620)によれば、11月28日既に高松市内で債権者説明会を開催済みとしております。
また同事務所によれば今後の方針として、自主再建を目指しているとの事です。更に高松地裁は2022年4月7日を期限とした再生計画案の提出を求めている為、早期に決着される様に予想されますが、すべては債務の大半を占めている会員の動向によるものと思われます。
- 令和3年(再)第1号 再生手続開始申立事件
- 香川県木田郡三木町大字朝倉2227番地3
- 再生債務者 高松グランドカントリー株式会社
- 代表者代表取締役 豊永 優
- 監督委員 滝口耕司弁護士(高松市寿町1-2-5_滝口・上枝法律事務所/087-821-7801)
株式会社アコーディア・ゴルフは2021年11月16日に広報を通じ、持ち株会社の株主がMBKパートナーズより、フォートレス・インベストメント・グループLLC(以下フォートレス)へ、交代する事を明らかにしました。
本件の株式譲渡は今後数ヶ月以内に実行される予定としており、以降ソフトバンクグループ株式会社の子会社であるフォートレスが、新たな親会社としてアコーディア・ネクストゴルフグループの舵取りを行うものと思われます。又同社はこの事によって会社名やブランド名などが、変更になる事は無いとしています。
ちなみにフォートレスは米国ニューヨークに本社を置き、2021年6月30日時点で約539億米ドルの運用資産を有すると共に、2002年以降全世界の不動産及び不動産関連企業へ、総額約1,000億米ドル以上を投資しているとしています。
フォートレス台風が日本のゴルフ市場へ、今後どの様な風を吹かせるのか大いに注目されます。
なお関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
MBKパートナーズはアコーディア・ネクスト売却へ向け入札
福島県の猫魔ホテル猪苗代ゴルフコースを経営している猫魔ホテル猪苗代ゴルフコース株式会社は、2021年9月1日に株主がリベレステ株式会社から株式会社ミナミ・エンタープライズへ交代したと、この度明らかにしました。
当該ゴルフ場経営会社の株式を、100%取得した法人の概要は、下記の通りです。
会社名 |
株式会社 ミナミ・エンタープライズ |
本社所在地 |
〒963-8045 福島県郡山市新屋敷二丁目136番地 |
設立 |
1982年6月 |
資本金 |
1,000万円 |
代表者 |
吉原 純浩 |
売上高 |
318億円(2016年度) |
従業員数 |
297名 |
事業内容 |
パチンコホール、フットサルコート、飲食店、貸会議室 |
同社はMAXの屋号で、福島、栃木、茨城を中心にパチンコホールを展開していますが、同社のWEBサイトでは「顧客満足度、従業員満足度がMAXなグッドカンパニーを目指す」としています。今後同社が当該ゴルフ場へ、どの様な取り組みをしていくのか注目されます。
金融情報配信サービスを展開している米国のブルーグバーグは2021年9月14日、投資ファンドのMBKパートナーズが、所有する傘下のアコーディア・ネクストグループの株式を、入札方式にて売却する方向で動いていると報じました。
既に今夏に第一次入札が行われ、残った3企業体で10月末の二次入札へ進むとの事。3企業体とは、1.米ブラックストーン・グループ、2.ソフトバンクグループの米フォートレス・インベストメント・グループ、3.韓国系企業が入った共同企業体です。売却額は4,000億円を超える見込みとしています。
アコーディアゴルフは昨年2020年8月、アコーディ・ゴルフ・トラストより652億円にて88コースを買い取っており、2021年8月現在の所有コース数は132になります。更にネクストゴルフが37コースを所有しておりますので、グループの合計数は169コースになります。
単純に4千億円を169で割ると、1コース当たりの単価が約24億円になります。アコーディア・ネクストグループが保有している資産は、上記ゴルフ場以外にゴルフ練習場も有りますので、あくまでも単純な概算になりますが、1コース約20億円と言う捉え方が、当たらずとも遠からずと言うところでは無いかと思われます。
2021年11月初旬には成り行きが、はっきりして来ると思われますが、果たしてどの投資家グループに軍配が上がるのでしょうか。ゴルフ業界はしばらくの間、この動きから目が離せないと思われます。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
アコーディアゴルフでは4月より望月智洋氏が社長CEOへ