ゴルフ場再建_南富士カントリークラブ 古旗邦夫社長を訪ねて

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Mr.Furuhata_tact-2.jpg静岡県の南富士カントリークラブを再建すべく、 2007年に(株)南富士カントリー倶楽部の代表取締役へ就任した古旗邦夫氏の取り組みは、業界内外で高く評価されております。                                              2015年2月初旬に私は、その再建_再生に向けた具体的なお話を、古旗氏を訪ねて伺って参りました。

                                          【 ご経歴 】                                            大学卒業後、(株)リクルートへ入社。                                           入社後は営業活動に従事するも、間も無くゴルフ場建設の為、岩手県の安比高原へ赴任。                           安比高原ゴルフクラブは、1974年に工事着工し約4年後の1978年に開場したのですが、氏は着工前から現地に赴任し、設計家である新井剛氏の指導を受けて、 測量、伐採、排水、土木全般、植栽などのトレーニングを受けたとの事。

安比高原を東北の軽井沢にすると言う経営方針の元に、氏はリクルート創業者の江副浩正氏の指揮の下で、設計、企画、集客と勉強を重ね、一から物造りに励まれた。                                                                 ゴルフ場開場後はグリーンキーパーを経験するも、その後、総務経理、技術部門の責任者としてご活躍。                                             氏は在籍期間約25年の内、ゴルフ場は54ホールを造り上げ、100ヘクタールのスキー場を造り、ホテルも6棟建設し、更に別荘の分譲も行った。

古旗氏は安比高原ゴルフクラブを2000年5月に退職し、 その後ユニマットグループへ転職され、2002年からは(株)スポーツ・クリエーションの取締役、2007年に代表取締役へ就任。

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編集長_南富士CCの再建を、ご担当される事に成った経緯を、教えて下さい。                                                        古旗氏                                                                                       2007年当時、南富士CCの債権者は、ある銀行さんでした。銀行さん曰く、当ゴルフ場は価値が無く、バリューアップしたいので、力を貸して欲しい、とのお話でした。銀行さんの依頼でゴルフ場再建が、始まりました。

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編集長_社長に成られたのは、何時からですか?                                                                     古旗氏                                                                             2007年です。再建に当たり、私の会社である(株)スポーツ・クリエーションが、南富士の全株式を取得しましたので、当初より代表取締役として赴任しました。

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編集長_どの様な方針で臨まれたのでしょうか?                                                                                古旗氏                                                                                バリューアップへ向けての第一ハードルは、法的整理をする事無く、誰一人解雇する事無く再建する、と言うものでした。その為には、兎に角、集客をアップさせる必要が有りました。

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編集長_当時の集客状況は、どの様な内容でしたか?                                                                    古旗氏                                                                                         来場者の構成は、横浜方面70%、地元30%と言うものでした。会員構成も当然その様な内容でした。                                                      当ゴルフ場は、発足当初の会員募集を、横浜を中心に行ったんですね。横浜に営業所が有り、地元には目もくれない、と言う状況が目に浮かびます。

2007年当時、近隣地区のゴルフ場では、年平均約37,000人を集客していました。しかし、当ゴルフ場では33,000人から34,000人でした。

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編集長_では社長の集客方針は、どの様なものを打ち出されたのでしょう。                                                          古旗氏                                                                              地元へ軸足を移す事でした。地元には、大手法人の支店や工場が有りました。 この地元の法人関係や、地元会員のニーズを掘り起こす事に着手しました。                                                                      例えば、工場の従業員の方が、来場時に組合員証を提出して頂ければ優遇する、 その為に労働組合との契約を締結する事で有るとか、企業コンペ誘致ですね。

この様な地道な取り組みを通じて、年間来場者数を35,000人から36,000人へUPさせて行く事が、第一歩でした。

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編集長_集客活動と共に、スタッフの問題も再建にはとても重要だと思うのですが?                                                                   古旗氏                                                                          そうですね。地元の高校を回って、毎年2名前後の新人を採用して、フロント、マスター室、レストラン、コース管理などへ配属して行きました。新しい企業理念を吸収した若い人材を現場へ配置し、世代交代をすすめました。

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編集長_2010年12月には法的整理へと、舵を切る事に成るのですが。                                                                 古旗氏                                                                           そうですね、当初は集客数UPへ向けた営業活動と、適材適所での人事異動を行い、若干の変化は見えて来るのですが、やはり同時に問題点も見えてくる訳です。そうするとこの問題点の根本的な解決方法は何かと問うた場合、やはり法的整理以外には、その選択肢は無かったんですね。

当ゴルフ場では、民事再生法を選択したのですが。

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編集長_一口に民事再生と言っても、現場は大変だったのでは無いですか?                                                               古旗氏                                                                               2011年初頭は再生手続きの真っただ中で、例えば債権者集会とかが有り、方向性が見えるまでに約半年かかりました。大変でした。

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編集長_先ず最初に人事の問題が出てきたとか?                                                                     古旗氏                                                                           そうなんです。再生手続きの過程で、まず人事の問題が出て来ました。責任者クラス、例えば支配人、営業部長、料理長、グリーンキーパー、キャディマスターなどの所謂幹部クラスの問題です。

この幹部クラスの体制を組み直さないと再生は無い、と言う危機感を感じましたね。幹部の人達や古くからのスタッフの考え方を、変えられるのか? これからやろうとしている事についてこれるのか? この点が一番のポイントでした。

ご理解頂いた方は現在も残っていますし、残念ながらご理解頂けなかった方には、交代してもらいました。

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編集長_労働基準監督署にも随分通われたとか?                                                                            古旗氏                                                                                 民事再生手続き中に、労働基準監督署が入って来まして、しっかりと経営されているか、労務管理されているかとチェックされました。従来のものから新しいものへ創り上げるのですが、何度もやり直しを命じられました。

何度も労基署へ行って頭を下げては、半年間かけて全く新しい就業規則を作りました。

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編集長_ゴルフ場はある意味、サービス残業で成り立っている部分が有りますよね?                                                                      古旗氏                                                                                     そうですね。確かにそうなのでしょう。 これはゴルフ場業界全体の問題かもしれませんね。しかし私のゴルフ場では、その様な慣習に甘んじる事は、出来ませんでした。

南富士の場合、週休二日週40時間労働を守った内容で、全部体制を組み直しました。この点が何と言っても大変!これが普通、クリア出来ない。この内容をクリア出来るか否かと言う点が、非常に会社の命運がかかっていた、と言えますね。

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編集長_ゴルフ場運営は、労基法の問題だけでは無いですよね。                                                                古旗氏                                                                                     はい。保健所の問題、或いは消防の問題、全てこれらをクリアしているのか、どうか?関連する法律を全てクリアして行く事は大変な事ですし、その上で利益を出して行く必要が有りますね。

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編集長_法律にのっとった体制づくりの後、次はクラブハウスなどの修繕ですね。                                                         古旗氏                                                                                 そうですね。民事再生の手続きを終えて、再生計画がスタートして間もない、一年も経過しない時でした。厨房施設、お風呂、衛生施設などの大規模修繕を行う事にしたのですが、結果的に2億数千万の費用がかかりました。

修繕会議では、建て替えても同様の金額で済むのでは無いか、と言う意見も出ましたね。大変な額の費用を必要としましたので、社内的には疑問視されて、又役員からは反対され四面楚歌の状態でした。

要するに採算に合うのか? キャッシュフローが出るのか? と言う問題です。問題ないですよ、と説明するのにはハードルが高くて、決死の覚悟で臨みましたね。

自分の人生で経験した40年分を全てつぎ込む覚悟で臨みます、と宣言してしまいました。この修繕時に、保険所、消防法の問題をクリアしました。

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編集長_法的問題もクリアしハウスも修繕し、体制が整う訳ですが、担う人の問題は重要ですよね。                                             古旗氏                                                                             ゴルフ場には各セクションの壁が有ります。 例えばフロント、レストラン、マスター室、コース管理、事務所と。この壁を崩せないゴルフ場・企業が、システム疲労を起こし、悪く成って行く様に思います。

ゴルフ場で大切なのは、お客様です。従業員全員で、お客様をおもてなしする、この事に部署は関係ないんです。スタッフに限りは有るものの、各部署への配置は必要です。そうしますと、どの部署でも過不足は出ます。 そこをどの様に補うのか、忙しい時間帯に成った部署を、持ち場に関係なく皆で助け合う、この意識改革が重要です。

この点を企業風土として創り出して行く事、これが再生の大きなポイントでしたね。

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編集長_少し具体的に教えて下さい。                                                                     古旗氏                                                                               全員がどの部署もこなせる様に、四六時中ローテーションを組んでいました。若い人は出来るのですが、ついてこれなかった方も沢山いましたね。これからは一人三役とか、普通ですよ。これが出来なければ、ゴルフ場と言う商売は出来ませんね。

スタッフのスキルアップが、絶対に必要です。ローテーションを組むに当たっては、従業員に良く説明しました。 今後はこの様にして行かないと、ゴルフ場運営は出来ない事をね。

実際行って行くと、シフトで組めない部分が出てきます。 この点は他の部署からの応援で、何とか処理出来る様に成りました。例えば、お昼時のレストラン例えば、コンペ時の宴会例えば、朝夕のバック運び など、これは訓練次第で出来る様に成りました。

ゴルフ場に於けるお客様の流れは、従業員誰でもわかる様になります。 今、何処が忙しく、何処が暇か、そこを皆で柔軟に対処して行く事なんです。例えば、先日雪が降ったんですが、雪かきに料理長も出て来ました。

朝早くから雪をとかさなければ、お客様を迎えられない、と言う気持ちになり、全員総出で雪かきをやりました。結果は、夕方には終わり、翌日にはオープン出来ました。

大切な事は、全員でお客様を迎える、と言う意識ですね。全員が同じ方向を向いて取り組んでいく、この様な意識改革なくして、再生は無いでしょうね。この様な意識が芽生えて来たのは、3年前ぐらいからでしょうか。 2012年ぐらいからですね。

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編集長_少し脱線しますが、雪かきにはノウハウが有るとか。                                                                      古旗氏                                                                                   雪かきには、ノウハウが有るんです。どうしたら一番早く除雪出来るかを、考えて工夫しています。溶かし方の技術には、お金をかけています。 これは一概にお話出来ない部分なのですが。

良く他コースで聞くのは、1.仕方ないから、そのまま 2.雪は寄せるな と言うものです。しかし私のところでは、少し違います。 この点に付いても研究をし、全員で協力しております。

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編集長_先程ハウスへの投資を伺いましたが、投資に関する基本的な考え方を、お聞かせ下さい。                                                                                       古旗氏                                                                                        再建に当って、ハードとソフトその両面への投資は、不可欠に成ります。 そしてこの両輪がかみ合う事、ハードとソフトへの投資が相乗効果をもたらす事、これが大切だと考えています。予算は限られている訳ですからね。

ハードの面で言えば、何に投資して行くのか。 この点が問われのです。良く聞くのが、玄関前エントランス部とか、フロント、ショップ回りだけ等ですが、外見上のものへ投資するケースです。

私はもっと本質的な設備や、お客様の導線を重視しています。お客様が実感してくれるサービス、その様なものへ投資して行く事が大切だと思いますね。内容の薄いものは、お客様に見透かされますよ。

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編集長_コースへの投資は、どの様にされて、現状は如何ですか?                                                               古旗氏                                                                        コース管理にも、お金をかけています。他コースでは管理体制を縮小していると、良く聞きます。 人手を減らし予算を減らす、これは通常のコストカットの手法ですよね。                                                                          しかし南富士では、人も増やしお金もかけています。 簡単に言えば、倍ぐらい増やしていますよ。

南富士へ来場したお客様は、ゴルフ場の内情を解かりませんよね。 しかし、コースがいつの間にか綺麗になっていると、喜んで頂いています。古い会員の方が久々に来場されて、こんなに綺麗だったかなと、喜んだ声を聞くのが何よりも嬉しいですね。

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編集長_コース管理の手法を少しお聞かせ下さい。                                                                             古旗氏                                                                         先ず、明るいゴルフ場にしましょう! と言う事でやっています。余分な木は切っています。残地森林率として50%は残さなければならないと言う規制は有るんですが、森林は成長し過ぎると芝がダメになってしまうんです。暗いゴルフ場に成ってしまうんです。

密度の高い森林は間伐が必要であり、毎年200から300本は切っています。 計画的に切っています。切る事によって風通しが良く成り、日当たりも良く成る。 結果としてゴルフ場が明るくなり、芝が良く成り、プレーヤーもラウンドし易く成りました。

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編集長_一口に木を切ると言っても難しいですよね。                                                                                古旗氏                                                                             例えば、会員や理事会に反対されて切れない、と言う場合が有ります。究極的な意見として良く聞く話は、設計家の意図に反するからダメ、などです。                                                                             この様な神がかり的な話になってしまうと、その意見に反してまでも木を切ろうと言うキーパーは、少ないですね。

大切な事はゴルフ場の芝のメンテナンスであり、プレーのし易さに成る事です。陽当たりを良くし、風通しを良くする事に尽きるんですね。 適切な間伐無くしてゴルフ場は芝のメンテナンスを出来ません。                                                        これがコース管理の指針と言えるものです。ただどの木を切れば良いのかは、熟練とノウハウが必要です。 この点が難しいのですが。

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編集長_最近の傾向であるプレーフィの値下げ合戦に付いては、どの様に対処されていますか?                                                                    古旗氏                                                                                そうですね。 私の南富士周辺でも、プレー代金の値下げ合戦は、激しいですよ。しかしこのままでは、当ゴルフ場も値下げ競争の波に呑まれてしまう、と言う危機感が私には有りました。そこで打ち出したのが、次の3点です。

1、コースを良くする。                                                                         2、料理を美味しくする。                                                                                       3、サービスを向上する。

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編集長_先ほど明るいコースへ改造している事を伺いましたが、更なる改良点を教えて下さい。                                                                              古旗氏                                                                                 そうですね、運営上の改良点も含めて、お話します。

1、ティーングランドの改良                                                                       芝で言えばティーングランドが、今一番の自慢ですね。以前はコーライ芝を使っていて、踏圧やディポット跡がひどくて、裸地状態になっていましたが、現在は年間を通じて青々としています。お客様からも非常に評判が良いですね。ダメージからの回復力も早く、不思議な芝です。

下地にはティーを何処でも刺せる、人口マットを敷いています。

2、灰皿撤去                                                                         ティーングランドから全て、煙草の灰皿を撤去しました。煙草の吸殻は、乗用カートの吸殻入れへ、捨てる様にしました。                                                                                      灰皿を撤去する事に付いては、社内でも反対意見が出されましたが、集客には全く影響は出ていませんね。

3、新グリーンへ向けた実験                                                                     酷暑対策として、対応出来る新しい芝種を選定する為に、試験を日々行っています。一番良い結果が出たものを、採用する予定です。

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4、ミストカー                                                                                        2012年夏にヤマハ製のミスト噴射装置付き乗用カートを、20台導入しました。乗車席の上部四隅から霧状のミストが、プレーヤーへ向かって噴射されるものですが、これが夏場にお客様から大変好評でした。                                                                                                  特に高齢者の方に喜ばれましたね。しかし一台当たりの単価が、高かったですね。 近在のコースで導入したと言う話は聞いた事が有りませんね。                                                                         ヤマハの方からのお話ですが、関東エリアでも導入実績は、数コースの様です。

5、カラス除け                                                                                    カラス害と言うのをご存知ですか?カラスはカートの荷物受けにお菓子などが有ると、自然と寄って来るんです。ただ近づいて来るだけならまだしも、万が一お客様へ危害でも加わろうものなら、大変な事に成ります。

この対策として、厚手で黄色のビニールカバーを造りまして、全カートのカゴへ蓋として取り付けました。 カラスは黄色が見えないらしいんです。結果としてカラスが、カートへ寄らなく成りました。

6、霧対策                                                                               南富士のおかれた気象環境は、富士山との関係から、どうしても霧が発生し易いエリアなんです。これはこの近在のコース全てが、同じ様な状況ではないでしょうか。                                                                   この霧対策として、グリーン奥へ、工事用の回転灯を設置しました。

キーパーの発案だったのですが、プレーヤーがグリーンを狙うに当たって、グリーンの方向を確認出来れば、打ち易いのではないか、と考えたからです。霧が有っても、少しでもお客様が気持ち良くプレー出来る様にと、考えた結果です。

少しでも良かろうと思える案に付いては、チャレンジ精神で取り組んでいます。兎に角お金はかかるんですが。

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編集長_次にお食事の件を伺えますか。                                                                            古旗氏                                                                                     1、新料理長                                                                         現在の料理長は、箱根富士屋ホテルに22年勤務されていた方ですが、私がお願いして来てもらいました。南富士でラウンドされたお客様が、美味しいと感じてもらえる料理を提供する、それもリーズナブルな料金で、と考えています。

お客様の満足度の高いものを提供する、このスタンスでやっています。具体的には料理長の提案に対して、内容を検討して実行して行く事に成りますが、料理長がやりがいが有ると感じてくれれば、結果はおのずと付いて来ると考えています。

最後は私が、リスクを取ります。 

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2、和食から洋食へ                                                                        現在の料理長に成ってから、それまでの和食中心のスタイルから、洋食へ転換しました。和食と洋食では使用する調理器具が、全く異なるんですね。 ですから全ての調理器具を入れ替えました。

3、動線を変更し働き易く                                                                            レストランホールの動線を、料理長の提案で変更しました。出し口と下げ口を変え、パントリーも変えました。この事により、ホールスタッフの流れが変わりました。 動きがスムースに成り、スタッフも大きな声を出す事無く、配膳などが行えています。

要するにスタッフが働き易い環境に成ったのと、お客様へのサービスも迅速に成りました。

4、料理はバイキングでデザートに力点                                                                       料理はバイキングにして、特にデザートに力を入れています。 ここに至るまでは、私自身大変に悩みました。フルーツ、デザート、サラダ、ソフトドリンクなどの導入、これらを全て当ゴルフ場で賄う為には、メニューの問題、厨房改装の問題、技術の問題と様々な点をクリアして行かなければ、出来ません。まして採算は合うのか?

私の一大決心が必要でした。しかし料理長の提案を実行してみたところ、お客様からの反応が非常に良く、今では導入して良かったと考えております。当然ですが、デザートを造る職人も、新たに雇っております。

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5、コンペはコーヒーとケーキ                                                                        最近はコンペを良く受注しています。コンペパーティーでお酒を出す事は、ほとんど無く成りましたが、代わりにピザとソフトドリンク、コーヒーとケーキなどの組み合わせで出すケースが増えています。

お金をかけずに、質素に行うコンペパーティーが、多くなりました。当然ゴルフ場にとって客単価は下がりましたが、件数は落ちていません。 パーティーまでやって頂ければ、ゴルフ場としては大成功です。

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編集長_次はサービス向上として、特にキャディさんの若返りに付いて、教えて下さい。                                                     古旗氏                                                                                   キャディ無しのセルフで、乗用カートを使用してラウンドするのが、現在の流れと言うか、一般的な傾向と成っています。ゴルフ場によっては、キャディは皆無と言う状況だと思いますよ。

南富士の場合は2013年頃より、十数名いるキャディを減らす事無く若返りを進めて、現在では約30%が20歳代の若いキャディで構成されています。今後も少しずつ、若返りを進めて行きたい、と考えています。 若いキャディは当ゴルフ場にとって重要なツールと言いますか、大きなセールスポイントに成っています。

この点が時代に逆行した言いますか、現在の流れに抗して、当ゴルフ場をアピール出来ていると思いますし、結果もついて来ています。今後、如何に若いキャディを確保出来るかが、私の当面の大きな課題に成っています。

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編集長_実際に若いキャディさんの効能を教えて下さい。                                                                      古旗氏                                                                                      キャディ利用率が、上がっています。キャディを付けると、当然お客様の負担金額が増える訳ですが、なぜしかそうなって来ています。

其の他_1(キャディ付きコンペ)                                                                           傾向としてここ数年コンペの申し込みが、多く成りました。 それもキャディ付きが条件です。一昔前へ戻った様な錯覚を覚えるのですが。

其の他_2                                                                       朝、来場したキャディを希望されていなかったお客様が、玄関口での元気な若いキャディの挨拶を受けて、突然キャディ付きへ変更されてスタートされる事が多いでね。

其の他_3                                                                             高齢者のグループに若者が交じっているケースが、最近散見されます。 恐らく若者をデビューさせる為に、連れて来たのでしょう。その様なグループからも、キャディ付きと言う希望が入りますね。

其の他_4                                                                           若いキャディが先頭をきって、お客様へ挨拶しています。 それに引きずられる様に、勤続年数の古いキャディも挨拶する様に成りました。接客態度が悪いからと、その様な従業員をただ怒っても、命令するよりも、若い人達の影響力は素晴らしく、社内の雰囲気も良く成って来ています。

キャディの若返りが、多くの効能をもたらしてくれていますが、私自身感じる事は、キャディ付きと言う 新しいマーケットを開拓出来ている と言う事です。

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編集長_コースを良くし、食事を美味しく、そして若いキャディさんにした結果は如何ですか?                                                                        古旗氏                                                                                 不安な部分も有りましたが、集客はプラスに成っていますし、単価も上がっています。現在、ゴルフ場は高級化か激安化か、と言う大きな二つの流れが有ると思います。私の南富士は、そのどちらでも有りません。                                                                                       激安ゴルフ場よりは、若干高めに価格を設定しています。 せいぜい1,000円から1,500円ですが。

来場者数                                                                            年間来場者数は、2013年から4万人を確保しています。2014年2月は雪が降って3週間クローズし苦労しましたが、2015年今年は2月初旬で、昨年の倍ほどの実績を残せています。

トップシーズンに1,000人伸ばすのは大変ですが、オフシーズンに1,000人多く入れる事は、可能性が有りますし大切ですね。兎に角集客数4万人を基準に、これをクリアしたいと考えております。

客単価                                                                              客単価は1万円を確保しています。南富士のプレー代金は、土曜日、日曜日が15,000円から16,000円。平日は7,000円?8,000円です。                                                                      近在エリアの他コースからは、そんなに高くて良く出来るな、言われのですが、首都圏方面のゴルフ場からは、そんなに安くて良く出来るな、と言われております。

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編集長_ゴルフ場と言う舞台装置が良く成り、実績も上がっている事が解かりました。それでは現在の来場者の傾向と、集客対策を教えて下さい。                                                                       古旗氏                                                                             当初目標とした地元から半分の来場者を確保する、と言う課題はクリア出来ています。東京からは約2時間かかるのですが、遠い方の来場率は不安定ですね。                                                           最近は、静岡県南部方面からの来場者が、年間を通じて増えている事と、冬場は山梨県からのお客様が増えています。必ず駐車場の車プレートは、チェックする様にしています。

あらゆる集客ツールを活用                                                                               必要と思われる情報発信ツールは、何でも、又常時活用しています。大きな特徴は、大手の集客ツールを活用したエントリーよりも、当社のホームページから入ってくる予約が多い事です。                                                                            これは当ゴルフ場を良くご利用して頂いている方からの、再エントリーだと考えております。

来場者の特典                                                                                          会員及びビジターには、それぞれ特典が有る様にしています。

お客様から寄せられる声は宝の山                                                              WEBには様々な書き込みが有ります。 目をつぶりたく成る様なお話も有りますし、おほめのお言葉も有ります。このご意見を基に如何に修正、改善して行けるかが、勝負だと考えておりますので、社内でのミーティングは、欠かす事が出来ません。

クレームの様なご意見を避けて通る事無く、その言わんとするところを考え、有効な対策を打つ様にしています。お客様の評価ですが、当初は3.3から3.4でしたが、最近は4.1から4,2を頂いております。 怖いくらいです。

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編集長_質の高いサービスを提供しようと努力されていますが、同時にコストもかかりますね。                                                     古旗氏                                                                                          今までお話した事は、全てコストがかかっています。いくら安くても、まずい物は、まずいですね。 ダメなものは、ダメです。良いサービスを提供すると言う事は、根本原則なのですが、その為にはコストがかかる事も理解する必要が有ります。

質の高いサービスとそれに比例した価格、この姿勢をお客様が選んでくれる、と私は信じて投資しています。

プレーフィーが下がっている今日、下げて下げて行くと、会員価格との差が無く成ってしまいます。当ゴルフ場は会員制ですから、会員の方には迷惑をかけられません。 ですからそう簡単に、ビジター料金を下げる訳にも行きません。であるならば、他のゴルフ場に無いサービスを如何に提供して行くのか、この解は現場に有るんですよ。 お客様の声に有るんですね。

これをどの様に工夫して行くかが、勝負になると考えています。究極的には人の問題に成ってくるとも言えますね。

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編集長_スタッフのモチベーションと創意工夫が大切との事。ではスタッフの満足度は如何ですか。                                                    古旗氏                                                                                          集客数も売り上げも伸びて来ているので、スタッフもやりがいを感じて来ていると思います。自分たちのやって来た事で、会社が非常に良く成っている、と実感しているものと思います。

客単価が下がりました。 売り上げが下がりました。 従業員の収入が減りました。 これでは負のスパイラルに陥ってしまいます。今の南富士は逆を行っていますね。

私は毎月、(今月はこの点に注意して下さい)と言うメッセージをポスターにして、発信しています。同時に月間の売上目標も、設定しています。この目標・基準点をクリアした時には、大入り袋 を出しています。 これはアルバイトの方も含めて、対象にしています。 ほめる時は、ほめています。

一般的に<社員の満足度が高いゴルフ場は、お客様の満足度も高い>と言われております。

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編集長_具体的にスタッフの方の創意工夫を少し教えて下さい。                                                      古旗氏                                                                                 各部署で問題点に対して、自発的に様々な案が出て来ています。この様に成ってくれば、再建者としては一安心と言うところです。

例えば、先程キーパーから霧対策の件をお話しましたが、昨年2014年にけん引式のモアを買って欲しいと言われたんです。現在ではほとんどのゴルフ場で使用されていない様なものですから、物を探せるのか心配でしたが、それよりもなぜ今この旧式の機材を欲しがるのか、不思議だったんです。

そうしましたら、キーパー曰くこの機械は壊れづらい。 何しろ刈刃が丈夫で欠けにくい。 現在普及しているものは、刃が欠け易く修理費も高いし、日数もかかる。からだとの理由でした。

この様なアイデアが出る事自体が、素晴らしいんです。今年の冬、2014年暮れから2015年冬季にかけて、ホールアウトして来たプレーヤーへキャディがコーンスープをふるまっています。これは料理長からのアイデアで、始まったものです。

ほんの一端をお話させて頂きましたが、一番良くないのは、他コースでやっているから、自分のコースでもやろう、と言う発想です。

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編集長_社長のコースは会員制ですが、会員の動向は如何ですか。                                                     古旗氏                                                                                 法的整理後に残って頂いた会員は、1,250名の方々です。年齢層は60歳から70歳までが多いですね。競技会は当初AとBの2クラスだったのですが、競技参加者が増えた結果、Bクラスの参加者が増えました。

現在ではSクラス、Aクラス、Bクラスの3クラスへ分けて、競技を行っています。

課題は会員の平均年齢が高い事から、いずれ来場回数が減少して行く事に成るのだと思われますが、その時には(終身会員制度)を活用して、ご親族の若い方へ会員資格を継承して行って頂きたい、と考えております。

終身会員制度を活用出来ない会員の方の事を考えると、如何に会員権市場を活性化して行くかが、大切だと考えております。

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編集長_貴重なお話を伺って来ました。最後に再建者としてのご感想を、お聞かせいただけますか。                                                    古旗氏                                                                                     改革して行かなければならない問題は、常に有ります。これは南富士が民事再生を経験したからと言う事では無く、我々は常にチャレンジして行く、この姿勢がかけたらダメに成ってしまうと考えています。

新しい南富士がスタートしてからと言うもの、苦しい事も多々有りましたが、社員の皆さんが自信をもって、自発的に様々な課題に取り組める様に育って来ています。この事がとても大切だと思っております。

ここまでくれば一安心というか、やっと基礎が出来たな、と言う感じでしょうか。経営者としては間違った投資をしない事が大切ですから、今後も引き締めて当たって行きたいと考えております。

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編集長_本日はお忙しい中、長時間に渡り、誠にありがとう御座いました。

Mr.Furuhata_tact-4.jpg 連絡先                                                          株式会社 スポーツ・クリエーション                                                  〒107‐0052                                                            東京都港区赤坂1‐1‐1

TEL 03-3568-1759 / FAX 03-3568-1760

                                                                                                                                      


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