リース ジョーンズ(提供:太平洋クラブ)
太平洋クラブでは軽井沢リゾートの浅間コースを改修するとして、2023年4月27日報道関係者へのニュースリリースにて明らかにしました。当該コースは36ホールですが今回白樺コース18ホールは、手を入れる事無く通常営業を行うとしています。
目的は世界レベルのリゾートコースを目指す事であり、その為には浅間コースの改修無くして、目的は達成されないと判断された為です。工事の概略は下記の通りです。
工程表 | 5月15日~ | 6月 | 7月 | 8月 | 9月18日 | 9月19日~ |
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浅間 OUT | 営業中 | 営業中 | 通常営業 | 通常営業 | 営業中 | 通常営業 |
浅間 IN | 通常営業 | 通常営業 | 通常営業 | 通常営業 | 通常営業 | クローズ |
基本的な作業内容は下記の通りです。
■ バンカー位置変更
■ 一部のTeeエリアを改修
■ フェアウェイラインの一部変更
5月15日より営業しながらOUTの5ホール、そのバンカー位置を変更します。残りの4ホールについては、9月1日から18日までに改修を行います。INコースは9月18日まで手を入れず、以降はクローズにし一挙に改修するとの事です。
9月19日からは、27ホール営業になります。
PGA TOURは2023年4月25日、PGA TOUR LatinoamericaとPGA TOUR Canadaの2組織を、来年2024年2月に合併させPGA TOUR AMERICASを設立する事を明らかにしました。
PGA TOUR AMERICASは2月から9月にかけ、ラテンアメリカ、カナダ、アメリカを舞台に16試合を開催し、シーズンのポイント上位10名は、PGA TOURの下部ツアーであるKorn Ferry Tourへ、翌シーズンからの出場権を獲得出来ます。
この再編は、単に此れ迄の様にPGA TOURが下部組織を統括運営するのみでは無く、PGA TOURを頂点に3部体制を構築する事で、現在各ツアーで戦っている選手達へ、好成績を残せば更に上のステージが見えて来る、その様なシステムを示しています。
この事により各選手の方向性がしっかりし、大きなPGA TOURの枠からははみ出さない様になります。此れはある意味、同TOURの脅威となっているリブゴルフを意識しての、戦略的再編の様にも見えます。ともあれ今後の動向と、結果については注視していく必要が有ります。
岐阜県可児市の愛岐カントリークラブに対し、速やかに入会を受け付けなかったのは、「出自を利用とした不当な差別」だとして三重県桑名市の40代男性A氏が津地裁四日市支部へ、2022年5月17日慰謝料など330万円の損害賠償訴訟をおこしていました。
この判決が約1年後の2023年4月19日にあり、升川智道裁判長はA氏の訴えを退ける決定を下しました。当該クラブでは帰化した日本人を受け入れない、と言う暗黙の了解が有り、これは昭和の時代より運用され今日に至っています。とは言え外国籍者用枠が20人ほど有り、空きが出次第、待機者が入会出来る様にしていました。2018年に韓国籍から日本国籍を取得したA氏について当該クラブ側は、このカテゴリーで対応しようとしたのです。
升川裁判長は、「クラブは私的で閉鎖的、入会の可否は理事会に委ねられており、原告の被る不利益は社会的に許容出来る限界を超えるものでは無い」とA氏の訴えを退けるものの、「元外国籍であることを理由に入会を制限する事について、合理的理由があるかは疑念がある」としたのです。
当該裁判は任意団体であるクラブの在り方と、日本国憲法との整合性が問われた、ある意味大きなテーマを内在したものであり、今後の成り行きが注目されます。
「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」いわゆるLGBT法案が、今国会へ提出され一挙に可決される可能性が有ります。
この法案の問題点は、「T」の性自認です。つまり外見上は男性で有っても、自身が女性だと自認するならば、周囲は女性とみなさなければ、差別をしている事になります。あまりに一般常識とかけ離れた内容で有り、身勝手なものだと言わざるを得ません。
ではこの問題がゴルフ場と、どの様なかかわりを、持つ様に成るのでしょうか。想定されるのは「T」の外見上男性が、下半身の医学的処理をしていない段階で、自身は女性と自認するが故に、女性用風呂に入って来る可能性が有ります。この時点で既に入浴中の女性が、大騒ぎでもしようものならば、「差別禁止」と声高に訴えられてしまう可能性が有ります。
話はゴルフ場から離れてしまいますが、アメリカでは2017年にカレン ホワイトと名乗るトランスジェンダーが、ある犯罪から女性刑務所へ収監される事になりました。自身は女性だとの主張から女性刑務所に収監されたのですが、性転換手術を受けていないカレン ホワイトは、此処の女性受刑者へ性犯罪を起こしているのです。
これらを見ても理解出来る様に、LGBT法案の拙速な成立は大変危険であり、社会を混乱に陥れる可能性が有ります。ゴルフ場へもたらす悪影響も、看過出来ないものが有ると思われます。この法案はG7広島サミット前に、駆け足で可決される可能性が有ります。要注意です。
©Yoshio Oono
栃木県のアローエースゴルフクラブでは、2024年3月末をもって会員制クラブを正式に解散し、パブリックのゴルフ場へ移行する事になりました。既に運営スタイルは2023年4月より、パブリックスタイルへ変更している為、1年のインターバルをもって完全移行する事になります。
此れ迄当該クラブでは会員制を維持する為に、様々な創意工夫をもって対応して来ていました。例えば10年ほど前、クラブ発足当初からの会員資格者或いは会員資格を継承した会員へは、全額預託金を返還し、正会員305,000円(税込)と平日会員152,500円(税込)で会員募集を開始したのです。当時公表された募集人員は300名でしたが、経産省へは1,200名で届けていました。
新たな会員制クラブを模索する中、近年のコロナ禍は、一般的にフォローの風がゴルフ場業界へは吹いたと言われているのですが、当該ゴルフ場に於いてその恩恵を大きく評価する事は出来ませんでした。会員制による此れ迄のスタイルでの運営へ疑問が呈され、遂に大きく180度舵を切る事になったのです。
当該クラブよれば2023年4月下旬時点で、220名ほどの会員が在籍している様ですが、この方々への預託金返還業務を今期で終了させる予定との事。ゴルフ場自体は他業態へ転用する計画は無く、存続させていくとしています。
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アローエースゴルフクラブでは2023年4月1日より、ラウンドスタイルを大幅に変更しました。キャディ無し完全セルフのスループレーと成りますが、その概要は下記の通りです。
1、キャディバッグなどの運搬は全てプレーヤー自身で行う
2、館内でチェックインロッカーキーを受け取る
3、カートへ自身でキャディバッグを積み込み、終了後は自身でまた下ろす
4、浴室はシャワーのみ利用可
これらをみても分る様に、当該ゴルフ場へ到着後、すべての事はプレーヤー自身が、行う事になります。尚、クラブ側で食事の用意は有りませんので、必要と有れば軽食などを自身で用意し、ラウンド途中の、例えばカート内で食べる様になります。特段、昼食用時間やスペースなどは、クラブ側でセッティングしていません。
スタートは原則としてアウトとイン、それぞれから8時を予定しており8分間隔になりますが、ワンウエーでは無いのが特徴です。夏場などは7時台のスタートも検討しているものの、現時点では始まったばかりであり、手探り状態の部分もある様です。
ラウンドスタイルを大きく変更したアローエースゴルフクラブですが、ここから先、どの様な未来が見えて来るのでしょうか。
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桜ヶ丘カントリークラブ(東京都)では2023年4月1日より、週日会員権の名義書換料を改定しました。此れまで50万円と消費税を新規入会者から徴求してきておりましたが、この金額が100万円プラス消費税と言う内容へ変更されました。
また入会預託金100万円が、新たに追加されました。この事により週日会員への新規入会者は、クラブへの入会手続き時に、2023年時点での消費税を加味し、合計210万円を支払う事になりました。従来税込55万円で済んでおりましたので、大幅なアップに成りました。
ところで当該会員種別は、2007年10月1日から開始された会員募集にて、初めて登場しました。入会後3年間は名義書換不可でしたので、2010年の暮れから第三者譲渡が可能になったのですが、この時設定された名義書換料が税別50万円でした。
なお正会員及び平日会員は、改定点なく従来通りです。
株式会社アコーディア・ゴルフ(以下アコーディア)は2023年4月に入り、これ迄行ってきた各ゴルフ場の会員募集を縮小し、ゴルフ会員権の名義書換を重視する方向性を明らかにしました。
これは4~5年前からアコーディア内では検討されて来ており、その背景は会員募集を通じ、際立った収益効果を認められなくなった為としています。アコーディアは発足以降、強力に現場での会員募集を推し進めて来ており、ライバル企業でもあるPGMグループとは、真反対の営業方針で臨んできました。
当初その営業方針は収益面で絶大な効果をもたらしたのですが、この度大きく方針転換する事になったのです。此れを裏付ける様に、同社が全国のゴルフ会員権団体へ発出した「名義書換等運用変更に関するお知らせ」は、名義書換重視宣言とも言える内容になっています。
このお知らせの中での端的な表れは、「会員権の譲受人よりゴルフ場が譲渡通知書を受け取りはするものの、速やかなる入会申請が無かった場合、今年度の年会費完納を条件に、次年度の年会費を発生させない」点に有ります。この譲受人を会員権業者と言い換えるならば、業者は長期間に渡り在庫にしておける事を意味しています。
年会費の新たな発生が無ければ、在庫コストが上昇する事も無く、又印鑑登録証明書の期限に付いては従来通り、延長手続きにより最長9ヶ月間、有効となる為、業者は再販手段が取り易くなります。アコーディアの今回の発表は、会員権業者のリアルな動きを、良く把握した上でのものだったと言えます。
ところで会員権の名義書換を活性化する事は、すなわち市場の会員権価格を上げる意味合いにも通じます。何故ならば価値の無いものにゴルファーの入会動機は、生まれ辛いからです。会員を集めては切り捨てる、預託金が無いが故に出来る技だった訳ですが、此れ迄のアコーディアの会員対策が変わろうとしています。
一社)日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)は2023年4月中旬、2023年1月度に於けるゴルフ場利用者数に関する対前年比資料を公開しました。
| ゴルフ場数 | 課税者数 | 非課税者数 | 総利用者数 |
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2022年1月度 | 2027 | 4,227,822 | 1,140,898 | 5,368,720 |
2023年1月度 | 2020 | 4,104,211 | 1,153,179 | 5,257,390 |
増減数 | ▲7 | ▲123,611 | 12,281 | ▲111,330 |
NGKではゴルフ場利用税の納税資料を基に、上記資料を作成しています。上記資料ではゴルフ場数が7コース減少している事から、単純比較は出来ないものの、傾向を把握する上では重要な資料に成り得るものと思われます。
近年コロナ禍を逆手に取ったゴルフ場業界は、好影響を受けており、特にゴルフ場利用税の課税対象者である若年層が、ゴルフに取り組むケースが増えていると言われて来ました。しかしながら今回の単月表では、123,611人減少している事がみて取れます。
半面非課税者は堅調な動きを見せており、12,281人の増加と成っています。過去10年以上にも及ぶ傾向を踏襲し、大きなトレンドに変わりがない事を証明しています。冬季で有っても防寒着を身にまとい、ゴルフをしているのだと思われます。
この様な年齢層に於ける増減を確認しつつ、総利用者数を見るならば111,330人が、減少しています。此れを冬季に於ける一過性に過ぎないと見るのか否かは、今後NGKから発表される新たな資料を待たざるを得ません。年間を通じての通過点資料と言えばそれまでですが、次のステージへの重要な資料に変わりは有りません。
©Yoshio Oono
プロゴルファーの服部道子氏が株式会社世界文化社より、「好転力_心をシンプルにすればうまくいく」なるタイトルの書籍を出版しました。初版が2021年7月と言う事から、2年近い年月が経過しましたが、著者は紛れもなく服部氏自身です。
氏の生きざまや試合での「きずき」を含め、マンネリ化した時やつまづきそうになった時、如何に「好転力」が必要なのかを説いています。それは他者からの啓発が契機に成ったりするのですが、受け留める自分自身も、しっかりとしていなければ出来ない話です。
服部氏はプロゴルファーと言う立場からゴルフの世界に特化し記述していますが、他のスポーツやビジネス界でも相通じるものが有ると言えます。ゴルフを始めた方からベテランの方まで、読み易く記述されていますので、是非一度お手に取られてみて下さい。簡単な概略は下記の通りです。
■ 発行・発売:株式会社世界文化社
東京都千代田区九段北4-2-29
電話 03-3262-5115(販売部)
2023年4月14日現在、好評販売中との事。