関東エリアで6コースを経営する株式会社山田クラブ21は2025年3月31日、2024年度(第27期)決算内容を公表しました。概要は下記の通りです。
回次 第24期 第25期 第26期 第27期 決算年月 2021年12月 2022年12月 2023年12月 2024年12月 売上高(千円) 3,764,424 4,151,255 4,361,953 4,521,167 経常利益(千円) 360,345 353,873 412,097 480,197 当期純利益(千円) 263,010 248,339 279,820 324,232
この決算の裏付けになって各ゴルフ場の内容は、下記一覧の通りです。
ゴルフ場名 営業日数 総来場者数 営業収入 万木城カントリークラブ 360 72,415 766,948千円 日立高鈴ゴルフ俱楽部 356 33,907 237,238千円 南茂原カントリークラブ 358 51,712 731,037千円 レイク相模カントリークラブ 361 48,242 746,850千円 平成俱楽部 362 57,372 945,197千円 山田ゴルフ俱楽部 360 50,888 714,927千円
順調に推移した売り上げと結果の様に思われますが、年間来場者数の目標は316,210人であり、前期の実績である314,536人は若干未達だったとしています。
当該企業では、今後更に「他コースとの徹底した差別化」と「顧客ニーズに合った営業企画の提供」により、営業収入の拡大に努めたいとしています。
宇都宮カンツリークラブを経営する株式会社宇都宮ゴルフクラブは2025年3月27日、2024年度(第65期)決算を公表しました。概要は下記の通りです。
回次 第62期 第63期 第64期 第65期 売上高 326,002千円 344,045千円 410,034千円 425,040千円 経常利益又は経常損失 11,270千円 7,711千円 38,045千円 22,674千円 当期純利益又は当期純損失 9,733千円 7,325千円 38,763千円 16,150千円
売上高は前期比3.7%増えたものの人件費や販管費が増え、結果は上記の通り425,040千円になりました。売上高増の内訳の一つとして、来場者の増加が上げられます。前期比1,846人増加し、年間42,524人になりましたが、そのプレー収入は280,369千円になります。
更にもう一つの要因として、東京電力パワーグリッド株式会社への太陽光発電による売電事業が順調に稼働し、前期比5.1%増え売上高が62,668千円になった点も上げられます。
売上高を構成する要素としては、その他に会員の年会費収入が54,872千円、売店収入12,803千円、食堂運営手数料収入14,326千円などが上げられます。
順調に推移した2024年度だった様に思われますが、当該企業は預託金償還問題が、事業リスクとして内在している事を指摘しています。最後に決算書からこの部分を、下記かっこ内へ抜粋し紹介して終わります。
『昭和51年に、額面270万円と540万円の預託金会員を募集いたましたが、当該預託金の償還期限は既に到来しております。当事業年度末現在、額面270万円の会員権67口分、額面540万円の会員権1口分の会員が在籍しており、これらの会員の預託金は償還されておりません。このうち多数の会員より返還請求があった場合、当社の財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。』
府中カントリークラブを経営する株式会社府中カントリークラブは2025年3月28日、2024年度(第74期)決算内容を公表しました。その概要は、下記の通りです。
回次 第71期 第72期 第73期 第74期 決算年月 2021年12月 2022年12月 2023年12月 2024年12月 売上高 762,597(千円) 827,994(千円) 843,382(千円) 781,818(千円) 経常利益 35,814(千円) 8,242(千円) 30,782(千円) 26,593(千円) 当期純利益 16,578(千円) 231(千円) 16,638(千円) 15,405(千円)
当該法人は事業等のリスクを、次の様に理解しています。決算書を一部抜粋し紹介しますが、かっこ内がその内容になります。 『当社は営業損益で赤字が続いており、最終損益が営業外収益である名義書換料に左右される状況にあるため、名義書換件数が大幅に減少した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性が有ります』
ではその名義書換料の推移は前期どの様な結果になったのかと言えば、60,900千円増により合計金額が302,413千円になったとの事。この数字には正会員および平日会員、更には法人内の登録者変更料も含まれていますが、大幅に増加したとしています。
しかしながら1~2月時に、7番と10番2ホールの改修工事を行った事から、16ホール営業を余儀なくされ、これに関連し貸切営業や臨時営業を断わらざるを得ず、来場者数は2,974名減少し38,913名になりました。この為に売上総利益は、前年比61,638千円減少し734,332千円になりました。
当該クラブの来場者は、会員及び会員が同伴或いは紹介するゲスト、その様な構成になっており、不特定プレーヤーを対象にしていない為に上記来場者数と売り上げになりましたが、ある意味会員制クラブとしては必然的な結果だったと言えます。
2025年に入り当該クラブをめぐる会員権市場の傾向は、入会希望者が多く旺盛な買い注文に比べ退会(売却)案件が少なく、会員権価格は少しづつ上昇しています。
小山ゴルフクラブを経営する株式会社小山カントリー倶楽部は、当該企業が経営する最終年とも言える第67期決算を、2025年3月28日明らかにしました。概要は下記の通りです。
回次 第64期 第65期 第66期 第67期 2021年12月 2022年12月 2023年12月 2024年12月 売上高 324,501千円 385,193千円 377,343千円 400,932千円 経常利益又は経常損失 △5,515千円 33,018千円 11,338千円 30,200千円 当期純利益又は純損失 △3,424千円 32,312千円 10,991千円 △7,660,594千円
悪天候により年間17日間休業し、営業日数は332日でした。来場者数は前年比441人減少し20,194人でしたが、平日会員の入会者数と名義書換件数が増加し、売り上げは前年比6.2%増収となり400,932千円でした。
しかしながら開場60年以上が経過したクラブハウスやコース等に対し、様々な設備投資や更新作業が求められるものの、当該企業が属する春光グループには、追加出資の賛同を得られる状況に無く、同グループ企業による運営は困難をきわめていました。
この様な中2025年1月に入り、当該ゴルフ場を東京建物リゾート株式会社へ譲渡する事が、処々手続きを経て決まった為、固定資産の時価評価により大幅な減損処理を実施した結果、7,660,594千円の当期純損失を計上し、5,154,983千円の債務超過状態となったのです。ちなみに売却価格は1円です。
2025年4月1日新設分割にて新小山カントリー俱楽部株式会社を設立し、当該ゴルフ場事業を譲渡します。その後(株)小山カントリー俱楽部は、解散し精算手続きを行います。なおこの過程で春光グループ企業は、旧経営会社に対する50億円超の預託金債権を、全額放棄することになります。
ところで当該企業が集客難に苦しんでいる事は、ゴルフ業界では広く知れ渡っていたのですが、根本的な対策を放棄し、安易な会員募集からの資金調達にてお茶を濁していた事実は、厳しい総括が求められるのでは無いでしょうか。
第3回市原市ジュニアゴルフオープンが2025年3月28日(金)、ロッテ皆吉台カントリー倶楽部(市原市皆吉1627-1)にて開催されました。小学生から高校生までを対象にし、当日エントリーした選手は119名です。コース距離は児童・生徒に合わせ、下記内容で設定されました。
■ 小学1~2年生 OUT 1,461ヤード IN 1,480ヤード 合計 2,941ヤード ■ 小学3~4年生 OUT 1,992ヤード IN 1,920ヤード 合計 3,912ヤード ■ 小学5~6年生 OUT 2,577ヤード IN 2,709ヤード 合計 5,286ヤード ■ 中高生女子 OUT 3,037ヤード IN 3,001ヤード 合計 6,038ヤード ■ 中高生男子 OUT 3,300ヤード IN 3,163ヤード 合計 6,463ヤード
早朝からの雨に一時はスタート時間を遅らせる事も検討されましたが、時おり小雨になる関係から予定通り1組目は7時30分に、アウト、インそれぞれに別れスタートしました。ホールによってはグリーン上に水が浮く状況から、カップを切り直すなどの作業もありましたが、選手への影響は有りませんでした。結果は下記の通りです。
カテゴリー 優勝者(敬称略) 学年 スコア 小学1~2年生 男子 高橋 慶一郎 小2 +2 小学1~2年生 女子 高森 心花 小2 -3 小学3~4年生 男子 近藤 大河 小4 -4 小学3~4年生 女子 今井 未唯 小4 -3 小学5~6年生 男子 佐々木 翔大 小5 -2 小学5~6年生 女子 高橋 なつ希 小5 -6 中学生 男子 竹中 麻紗人 中2 +2 中学生 女子 山根 珊花 中1 +5 高校生 男子 上村 大和 高3 -1 高校生 女子 國吉 愛良 高2 -1
今回4つのカテゴリーで優勝者のスコアが同スコアとなりましたが、カウントバック方式により上記優勝者が決定しました。各カテゴリー優勝者へはごほうびとして、市内9コースを特別料金にて、ラウンド回数の制限なく、利用出来る特典が付与されました。
更に特典と言う点では女子の場合、小学5~6年生部門の優勝者と中学生及び高校生部門の優勝者、合計3名が今年の千葉県女子オープンの本戦へ出場出来ます。男子では中高生2部門の中から1名が、プロトーナメントFJ-TOURの『ナガタカップ』へ、エントリーフィ及びプレーフィ無料で出場出来ます。
悪天候にも係わらず、小中高生の熱気あふれる大会でした。
小金井カントリー倶楽部を経営する小金井ゴルフ株式会社は、2025年3月27日に第89期(2024年1月1日~12月31日)決算を明らかにしました。概要は下記の通りです。
回次 第86期 第87期 第88期 第89期 営業収入 600,213 680,914 729,639 745,194 経常利益又は損失 201,286 ▼3,598 140,843 88,473 当期純利益又は損失 181,159 ▼6,205 120,117 55,928
営業日数が前期比12日減少し316日になると共に、総来場者数も2955名減少し23246名になりました。会員が9002人、ゲスト14244人が来場した結果です。来場者の減少は営業日数の減少による影響もあるものの、それに合わせ天候不順と酷暑の影響によるものとしています。
当該クラブでは将来的な設備投資へ向け、会員の協力により特別徴収を行い、上記来場者数減と言う現象の中、結果的には営業収入が前期比15,555千円アップしています。
新規入会手続きに伴う会員権に関する収益は、入会金収入が110,000千円、受取手数料いわゆる一般的に言われている名義書換料収入が220,000千円、都合330,000千円ありました。正会員権件数にして20件です。金額的には前期比45,000千円減少しました。
当該クラブではクラブの理念通り、会員による会員を最優先にしたクラブ運営が貫かれており、その様な決算内容に前期も又なったと言えます。
相模原ゴルフクラブを経営している株式会社相模原ゴルフクラブは、2025年3月27日に第72期決算を明らかにしました。概要は下記の通りです。
回次 第69期 第70期 第71期 第72期 売上高 1,347,612 1,431,121 1,461,780 1,506,327 経常利益又は経常損失 138,506 73,276 73,802 36,452 当期純利益又は当期純損失 129,895 48,332 41,881 24,008
第72期売上高は3%(44百万円)の増収となりましたが、反面年間来場者数は0.5%(330名)減少し63,747名になりました。更に営業外収益の大きな部分を占める会員登録変更料は、前期比11.5%(36百万円)減少したとの事。
ではどの部分が貢献し増収になったのかと言えば、売上原価と販売費および一般管理費が、前年比2.6%(45百万円)増となった点が大きかったとしています。物価高騰と言う社会状況から、一部料金改定が寄与した形になりました。
ゴルフ会員権の点に関して言えば、新規入会・名義書換件数は前期比15件減少したものの、年間を通じ100件を達成し、282百万の収益になったとの事です。此の件数の中には、法人内の登録者変更も含まれています。
なお同決算書によればゴルフ動向について、「コロナ禍以降の旺盛な需要が続いて」いる、と市場分析をしています。
< いちはらプロモーション大使・山内鈴蘭さんのトークイベント >
< 千葉女子プロゴルフ会によるスナッグゴルフ体験会 >
三井アウトレットパーク木更津にて2025年3月7日~20日までの期間、「Golf Fes 2025」が開催されました。有名ゴルフメーカーや大型ゴルフショップなどが出展する中、市原市は今年初めてブースを出しました。
市原市のブースは3月20日の一日限定でしたが、「いちはらプロモーション大使」であるタレントの山内鈴蘭さんによるトークイベント、更には千葉県女子プロゴルフ会によるスナッグゴルフ体験会などが、行われました。
一日を通じスナッグゴルフを体験されたお子さんは約100人でしたが、保護者の方々の中には普段のゴルフとどの様に違うのかと、挑戦された方も居られました。また市が進めている「いちはらゴルフ場巡り33」は、LINEの「Stampshot」を友だち追加する事で参加出来ますが、当日一日間で約100名の方が登録されました。
これからゴルフシーズン本番へ向け、手応えを充分に感じられた出展だったと言えます。
阿部和栄支配人(南総CCにて)
千葉県の南総カントリークラブでは2025年1月1日、副支配人兼営業部長の阿部和栄氏を支配人職へ内部昇格させました。 この日は、クラブ史初の女性支配人誕生と言う、記念すべき日にもなりました。
前支配人が一身上の都合からその職を辞する事になり、同クラブではその交代人事として阿部氏を抜擢しました。氏は日本のバブル経済がピークを迎えた頃、パート職として同クラブへ入社し、当初担当したのはレストランのホール係でした。 正社員登用後もレストラン部門で長く勤務され、その後幾つかの職を経験し今日に至っています。
氏によれば長い勤務歴の中で一番の思い出は、アコーディアゴルフ社の経営から会員による自主経営へ切り替わった時でした。振り返れば2006年11月に当該クラブはアコーディアゴルフ社の傘下となり、以降2012年3月31日までその経営が続きました。
経営がまた代わると聞かされた同年3月、レストラン部門で勤務していた同氏は、経営交代に合わせ下準備を進めるものの、什器類一切が引き揚げられるという状況下で、代替品の準備は困難を極めました。特に3月31日は、夜の10時頃まで多くのレストランスタッフが、翌4月1日営業へ向け働きました。
その甲斐があり無事に開店する事が出来たのですが、一日も休まずにスタッフが協力して経営交代へ寄与出来たのが、今でも心に残るとしています。
支配人就任後約3ヶ月が過ぎようとしていますが、氏は鈴木忍副支配人のサポートを得て、様々な問題へ対処しています。 特にコース内施設の老朽化は如何ともしがたく、常に注意深く見ているとの事。また同クラブ東コースは、キャディ付きでのラウンドを基本としていますが、キャディの絶対数が不足しているのが現状です。不足時会員の組にはセルフでプレーして頂いてますが、キャディ数の確保は喫緊の課題だと考えています。
なお同クラブスタッフは女性数が圧倒的に多い事から、阿部支配人曰く、支配人職を目指す女性が多く出て来て欲しいと、密かに期待しています。今回の人事で氏が支配人職へ就任した事は、現在のスタッフへ可能性を示せたと共に、社内活性化へ大きな役割を果たせたのではないかと、自己分析しています。
阿部支配人が目指す職場の理想は、様々な問題に対し自分たちで解決出来るスキルと機能を持たせる事であり、その理想へ今後も努力して行きたいとしています。新支配人の益々の活躍が期待されます。
福井県の『杉の木台ゴルフクラブ』を経営する株式会社タケダ開発は、2025年3月5日福井地裁より特別清算開始命令を受けた事から、今後の成り行きが注目されます。
特別清算申請代理人は、平井貴之弁護士(三浦法律事務所・03-6270-3550)、服部弘志弁護士(シティ法律事務所・03-3580-0123)、堀江龍起弁護士(シティ法律事務所・03-3580-0123)の3名ですが、現在同社は前代表者の武田茂氏が代表清算人になり清算業務中です。
債権者約1370名に対し約46億2000万円の負債を抱えたとの事ですが、主に収益悪化を主要因とし今回の手続きに至っています。申請代理人によれば、一部報道に有ったゴルフ場事業譲渡先として名前の出た株式会社ノザワワールド(代表取締役:野澤敏伸)については、3月24日時点で決定事項では無いとしています。
ノザワワールドを譲渡先とした計画があるものの、現時点では裁判所からの決定を得られるに至ってない、と言うのが正確な状況把握になるのだと思われます。