田中耕太郎社長(PGM)、嶺井勝也社長(平和)、三好康之社長(アコーディア社就任予定)
株式会社平和は、2024年12月19日東京・東上野の本社会場にて、『株式会社平和 アコーディア・ゴルフの子会社化に関する説明会』を行いましたが、会見には株式会社平和・代表取締役社長の嶺井勝也氏、パシフィックゴルフマネージメント株式会社・代表取締役社長の田中耕太郎氏、株式会社アコーディア・ゴルフ代表取締役社長へ就任予定の三好康之氏の3名が登壇しました。
下記は3者の発言内容を咀嚼し、重複しない部分をまとめたものになります。
嶺井氏
アコーディア・ゴルフを傘下へ組み入れる事で大きなシナジー効果を得られる。女性を含めた若年層の開拓が、今後の課題であると共に此処に大きな伸びしろが有ると考えている。
借り入れた金額については、収益増加している現時点で負担感は無く、充分に返済可能と考えている。
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田中氏
今後もM&A等の手法でゴルフ場を取得して行くが、これ迄はアコーディア・ゴルフ社と競合するケースが多々あり、苦い思いをしたケースも有ったが、今後は双方が手を組んで対応して行けるメリットが出て来た。
またゴルフ場資材や人材についても、共有化して行ける利点が大きい。
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三好氏
グループ内の173コースの中には、例えば成田ゴルフ倶楽部の様にPGMグループのGRAND PGM同等のグレードとサービスを提供しているコースも有り、将来的には可能性としてPGMグループとの組み換えも考えられる。
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321コースと言う世界最大規模となる平和のゴルフ事業ですが、2025年1月31日巨大船の船出になります。
東証プライム上場の株式会社平和は、PJC Investments株式会社の全株式を取得し子会社化する契約を、保有会社であるPJC Investment Holdings L.P.との間で締結する事を、2024年12月18日に開催された取締役会にて決議すると共に同日実行した事を、同じく同日に広報を通じ明らかにしました。
PJC Investments株式会社は株式会社アコーディア・ゴルフの全株式を保有している事から、平和は2024年11月末現在173コースを擁するアコーディア・ゴルフを孫会社化し、傘下へ組み入れる事になります。既に平和傘下のPGMグループは、11月末時点で148コースを所有しておりますので、平和は結果的に321コースを保有しますが、これは世界でも例を見ないものです。
今回この平和の取得費用は概算5120億円になりますが、2025年1月31日にPJC Investment Holdings L.P.へ決済されます。なおこの費用全額は、三井住友銀行とみずほ銀行から期間7年間の予定で、決済日同日に借り入れる予定にしています。
平和は遊技機専業メーカーから総合レジャー企業への成長を目指し、2011年12月にPGMホールディングス株式会社を取得した訳ですが、ゴルフ市場は今日再拡大の局面にあるとの判断から、ゴルフ事業強化へ向けこの度の取得に至っています。この度の株式取得に当たっては、野村證券、SMBC日興証券、みずほ證券をアドバイザーとして、法的側面はベーカー&マッケンジー法律事務所を起用しています。
なお平和によれば、PGMとアコーディアのゴルフ場運営統合は想定せず、双方の特性を活かす方針であり、シェアを奪い合うと言う弊害は無いとの判断です。
一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)は2024年12月18日(水)、2025年シーズンツアーに『前澤杯 MAEZAWA CUP 2025』が新規大会として、加わる事を明らかにしました。概要は下記の通りです。
■ 開催日:2025年4月14日(月)~4月23日(水)_期間内で最大10日開催
■ 競 技:18ホール ストロークプレー(予定)
■ コース:MZ GOLF CLUB(千葉県長生郡睦沢町佐貫4900)
■ 予 選:2025年4月24日(木)~4月25日(金)
■ 決 勝:4月26日(土)~4月27日(日)
■ 賞 金:総額は最大4億円 / 優勝賞金は最大8,000万円
■ 主 催:むつざわゴルフパーク株式会社
■ 共 催:一般社団法人日本ゴルフツアー機構
■ 運 営:ブリヂストンスポーツ株式会社
2021年の夏から秋にかけて、旧・デイスターゴルフクラブ(千葉県)が大林組から前澤氏へ譲渡された、この様な話がM&A業界を駆け巡っていました。実際、大林組は2021年12月30日をもって、当該ゴルフ場の運営を終了していますので、以降確定的な話としてこの間定着していました。
であるならば、前澤氏によるZOZOへの置き土産であるPGA TOUR『ZOZO CHAMPIONSHIP』は、旧・デイスターGCで開催されるのでは無いかとの憶測も呼んだのですが、結果はPGA TOURとの6年契約は習志野CCで終えています。そして遂に来年、前澤氏は旧・デイスターGCをMZ GOLF CLUBと名称を変え、JGTOツアーの大会としてお披露目する事になったのです。
ところでこの試合の最大の特徴は、プロアマ戦が1日50組開催されるのですが、この参加権を1組100万円で販売される点です。前澤氏曰く、「経済がしっかりと回る大会」を目指すとしておりますが、日本ではこれまでに無い運営方式ですので、どこまで日本のゴルファーに受け入れられるのか、未知数の部分が多い大会とも言えます。
アイデアが湧き出て来る前澤氏の動きから、今後も目が離せません。
一般社団法人 日本ゴルフツアー機構(以下JGTO)は2024年12月18日(水)、2025年シーズンの試合数と日程を都内会場にて公表しました。本年3月19日の会員総会を経て、新たな体制下で船出したJGTOですが、当時諸星裕新会長はアジアを一つの市場として捉え、JGTOツアーを発展させていくとの所信を述べていました。
方や副会長職の倉本昌弘氏が当時会見で語った内容を咀嚼すると、「2024年は諸問題の整理とスポンサーとの意見交換などコミュニケーションを良く取り、試合数増加へ向けた基礎固めの年にしたい、2025年に即試合数が増加するとは見込めていない」、とのものでした。2024年の試合数は共催も含めると24試合を数えますが、2025年も同様に24試合になりました。
試合数 | 開催中止になった大会名 |
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1 | ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! |
2 | For The Players By The Players |
3 | 長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトナーメント |
4 | 横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~ |
試合数 | 新たに開催される大会名 |
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1 | 前澤杯 MAEZAWA CUP |
2 | リシャール・ミル チャリティペアマッチ&トーナメント |
3 | ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント |
4 | ISPS HANDA 秋の決戦・どこまでバーディ取れるんだトーナメント |
諸星会長は現在進行形の案件が3件位有り、場合によっては2025年中に発表出来る可能性が有るとして、JGTOツアーへ取り組もうとするスポンサーの意欲と、手ごたえを掴まれている様でした。明るい兆しが出て来たと言えます。
全米女子プロゴルフ協会(USLPGA)は2024年12月4日、競技資格に関する性別方針を明確にすると共に、その内容を『lpgaジェンダーポリシー』としてまとめ公表しました。
概要は下記の太字で表現した内容になりますが、英文での内容をグーグル翻訳を通じ表記しています。
『出生時に女性と指定された選手は、LPGAツアー、エプソンツアー、レディースヨーロピアンツアー、およびその他のすべてのエリートLPGA大会に出場出来ます。出生時に男性と指定された選手や男性思春期を経験した選手は、前述のイベントに出場出来ません。』
この内容は、性転換手術を受けた出生時男性、或いは女性を自認する出生時男性に対し、USLPGAは指定した上記試合への出場を認めない、と言うものになります。
またジェンダーポリシーを読み進めると、ゴルフは誰でも楽しめるスポーツであり、男女を問わないオープン競技では、ワールドハンディキャップシステムを基に公正公平に競争出来る、ともしています。
今回USLPGAがこの様な内容を公表した背景には、2024年夏にパリで開催されたオリンピックでのボクシング事件が有ります。この試合へはアルジェリアと台湾の元男性2選手が、女性として参戦したのですが、この2選手については2023年の世界選手権で性別適格検査で不合格になっており、オリンピック開催期間中に物議を呼びました。
様々な議論を呼んだ事件でしたが、USLPGAはパリオリンピック時の様な混乱を避ける為、いち早く基本的な方針を打ち出したものと思われます。
< 堀江喜義・執行役専務 / 西村優菜プロ / 森本真祐・代表理事 >
住友生命保険相互会社(代表執行役社長:高田幸徳)が支援する女子プロゴルファーの西村優菜プロは、試合で得られたポイントを金額などに換算し、2022年より様々な団体へ寄付活動を行って来ており、今年は3回目になります。
ポイントとは西村プロがその年に試合で獲得した優勝数やバーディ、イーグル、ホールインワンなどを対象とし、住友生命がその内容を点数化したものになります。今年西村プロは376ポイントを獲得し、換算金額を一般社団法人プロキャディ協会(代表理事:森本真祐)へ寄付する事になりました。
同協会は「プロキャディとゴルフ界に新しい価値と創造を」を指針とし、2019年に設立されています。この度の件につき森本代表理事は、「トーナメントに於けるプロへのサポートを通じ、得られた知見をアマチュアゴルファーへ還元するのが、我々に課せられた重要な活動だと考えています。寄付金はジュニア育成に活用して行く所存」、と語っています。
また西村プロ曰く、「今回の寄贈先選定に関し住友生命と一緒に考えたが、最終的に自身の意見が通った形になった、自分はジュニア時代にプロキャディからコーチを受けた事は無かったが、プロキャディのサポートを現在のジュニア達に与えられるのであれば、将来更に活躍出来るのでは無いか」、との思いを述べていました。
2024年12月13日(金)に都内会場にて行われた寄付贈呈式は、多くの報道関係者を集め静かながらも活気のあるものでした。
群馬県の群馬カントリークラブを経営する株式会社ジーエスコーポレーション(代表取締役:須田公次)は、2024年12月末をもって当該ゴルフ場を閉鎖するとして、関係者へ2024年10月10日付けの書面を発送していました。
「閉場へのご案内」と題した書面の一部を抜粋するならば、「この間長引く不景気やゴルフ人口減少、ここ数年来コロナ禍、厳しい経済環境の中、様々な誘客対策や新規会員募集など生き残りを模索し続けましたが、解消する目途が立たずゴルフ事業をこれ以上経営することに困難な状況のため今シーズンをもって閉鎖する」としています。
なおジーエスコーポレーション社は前経営会社である栄和土地開発株式会社が、約60億円の負債を抱え2010年2月東京地裁へ民事再生法の適用を申請した事から、同年6月地裁の許可を得て当該ゴルフ場を取得していました。そして約14年が経過した今日、自らの手で閉鎖の道を選ぶ事になりました。
当該ゴルフ場の関係者によれば、現時点で今後のゴルフ場用地活用方法については、未定としています。
栃木県の烏山城カントリークラブを経営する株式会社烏山城カントリークラブの代表者が、加藤智生氏より李俊(リ ジュン)氏へ2024年11月29日に交代しました。
これは経営母体会社の変更に伴うものですが、これ迄同社の株式を保有していたのは株式会社加山(代表取締役:加藤智生)でしたが、2024年11月29日に株式譲渡が行われ、現在は中国・香港株式市場へ上場している同程旅行控股有限公司です。株式銘柄名は同程旅行HD(トンチェン トラベル ホールディングス)になります。
同程旅行HD社のWebサイトによれば、交通機関の発券サービスや宿泊予約サービスを展開する事業を、行っているとの事です。今回どの様な目的で当該ゴルフ場を取得されたのか、その辺は現時点で明らかにされていません。
当該ゴルフ場関係者によれば、会員制を維持した状態は今後も継続し、会員権の名義書換を停止にする予定は無いとしています。現時点で当該クラブには個人と法人を合わせ602名、特別法人16社が在籍しています。なお徒歩1分ほどの隣接地には、142室を擁する烏山城カントリークラブホテルが有ります。
公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)は2024年12月9日、2025年度のツアートーナメントの概要を明らかにしましたが、2024年度より3試合が増え年間16試合になります。
新たに増えた試合は、下記の3試合です。
1_ユニテックスシニアオープン(賞金総額2,500万円)
2_ISPS Handa シニア・グランド・ゴールドクラシック(賞金総額3,000万円)
3_新規・10月27日からの開催で調整中(名称や賞金総額更には開場など未定)
デフレ経済の悪影響により1996年より一けた台だった試合数が、2013年には二桁台へ復調し、以降堅調な動きを見せたものの、コロナ禍の悪影響から2024年を含めた過去3年間は減少気味でした。しかし2025年度はその低迷を払拭するが如く、明神PGA会長の発表は明るいものが有りました。
更にこの傾向に拍車をかける様に、PGAの代名詞でもある「日本プロ」のスポンサー探しに、明るい兆しが見えて来たとの事です。これは元PGA倉本会長の任期後半時より、組織としての大きな懸案事項だった訳ですが、明神会長曰く「現時点では明らかに出来ないものの、しっかりとした手ごたえがある」と期待を持たせてくれました。
2025年は大転換期となるのでしょうか。
晴天に恵まれた2024年11月27日(水)、千葉県市原市立牧園小学校(坂口弘樹・校長)5年生97名を対象に、同校近くの「ちはら台公園」にて、千葉県女子ゴルフ会員8名が指導するスナッグゴルフ体験学習授業が行われました。97名は34名、33名、30名の3組に分かれ、8時20分から1組毎にプロからの指導と4ホールのチーム競技をそれぞれ約2時間かけ体験しました。
プロからはクラブの握り方、クラブを振る時は周りに人がいないかを良く見て気を付ける事、更にボールを遠くへ飛ばすのみでは無く、パッティングは短い距離のコントロールも大切などなどのレッスンを、プロ別8班に分かれ教えて頂き、その後は1組8班のチーム戦を行いました。
チーム戦では4ホールをパー16として競いましたが、各自声を出し合い、笑いあり児童同士のアドバイスあり、大変賑やかな競技となりました。競技開始に当たり市原市職員の方が、「パー16が目標ですが他チームがどの様なスコアであっても、拍手で称えましょう」、と言う言葉に全員が「はい」と応えていました。この様な指導を通じ他者を思いやる精神が、児童へ醸成される過程を目の当たりにしたと言えます。
1組2時間で2組の合計が4時間を経過した時点の12時10分頃より、児童は学校の各教室へ戻り給食をプロと共にとりましたが、「何時からゴルフを始めたのですか?」、「何歳からプロになったのですか?」など児童の素朴な疑問を、プロへ質問していました。
物怖じしない姿勢と、質問が終われば「有難う御座いました」と挨拶する態度は、しっかりとした人間形成が行われていることを伺わせました。
この体験学習終了後に、市職員の方々及び千葉県女子プロゴルフ会8名との意見交換の場が設けられましたが、この内容を集約すれば、今回のスナッグゴルフ体験を通じ将来は、コースデヴューする人達が出てくれれば、更にはゴルフ場などへの理解が深まれば、やった甲斐があったとの事でした。
今回のスナッグゴルフ体験は地味な取り組みの様に思われますが、この様な努力の積み重ねがゴルフ普及の一丁目一番地の活動に他ならないのでは無いでしょうか。ゴルフ場を市の宝と認ずる市原市では、今回の開催が今年10回目を迎えた訳ですが、今後もこの活動を継続して行きたいとしています。
なお体験学習終了後、ゴルフへ興味が湧きましたか?と言う児童への質問に対し、多くの手が上がっていました。