千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブでは、2020年1月1日より年会費を改定します。いわゆる値上げですが、来年同時に行われる会員権の名義書換料値上げ以上に、現会員へ及ぼす影響は大きいものと思われます。
その概要は、下記の通りです。
会員種別 |
改定前(税別) |
改定後(税込) |
54H・正会員 |
60,000円 |
88,000円 |
54H・週日会員 |
30,000円 |
44,000円 |
36H・正会員 |
36,000円 |
55,000円 |
36H・週日会員 |
18,000円 |
33,000円 |
この度の値上げは2019年11月7日に開催された理事会が、会社側より提案された同案を了承する形となり、会員へは12月に入り書面で告知したとの事です。理事会が承認した値上げ案は、年会費のみならず会員権の名義書換料もあり、この度の増収策は複数に渡っております。
アコーディアゴルフによれば、同クラブ会員数は全種別を合わせ、約5,000名との事です。平均14,000円の値上げと見積もれる事から、単純計算で7,000万円の増収になります。会員権の名義書換実績もこれまで相当数あるとの事ですから、その勢いが値上げにより若干衰えたとしても、今回の値上げから得られる増収は約1億円になるものと予測出来ます。
これらの増収益をアコーディアゴルフでは、同ゴルフ場の改修費用へ充てて行きたいとしております。同ゴルフ場の開場は1960年ですが、これまでクラブハウスなどの施設改修は、適時行われ来ているとは言え、やはり経年劣化は如何ともしがたいのが現状の様です。根本的にはハウスの新築なのでしょうが、現在そこまでの結論には至ってないものと思われます。

< 2020年度ツアー日程を公表する小林浩美会長 >
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(以下LPGA)は、2019年12月17日都内会場にて、来年2020年度のトーナメントスケジュールを明らかにしました。内容は今年度とほぼ同様ですが、但し試合数は37となり2試合減少しました。その2試合の内の一つである(センチュリー21レディスゴルフトーナメント)は契約満了に付き中止との事であり、もう1つの(北海道meijiカップ)は2020東京五輪の関係から一時的お休みです。
2020年度トーナメントでの選手評価については、これまで通り獲得賞金額に基づいたランキングは行うものの、メルセデス・ランキングも併用して行くとしております。例えばメルセデス・ランキング50位までの選手には、賞金シード同様に翌年度1年間のシード権が与えられます。また同ランキング51位から55位までの選手にも、同じく翌年度第1回リランキングまでの出場権が与えられるのです。
選手の活躍度を測る目盛りは獲得賞金額では無くメルセデス・ランキングに有り、それが正当な評価につながって行くとの考えから、次年度以降徐々に賞金ランキングの意味合いが薄くなっていくものと思われます。
来年2020年にLPGAは、使用商標を< JLPGA >とします。これまでは単にLPGAとの表記でしたが、今後新商標は米国LPGAとの誤認識を避ける事にもつながり、ゴルフのグローバル化の中で独自性を強調して行くには、最適との判断からです。将来的には海外でのトーナメント開催も視野に入れており、当然その様な時に< JLPGA >表記は、参加選手やギャラリーの意識付けに、効果を発揮するものと思われます。
この動きに合わせロゴも5種類用意し一新されます。改革の槌音が聞こえて来そうな記者会見でしたが、小林会長の活舌も何時に無く良く、これも一重に今年2019年度トーナメントの盛り上がりを、会長自身が一番良く感じ取っているからなのだろうと思われます。
大阪府の池田カンツリー倶楽部を経営する池田開発株式会社(池田市畑3-11、代表取締役・荒木進)は、2019年12月2日大阪地裁へ、負債約105億円を抱え民事再生法の適用を申請(事件番号:令和<再>9号)しました。
申請代理人は弁護士法人関西法律特許事務所(大阪市中央区北浜2-5-23、TEL06-6231-3210)の浦田和栄弁護士、監督委員には色川法律事務所(大阪市中央区北浜2-6-18、TEL06-6203-7112)の森恵一弁護士が選任され、同日同地裁より弁済禁止の保全処分命令を受けました。
同ゴルフ場は1960年開場と歴史もあり又交通アクセス良く、ゴルフ関係者のみならず一般ゴルファーからの評価も、かつては高いものがありました。しかし近年その評価は著しく低下し、こと会員権に関しては10万円前後の売り物が多数有るのに対し、それを吸収出来るほどの買いが入って来ておりませんでした。会員になる魅力が、薄れてしまっていたのです。
以前は格式も高く、かつての1,500万円募集は、瞬時に完売したほどでした。しかしそれが倶楽部にとってあだになったと言えばそれまでですが、その預託金の償還対策として2分割された600万円額面の償還時期が、間もなく迎えようとしておりました。
大半の会員は40万円から50万円ほどの預託金額ですが、高額面の預託金を保有し間もなく償還時期が到来する会員にとっては、今回の措置は正しく寝耳に水と言う状況です。更に驚くべきは、2019年12月11日開催された債権者説明会に於いて、会社側からスポンサー型の再建を目指していると明らかにされた事です。
会社側が現在交渉している二つの大手ゴルフ場経営会社とは、社名までは明らかにされなかったものの、PGMかアコーディアが想定され2020年1月中に公表される様です。今回の法的措置に対し会員側から目立った動きが今現在無い事から、このまま推移するならば来年の2020年末には、新しい体制へ移行して行くものと想定されます。

< サザンヤードカントリークラブ・正面玄関 >
茨城県のサザンヤードカントリークラブでは、2019年12月16日より第2次会員募集をスタートさせました。口数に達し次第終了の予定ですが、基本的な募集期間は2020年12月15日までの1年間です。本年4月1日より開始された第一次募集は、当初本年12月末までの予定でしたが、二週間ほど早め2019年12月15日に終了しております。
今回の募集概要は、下記の通りです。
募集会員 |
募集金額(税込) |
募集口数 |
特別法人会員(無記名) |
495,000円 |
80口 |
特別法人会員(記名式) |
495,000円 |
30口 |
特別個人会員 |
495,000円 |
30口 |
当初の計画では2次募集の開始時期を2020年4月1日においていましたが、3ヶ月早めての取り組みと成りました。3ヶ月間と言う空白期間を設けづに、継続して営業して行く事に、事業の勝機を見出だしたのだと思われます。
同クラブでは会員の高齢化と共に年々退会者が増え、2009年に約500名の会員数でしたが、10年が経過した2019年3月末には約350名へ減少しておりました。この流れに歯止めをかけられるのかが、この度の一次二次と言う会員募集の大きな目的ですので、この成否は今後のクラブ運営を占なう事業とも言えます。
富山県の富山カントリークラブを経営する株式会社富山ゴルフ(富山市万願寺1-166_代表取締役・忠田憲美)は、2019年12月6日東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。
申請代理人はシティ法律事務所(港区虎ノ門1-1-28_TEL 03-3580-0123)の服部弘志弁護士です。負債総額は約34億円との事ですが、この内約33億円は会員が有する預託金の様です。いずれ再生計画案が立案される過程で、この詳細が明確になるものと思われます。
負債の大半を会員の預託金が占めていると言う事は、今回の手続きに於いて再生計画案に対する会員の同意が得られたならば、再建は充分可能だとも言えます。この事からスポンサー型では無く、自主再建を目指す計画と見られます。
今回この様な手続きに至ったのは、売り上げの減少と会員による預託金の返還請求、この二点が大きな要因となりました。近年は年間来場数が4万人を割り35,000人前後で推移していたとの事ですが、魅力あるクラブづくりは再生計画案に関係なく、喫緊の課題に成っています。この点が見過ごされては、大幅な債権カットが承認されたとしても、再建は多難だと言えます。
ゴルフ場利用税撤廃へ向けたゴルフ業界の悲願が、今年も又打ち砕かれる事に成りました。これは2019年12月12日、自民党と公明党で構成される与党により公表された、「令和2年度税制改正大綱」により明らかにされたものです。
ゴルフ場利用税に関する記述は、この大綱に於ける83ページ末尾の10行にまとめられております。
これをまとめると、1、国民体育大会のゴルフ競技へ参加する選手が、競技及び練習で利用するゴルフ場の利用税は非課税とし、また2、国際的規模のゴルフ競技大会へ参加する選手が、公式に利用するゴルフ場の利用税を当面非課税とする、と言う以上2点になります。
これまで過去の経緯では、「ゴルフ場利用税の財源代替案を視野に入れながら、撤廃に付いては長期的観点で検討して行く必要が有る」と言う大綱の趣旨でしたが、この度はその様な文言すら垣間見る事は出来ませんでした。
今夏文科省が打ち出した戦術は、30歳未満65歳以上非課税適用と言う拡大策であり、ある意味戦術転換とも取れるものでしたが、いとも簡単にいなされてしまいました。それどころか2020年オリンピック関連を暗に示していると思われる利用でさえ、「当面非課税」などと高圧的姿勢で対応して来ています。
政治課題となり得ていない現在の闘いの中、特にこの度の戦術は決して日和見主義の体現では無く、より具体的な内容を示しており、今後も継続して行く事に意義が有ると言えます。抽象論を語る事では無く、より現実性の有る戦術で戦い抜く事こそ、新しいステージが見えて来るものと思われます。
千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブでは、2020年1月1日より名義書換料(名変料)を改定します。これは2019年11月下旬、同クラブより明らかにされたものですが、いわゆる値上げに成ります。詳細は下記の通りです。
書換内容 |
改定前(税別) |
改定後(税込) |
正会員・第三者譲渡 |
1,000,000円 |
1,650,000円 |
週日会員・第三者譲渡 |
500,000円 |
1,100,000円 |
正会員・法人内記名者変更 |
300,000円 |
495,000円 |
週日会員・法人内記名者変更 |
150,000円 |
330,000円 |
上記の通りゴルフ会員権売買に伴う名義書換は、正会員及び週日会員共に50万円の値上げになりました。又同一法人内の記名者変更に付いても、それそれ15万円の値上げです。これらとは別に親族間に於ける名義書換、例えば親から子供へのなどの場合、これまで同様正会員及び週日会員共に55,000円で、手続きが出来ます。

< 記者会見に臨む植田浩史副会長と倉本昌弘会長 >
公益社団法人 日本プロゴルフ協会(以下PGA)は、2019年12月10日定例理事会後に記者会見を行い、来年2020年度のツアー日程を公表しました。以下は公表されたシニアツアー日程ですが、競技及び開催ゴルフ場の各名称に付いては、表記の関係から略称しております。
No |
開催 |
競技名(略称) |
開催コース(略称) |
1 |
4月 |
金秀シニア沖縄オープン |
かねひで喜瀬CC |
2 |
4月 |
ノジマチャンピオンカップ箱根 |
箱根CC |
3 |
4月 |
フーボン・ヨウトクシニアカップ |
林口ゴルフ場 |
4 |
5月 |
涼仙モアサプライズカップ2020 |
涼仙ゴルフ倶楽部 |
5 |
5月 |
第21回スターツシニアゴルフ |
スターツ笠間GC |
6 |
6月 |
すまいーだカップ |
イーストウッドCC |
7 |
8月 |
ファンケルクラシック |
裾野CC |
8 |
8月 |
スポーツ振興 広島シニア |
広島CC西条コース |
9 |
9月 |
第7回マルハンカップ |
未定 |
10 |
9月 |
コマツオープン2020 |
小松CC |
11 |
9月 |
第30回日本シニアオープン |
鳴尾ゴルフ倶楽部 |
12 |
9月 |
第4回熊本・阿蘇シニアオープン |
コスギリゾート阿蘇 |
13 |
10月 |
第59回日本プロゴルフシニア |
サミットGC |
14 |
10月 |
第8回佐世保シニアオープン |
佐世保CC |
15 |
10月 |
第5回福岡シニアオープン |
福岡CC和白コース |
16 |
11月 |
富士フィルムシニア |
江戸崎CC |
17 |
11月 |
エリートグリップ |
未定 |
18 |
11月 |
第8回いわさき白露シニア |
いぶすきGC開聞 |
試合数は今年と変わらず18ですが、賞金総額は777,000,000円から809,000,000円へ、3,200万円増額されております。この件に関し倉本会長は、今後試合数が増える事は難しいのではないかとしつつ、数よりも賞金額を増やして行く事の方が現実的との発言が有りました。倉本会長の人脈や魅力だけでは、限界があるとも取れるものでした。
なお第9試合目の「マルハンカップ」試合会場に付いては、主催者側で太平洋クラブ御殿場コースを希望しているものの、この週はJGTOツアーの試合が、35Kmほどと言う近場の富士桜カントリー倶楽部で開催される事から、第8試合目の「スポーツ振興 広島シニアゴルフトーナメント」との入れ替えも検討されております。
倉本会長の「弱小組織」ですからと言う自虐発言もありましたが、近場の試合でギャラリーが戸惑うと言うゴルフ界のマイナス要素を作りたく無いと言う、PGA側の配慮が垣間見れた瞬間でした。来年も又白熱したシニアの試合が、展開される事と思われます。
静岡県の小田原ゴルフ倶楽部御殿場コースでは、2020年1月1日より会員権の名義書換を再開します。2018年10月1日より名義書換を停止にしておりましたので、1年3ヶ月ぶりでの再開に成ります。
またこの動きに連動する様に、2015年4月1日より導入されました「預託金充当制度」も、復活する事に成りました。これは入会希望者が市中で取得した会員権の預託金額より、その半額を上限として名義書換料へ充当する事が出来る制度です。
今回設定された名義書換料は、下記の通りです。
名義書換内容 |
正会員(税込) |
平日・週日会員(税込) |
第三者譲渡 |
220,000円 |
110,000円 |
親族間譲渡・相続 |
55,000円 |
55,000円 |
同一法人内登録者変更 |
55,000円 |
55,000円 |
なお、当該倶楽部では開場35周年を記念し、2020年1月より7月31日迄の期間限定で、名義書換料還元キャンペーンを行うとしております。この期間に入会した方へ、1枚5,000円の利用券を正会員は8万円分、平日・週日会員は4万円分をそれぞれプレゼントするとしております。
千葉県の鶴舞カントリー倶楽部では、一度退会した方の再入会を認めておりません。預託金返還による退会で有ろうと、自らの会員権を第三者へ譲渡しての退会で有ろうと、退会の中身は不問であり二度と会員にはなれないのです。大変厳しいものであり、また若干の窮屈さをも、感じさせられてしまう内容と言えます。
例えば平日会員の方が正会員へ移行したい、この様な希望は叶うものなのでしょうか。一度平日会員権を売却してしまうと二度と入会出来ませんので、平日会員である内に正会員権を取得し入会申請する必要が有ります。しかし此処にも大きなハードルが、待ち構えております。
現在の規定では会員権の重複所有が、出来ない事に成っております。平日会員権と正会員権2件を、同時に所有出来ないのです。八方ふさがりとも言えるこの状況を、移行希望者はどの様に打破したらよいのでしょうか。この点に付いて倶楽部では、1ヶ月程度であれば、重複所有を認めるとしております。
1ヶ月ほどで平日権の購入者を見つけて欲しいとしているのですが、これは単に売買が済めば良いと言う内容では無く、平日権取得者が速やかに入会申請する必要が有るのです。なかなか難しい注文とも言えます。自らの平日権を購入して下さる方を見つけると共に、正会員権を取得し入会申請すると言う、フットワークの良さが移行者には求められます。
これらの規定は現体制になる以前から、今日まで継承されている様ですが、見直す時期に来ているのでは無いでしょうか。例えば重病を患い身辺整理をした会員が、奇跡的にも一命をとりとめ、健康維持の為に又同倶楽部へ入会したいなどの健全なるニーズを、汲み取る事が出来ないシステムは、違和感のみが残ると言わざるを得ません。