東証一部上場の住友ゴム工業株式会社(以下住友ゴム)は、2017年8月29日同社の子会社であり同じく東証一部上場のダンロップスポーツ株式会社(以下ダンロップスポーツ)を吸収合併するとして、広報を通じて明らかにしました。存続会社は住友ゴムであり、消滅会社はダンロップスポーツです。
ダンロップスポーツはかつて住友ゴムのスポーツ事業部門でしたが、2003年7月に分社独立し2006年10月には東京証券取引所市場第一部へ上場を果たしました。同社はゴルフやテニス用品の製造・販売と共にウェルネス事業を行い、培った「XXIO」や「SRIXON」ブランドはゴルファーへ深く浸透しています。
一度親元を離れたダンロップスポーツですが、2018年1月1日再度住友ゴムの一部門として、その懐へ回帰する事に成りました。この動きの背景には、住友ゴムが2017年4月3日関連会社のダンロップインターナショナル株式会社を通じて、海外の「DUNLOP」ブランドの商標権やライセンス事業を、英国のスポーツダイレクトインターナショナル社より買収した事に起因します。
これまで「DUNLOP」ブランドの商標権について住友ゴムは、使用権のみの権利関係でしたが、これにより全世界で「DUNLOP」ブランドの事業展開が可能となったのです。この買収には137.5百万ドル(約154億円)の費用がかかったとの事ですが、住友ゴムはより世界戦略を描き易くなりました。
この度の合併劇はこの様な流れの中にあると言えます。世界トップブランドであり売上高1位2位を争うナイキとアディダスが、ゴルフギアから撤退する中、来年以降打ち出して来るであろう住友ゴムのゴルフ戦略が注目されます。尚、2017年2月に設立されたダンロップインターナショナル株式会社は、その役割を終え1月1日住友ゴムに吸収合併されます。またダンロップスポーツは、2017年12月27日付で上場廃止になる予定です。