債権管理 No.75 ゴルフ会員権と債権管理
☆ 編 集 人 竹崎 巌 ☆ 発 行 人 有馬 弘純 ☆ 発 行 所 社団法人 金融財政事情研究会 〒160 東京都新宿区南元町19 ☆ 連 絡 先 03-3355-1721 (編集部) / 03-3357-7416 (FAX)☆ 初版発行 1996年2月15日 (定価 1,300円)☆ 製作販売 株式会社 きんざい
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ゴルフ会員権には多くの種類があり、 財産的価値のほとんどないものから高価な財産的価値があるものまであり、 また、会員が除名されたり等した場合には 一夜にしてその財産的価値が激減する脆弱な面を持つものである。 また、ゴルフ会員権は日本的特殊な制度のうえに成立しているものであり、 昭和四〇年代以降債権管理の対象とされるに至った新しい権利と義務を包括して一体となった地位であり、 学者の研究がほとんどなされないまま、 弁護士を中心とする法律実務家によってその法的内容が究明されてきたことと、 学理的成果がまとめられるのを待つ以前に裁判で多数争われてきたため、 陸続として出されてきた裁判例も思考錯誤の連続であったという経過を経て今日に至っている。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」 ━ 弁護士 今中利昭 氏による巻頭より ━
■ 本書に関する思い出
1996年当時の私は、今は無き某ゴルフ会員権業社に勤務していた。 バブル経済が崩壊し、勤務会社はノンバンクよりの処理案件を、多く受注する様に成り、私が担当者と成った。 私は持ち込まれる案件を、より良く理解する必要性にせまられていた。 当時、ゴルフ会員権を主要なテーマにした債権回収に関する書籍は皆無に近く、私はノンバンクの担当者との打ち合わせに必要な知識が不足していた。 私は喉の渇きにも似た渇望感で、常に手引書的内容の解説書を求めていた。 本書は、たまたま業界紙に出ていた広告記事を目にして、求めたものだ。 最寄りの書店では求める手立てが無く、直接出版社へ依頼した様に記憶している。 仕事につながる様な箇所は、コピーをして何度も読み返したと思う。 1996年当時、会員権価格は2011年の現在とは異なり、大変に高額であり、商品に瑕疵があり、流通ルートに乗らなくなると、ダメージは甚大で有った。 ノンバンクより受注した不良債権を、正常債権へ整えるには、大変な労力がかかった。 ノンバンクより提示される会員権とその付属書類は、不備のものが多く、緊張の連続だった。 購入希望者への説明にも四苦八苦した事が、昨日の様に思い出される。 私が2003年8月に独立・開業した折り、偶然にもサービサーの方とのご縁から、ゴルフ会員権担保物権の処理を、仕事とさせて頂く事が出来た。 ゴルフ場の法的整理が加速していた時期でも有り、債権管理がとても重要な仕事と成っていた。 しかしながら多くの案件が、当事者との連絡が取れ無いが為に、換価出来ないケースが度々で有った。 ある時、サービサーのご担当者が ( ゴルフ会員権は担保になりませんな ) とはき捨てる様に言われた一言は、今だ忘れる事が出来ない。 ゴルフ会員権が市場において、よどみ無く流通していく為には、多くの未整備な点を多々残している。 本書はその事が良く理解出来る、貴重な資料と言える。× × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×尚、本書は品切れにつき、重版未定との事。(2015年5月)
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