ゴルフ会員権の所有者は入会手続きをせずとも再生法上で債権者

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 ゴルフ会員権の所有者は、入会手続を経る事無く、(債権者)である事を認めた判例が有ります。それは2008年8月13日に確定した、東京地裁民事第25部(片田信宏裁判官)による判決です。その概略は下記の通りですが、番号順が進行順です。

  1. 2001年8月に1,100万円額面の会員権を名義人は、A会員権業者へ時価で売却。
  2. A会員権業者は、同年8月に同会員権を、B会員権業者へ譲渡。
  3. B会員権業者は、同会員権を同年同月に、所有者X氏へ売却。
    所有者X氏は債権保全の為に、ゴルフ場へ内容証明郵便で、所有者している事を通知。
  4. 2004年10月にゴルフ場は、民事再生法の適用を申請。
    この時点で所有者X氏は、名義変更する事無く所有。
  5. ゴルフ場は所有者X氏を債権者とは認めなかった。
    理由その1は、ゴルフ場経営会社取締役会が、譲渡を認めていない事。
    理由その2は、所有者X氏が、名義人より退会に関する代理権を与えられていない事。
  6. しかしながら、裁判所は所有者X氏に退会の代理権が有り、債権者として認定。

 この判例はその後、多くの事件で活かされており、ゴルフ場再生の指針になったとも言えます。今日この判例は、再び脚光を浴びております。とりもなおさず、1月23日太平洋クラブ事件において、この判例が踏襲されるか否かでは、会員権市場の動向が大きく左右されるからです。注目です。