公益財団法人 日本生産性本部(以下日本生産性本部)は、2017年8月初旬に「レジャー白書2017」(以下白書)を発行し、2016年の余暇市場を明かにしようとしております。この中には当然ゴルフに関する内容もカバーされており、ゴルフ人口が減少した事が記述されております。
ゴルフコースで1回以上プレーした人口が、2015年と2016年を比較した場合、約210万人減少し550万人になったと白書は報告しております。この数字は驚異的なもので、これすなわちゴルフ人口の大幅減少=ゴルフ産業の衰退として、様々な媒体を通じて取り上げられ今日に至っております。
では日本生産性本部はどの様な調査方法をもって、上記数字を導き出したのでしょうか。同法人は2009年よりインターネットを利用し、対象者を全国の15歳から79歳までの男女に絞って調査しております。今回は2017年1月に行われ、有効回収数は3,328人でした。
この調査とは別に一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)は、興味深い数字を明らかにしております。NGKの資料によれば、2016年に利用税を収めている全国のコースへ、来場したプレーヤーは約8,630万人です。前年の2015年が約8,800万人であり、昨年は様々な自然災害がゴルフ場へ影響をもたらした事を考慮した場合、8,700万人ほどがここ数年の平均値だと言えます。
またNGKは2012年にゴルフプレーヤー約2万人を対象に聞き取り調査をしており、その時の平均的プレー回数は12.2回でした。単純にこの回数を昨年のプレー人口へ当てた場合、導き出される数字は約707万人です。平均値の8,700万人では713万人になります。調査方法により、様々な数字が表面化するのは、致し方無い事でもあります。
日本生産性本部とNGKの調査などを踏まえ総合的に勘案すると、現在のゴルフ人口は約700万人、と言うのがより実態に近いもので、より妥当なのでは無いかと言えます。