2021年3月31日消費税法に関する、<価格の表示に関する特別措置>が終了します。これは2013年10月1日以降、<表示価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じていれば、「税込価格」を表示しなくてもよい>と言うもので、あくまでも一時的措置でした。
この一時的措置に準じてみた場合、例えば本体価格100,000円の商品であれば、下記の様な表記が認められて来ていました。
・100,000円(税抜)
・100,000円(税抜価格)
・100,000円(本体価格)
・100,000円+税
しかしながら4月1日以降上記の様な表示は、基本的に税法違反と言う事になります。消費税法は総額表示を義務づけている事から、上記内容であれば110,000円(税込)と言う表記になります。では実際この様な表記を守れなかった場合、どの様な処罰を受けるのでしょうか。罰則規定はないもののケースによっては、監督命令や行政指導の対象になるとの事です。
ところでゴルフ場を主会員として構成されている日本ゴルフ場経営者協会(NGK)では、2013年秋に会員外も含めた550コースにて、表示カルテルを締結しました。価格カルテルは違法ですが、申請したカルテルは公正取引委員会に認められ、以降今日まで外税表記を継続してきています。これはこの様にする事で、加盟する各会員制ゴルフ場の法人会員にとって、社内事務処理に関する利便性が認められたからです。
NGKによれば今後各ゴルフ場が振り出す領収証等は、プレー代金〇〇円(内、消費税▼▼円+ゴルフ場利用税◆◆円含む)と言う表記へ変更するのが最善と、加盟各社へ会報にて連絡しています。今後この様な類似した動きは、社会全体で徐々に加速して行くものと思われると共に、日本社会の一員であるならば、速やかな対応が必要なのだと言えます。
違反した場合の罰則規定は無いと言え、その様な企業との取り引きは、恐怖感を感じ自然と足が遠のいて行くのが、自然の摂理だと思われます。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
アコーディアゴルフによる消費税率変更への対応について
2020年12月10日自由民主党と公明党は連名にて、『令和3年税制改正大綱』を発表し、来年度税のあり方を明らかにしました。此れまで『ゴルフ場利用税』廃止を訴えているゴルフ業界の動きは、どの様なものだったのでしょうか。
此れまで撤廃運動の中心的役割を果たしてきた日本ゴルフ関連団体協議会、いわゆるゴ連協は、2019年暮れより活動停止状態となり、ついに2020年7月には解散へ追い込まれてしまいました。この中心的組織を失う中、これに代わってその役割を担えるのは、JGAとスポーツ庁になるのだと思われます。
ではこの2組織は今年税制改正要望として、ゴルフ場利用税撤廃を関係省庁や政府与党へ、申し入れ出来たのでしょうか。ゴルフ場利用税撤廃のアドバルーンを下す事は無いものの、コロナ禍の中、今年はその要望を提出する事は無かったのです。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、此れ迄の日本の社会環境は大きく変化しました。これが影響したのか大綱の基調は「脱炭素」であり、更に「デジタルトランスフォーメーション」や中小企業の再編に、内容が大きく割かれております。経済評論家によれば約500~600億円の減税予想との事ですが、此処に『ゴルフ場利用税』撤廃が登場するスペースは有りませんでした。
冷静に考え誰しもが納得し得ないゴルフ場利用税ですが、大きな怒りとなり燃え広がらないのが現状です。税の采配は時の総理大臣も口出しし辛いと言われる様ですが、事ゴルフ場利用税に関し、その出口がなかなか見いだせないでいます。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
ゴルフ場利用税撤廃へ向けた2019年の闘いへ国はNO!
ゴルフ場利用税撤廃へ向けたゴルフ業界の悲願が、今年も又打ち砕かれる事に成りました。これは2019年12月12日、自民党と公明党で構成される与党により公表された、「令和2年度税制改正大綱」により明らかにされたものです。
ゴルフ場利用税に関する記述は、この大綱に於ける83ページ末尾の10行にまとめられております。
これをまとめると、1、国民体育大会のゴルフ競技へ参加する選手が、競技及び練習で利用するゴルフ場の利用税は非課税とし、また2、国際的規模のゴルフ競技大会へ参加する選手が、公式に利用するゴルフ場の利用税を当面非課税とする、と言う以上2点になります。
これまで過去の経緯では、「ゴルフ場利用税の財源代替案を視野に入れながら、撤廃に付いては長期的観点で検討して行く必要が有る」と言う大綱の趣旨でしたが、この度はその様な文言すら垣間見る事は出来ませんでした。
今夏文科省が打ち出した戦術は、30歳未満65歳以上非課税適用と言う拡大策であり、ある意味戦術転換とも取れるものでしたが、いとも簡単にいなされてしまいました。それどころか2020年オリンピック関連を暗に示していると思われる利用でさえ、「当面非課税」などと高圧的姿勢で対応して来ています。
政治課題となり得ていない現在の闘いの中、特にこの度の戦術は決して日和見主義の体現では無く、より具体的な内容を示しており、今後も継続して行く事に意義が有ると言えます。抽象論を語る事では無く、より現実性の有る戦術で戦い抜く事こそ、新しいステージが見えて来るものと思われます。
関連する以前の記事は、下記のリンクよりご確認頂けます。
条件闘争となったゴルフ場利用税撤廃問題の行方
2019年8月に文科省は、来年度の税制改正へ向けた要望を明らかにしており、この中でゴルフ場利用税の非課税枠拡大を求めています。これまで18歳未満として来た年齢を30歳未満、更に70歳以上とした高齢者の年齢を65歳以上として、その適用を求めたものに成っています。
ゴルフ場利用税撤廃へ向け中心的役割を果たしている日本ゴルフサミット会議は、今年1月16日に「ゴルフ場利用税を撤廃させていく」として、今年も又戦いの課題を明確にしておりました。しかしながらその任務を負うべき文科省は、条件闘争へ舵を切る事で、部分的勝利を克ち取る方針を打ち出していたのです。方針転換とも言われ兼ねないものでした。
今年のこの課題に対し間もなくその結論が、有られるであろう時期がやって来ました。11月19日総務大臣に提出された「令和2年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」では、ゴルフ場利用税に関し「非課税措置を拡充することは不適当であり、引き続き、現行制度を堅持すべき」と結論付け、文科省案を否定するものと成りました。
今後の日程としては、影響力が大きいと言われる与党税制調査会小委員会に於けるマルバツ審議が間も無く行われ、その後この審議を受け12月中旬に2020年度の税制改正大綱が策定されます。この大綱で取り上げられるか否かが、2020年度ゴルフ場利用税の動向を占う大きな試金石となる訳です。
ゴルフ業界の大きな課題であるゴルフ場利用税撤廃、この運動に関する今年の回答が間も無く出ます。
株式会社アコーディア・ゴルフ(以下アコーディア)では2019年8月下旬に入り、消費税率変更に関する対応を一早く明らかにしました。8%から10%への消費税率変更が、2019年10月1日予定通り行われるであろう事を想定し、会員権の名義書換手続きに於いても同様に適応していくとしました。
従来通りの税率8%で対応出来るのは、9月19日までに名義書換書類が同社会員課へ提出された場合であり、これを過ぎたならば10%の税率を適用するとしております。新規入会希望者やその窓口と成っている会員権業者への告知を、速やかに行う事でいらぬトラブルを避けたい、アコーディア社の趣旨が伝わって来ます。
消費税法は総額表示を、義務付けております。消費者に誤解を与える様な表記は、法律で認められていないのです。この点を良く理解しているアコーディア社では、かねてより金額表記に関し、例えば名義書換料が100万円であるならば、100万円(税込108万円)と言う様に、消費者の支払いを一目で理解出来る様にしております。
この対応は例え消費税率が10%に成ろうとも、当然行われて行くとしておりますが、振り返ればかつて同社は東証1部上場企業で有った事から、コンプライアンスを重視している姿勢がにじみ出ていると言えます。
この様な一流企業による消費税への対応が有る反面、2013年10月1日に施行され2021年4月1日に失効する『特措法』では、景品表示法に於ける「事業者」へ、税抜価格表示も認めております。例えば名義書換料100万円+消費税などと言うものです。
しかしながら10月以降日本社会に於ける多くの企業が、総額表示へ徐々に移行して行くと思われる中で、何時までも税抜価格で消費者へ対応していく行為は、社会への適応能力が欠如した企業として、次第に敬遠されて行くものと思われます。ひとたび消費者より不信感を持たれた企業が、大活躍出来る日本社会では無いと言えます。
今後多くのゴルフ場企業に於ける消費税対応が、どの様になるのか待たれるところです。
2016年12月8日自由民主党及び公明党のいわゆる与党による、「平成29年度税制改正大綱」が明らかにされました。この内容の巻末にほど近い部分で、ゴルフ場利用税に関する一文が掲載されております。点線内がその文章を抜粋したものです。
第三 検討事項_15
(ゴルフ場利用税については、今後長期的に検討する。)
この内容は、来年も通常通り課税します、と言う事を意味しております。今年も又ゴルフ場利用税廃止運動は、挫折感を味わう事になる訳です。しかしながらこの一文が掲載されたと言う事は、全く無視されたとも言えず、廃止運動を継続して行く事が、何よりも問われている事と言えます。
今後この与党案をたたき台にして閣議決定されたものが、政府案として来年の通常国会で議論される事になります。
2016年11月18日地方財政審議会による「平成29年度税制改正等に関する地方財政審議会意見」が、総務大臣へ提出されました。この意見書概要には、7番目として(ゴルフ場利用税)に関する記述もあり、ゴルフ場利用税廃止案を認めない方向である事が強調されております。
項目の末尾は、下記文言で締めくくっており、点線内に抜粋しておきます。
加えて、社会保障の多くを担う地方自治体の財源の確保が喫緊かつ需要な課題であり、広く国民一般に負担を求める消費税の充実が図られている中で、ゴルフ場利用税の廃止など、ゴルファーに対する減税を行うことは不適当と考える。
これはゴルフ場利用税廃止運動に対する強烈な先制パンチの様に、受け取れなくもないのですが、来月初旬から中旬までに提出されるであろう「平成29年度税制改正大綱」に当該案件を載せられるか否か、今まさに水面下でのつばぜり合いが演じられているものと思われます。
今こそ国会議員によるゴルフ場利用税廃止の声を、高らかに発して欲しいものだと思わざるを得ません。
2016年10月12日に「超党派ゴルフ議員連盟」と「自由民主党ゴルフ振興議員連盟」の合同総会が、衆議院第一議員会館会議室に於いて開催され、与野党49名の議員及びゴルフ関連17団体そしてスポーツ庁が参加しました。
会議に於いて、『市町村の重要な財源だから』と言う理由で、ゴルフ場利用税が存続している事は全く理不尽で、同利用税を廃止する事を全会一致で決議しました。この内容は(「ゴルフ場利用税」の廃止を求める決議)として、同日採択されました。尚、各議員連盟の構成員は下記の様に成っております。(敬称略)
超党派ゴルフ議員連盟 |
名誉会長 |
麻生 太郎、衛藤征士郎 |
会長 |
高村 正彦 |
顧問 |
保岡 興治、額賀 稫志郎、赤松 広隆、細田 博之、遠藤 利明、山東 昭子 |
会長代行 |
中曽根 弘文 |
副会長 |
石原 伸晃、漆原 良夫、高木 義明、安住 淳、下村 博文、園田 博之
竹本 直一、松野 頼久、浅尾 慶一郎、下地 幹郎
|
幹事長 |
小沢 鋭仁 |
事務局長 |
笠 浩史 |
事務局次長 |
大西 英男、松下 新平、小宮山 泰子 |
自民党ゴルフ振興議員連盟 |
会長 |
衛藤 征士郎 |
顧問 |
麻生 太郎、高村 正彦、谷垣 禎一、保岡 興治、額賀 稫志郎、川崎 二郎
甘利 明、金子 一義、河村 建夫、山東 昭子
|
会長代行 |
中曽根 弘文 |
副会長 |
茂木 敏充、宮沢 洋一、塩崎 恭久、稲田朋美、下村 博文、鴨下 一郎
山本 有二、逢沢 一郎、橋本 聖子
|
幹事長 |
遠藤 利明 |
幹事長代理 |
竹本 直一 |
副幹事長 |
吉野 正芳、後藤田 正純、岸 信夫、萩生田 光一、武藤 容治、
片山 さつき
|
事務局長 |
大西 英男 |
事務局次長 |
小田原 潔、神山 佐市、神田 憲次、青山周平、井上 貴博、高橋 ひなこ |
2016年8月31日時点で総務省へは文科省より、「ゴルフ場利用税」廃止要望を提出済みです。今後は例年通りであれば年末の平成29年度税制改正大綱へ、同要望が取り入れらるか否かが、大きな焦点に成ってくるものと思われます。
法務省は2016年7月5日に「法定相続情報証明制度」(仮称)を、2017年4月以降おそらく5月頃に、新設する事を明らかに致しました。これは相続に於ける煩雑な手続きを簡素化する事により、相続人の負担を軽減し、尚且つ相続手続きを受け容れる関係機関の、大幅な事務の削減を目的にしたものです。
相続人は、被相続人の出生から死亡までの関係書類を整え、法務局へ一度提出しておく事で、必要とした時に「法定相続情報」を記した証明書を交付してもらえます。この証明書を複数発行してもらう事で、様々な手続きが同時進行的に進められます。
事ゴルフ会員権の相続及び相続譲渡手続きでは、役所が発行した書類のコピー提出を認めず、原本を求めるクラブが大半だと言えます。中には原本返却に応じないクラブもある事から、被相続人が複数の会員権を所持していた場合など、譲渡に必要な書類を整える事は大変であり、まして老齢な相続人には労多く、今日では実り少ないケースが多かったと言えます。
ゴルフ会員権に於いては相続案件が多い事から、実施されるであろう来春には、書類のやり取りが大幅に変化して行く様に思われます。
富山県は2016年4月より、ゴルフ場利用税を改定致しました。これは本年2月末に富山県ゴルフ連盟の新木(ニイキ)会長から提言を受け、富山県知事石井氏の決済により、3月末に富山県県税条例施行規則を改定する事により実現したものです。
ゴルフ場利用税は、各ゴルフ場の規模と利用料金を基に算定されているのですが、富山県の場合は実態に合わないケースが多かった事から、この度の改定と成りました。
ゴルフ場利用税は9等級に区分されており、9級で580円、1級では1,160円と成っております。例えば今迄13,000円の利用料金に対しては1級としていたものを、この度富山県では13,500円からと言う様に改定しました。この結果、県内16コース中9コースが、等級変更となったのですが、関東でも良く知られている呉羽カントリークラブは1級、八尾カントリークラブは5級などで以前と変更は無かった様です。
この度の富山県に於ける改定は、実態に即した内容へ税金を改定する動きであり、ゴルフ場利用税廃止運動の影響からでは有りませんでした。県に於いてもゴルフ場利用税は、貴重な財源に成っているとの事でした。
2015年11月30日自民党税制調査会は、2016年度税制改正に於いて、ゴルフ場利用税の廃止を見送る方向でまとまりました。12月10日自民党と公明党によって税制改正大綱がまとめられる予定ですが、上記の結果ここに載らない事となりますから、2016年1月早々から始まります通常国会で、議題にもならない事になったのです。
またもやゴルフ業界の敗北と成りました。
この度の自民党税制調査会の意見は、「ゴルフは十分、大衆化し、税金を理由にゴルフをしない人は少ない」としております。この論理は、(ゴルフをする人は殆どの方が、税金を認めているではありませんか、それを今更無くす必要は無いですよ)と言うものに成ろうかと思います。
この論理は何方が読んでも詭弁に過ぎないと言う事をご理解頂けるものと思いますので、ここでこれを論破する試みは徒労と言え省略しますが、根本的な問題はゴルフ場利用税が、地方自治体の重要な財源になっている事です。この代替財源を政府が手当て出来ない、或いはしない間は、ゴルフ場利用税の廃止は厳しいものと思われます。しかしながらここで手をこまねいていては、何も前進しませんし、今までの活動が無にきしてしまうと言わざるを得ません。
ゴルフ業界に於いては、廃止、廃止と教条主義的に反対論をとなえていますが、今一歩論点を変えて見ていく事も、大切ではないでしょうか。例えば平均800円の利用税を減額させていく事、或いはゴルフ場への道案内看板などを充実させる様な地域のインフラを充実させる事、更にはゴルフ場の水であるとか電源などに活用していく案などです。
いずれにしても毎年痛感させられるのは、ゴルフ業界に於ける政治力の無さです。単なる個人の集合体そしてその延長線上の闘いでは、一面突破全面展開へは至らない様に思われます。
2015年7月8日に自民党本部に於いて、「ゴルフ振興議員連盟」総会が開催され、「ゴルフ場利用税の廃止を求める決議」が採択されました。決議の概略は下記の通りです。
- 1989年に娯楽施設利用税が廃止されたが、「ゴルフ場利用税」 が新設され未だ存続。
- ゴルフは国民的スポーツであり、特段の担税力を見出す事は出来ない。
- ゴルフ場は格段の行政サービスを受けていない。
- ゴルフ場利用税は、消費税との二重課税。
- 2016年よりオリンピックの正式種目に成るにも関わらず、恥ずべき税金である。
総会には国会議員の他、所管官庁である文部科学省、ゴルフ関連17団体が出席しました。決議に名を連ねている国会議員は、大物と言われる方々ばかりです。昨年の暮れは、もしかしたらと言う雰囲気が流れはしたものの、文科省案が大綱に載る事は出来ませんでした。
ゴルフ場利用税は(市町村の重要な財源)に成っているのは事実で有り、如何にこの牙城を崩せるかが常に問われる大きな問題だと言えます。この地方の抵抗を抑える為には、(政府による地方への代替案提示)、これ以外に具体策は無い様にも思えるのですが。
残念ながら2014年12月30日に明らかにされた平成27年度税制改正大綱に、ゴルフ場利用税廃止案が盛り込まれませんでした。これは今年もゴルファーから、ゴルフ場利用税を徴収しますよ、と言う事です。
この結果にはこの様な内容になるであろう、予兆が有りました。それは2014年12月12日の産経新聞朝刊に、(ゴルフ場利用税廃止を見送りへ)と言う記事が出た事です。
又、12月27日には税制調査会小委員会の(マルバツ等審議)が行われ、その場で額賀小委員長は、(今後は地方再生が重要だ。この問題は来年は堅持する。)とし、ゴルフ場利用税廃止案を見送る委員会の結論を代表する形で発言をした、との内容が漏れ伝わって来ておりました。いずれにせよ決まった事ですから、今年も又粘り強く運動を展開して行かないといけない状況と成りました。
思いおこせばゴルフ場利用税廃止運動は、2002年12月13日に明らかにされた(平成15年度税制大綱)にて、18歳未満や70歳以上の方、或いは障害者や教育関連、国体選手などは非課税とする、として部分的では有るものの勝利を勝ち取ってきており、そしてその改正は2003年4月に施行実施されて来ております。
闘いはあきらめた時に、敗北となります。一人一人があらゆる機会に声を上げて行く事が、国を動かして行く重要な要素と言えます。
平成27年度税制改正へ向けた動きが、顕著と成って来ました。そしてその検討課題の一案件として、ゴルフ業界長年のテーマで有る(ゴルフ場利用税廃止)が、具体的な課題としてテーブルにのろうとしているのです。
これは2014年11月5日の自民党税制調査会で野田毅会長が、平成27年度税制改正は(地方課税が極めて中心的な課題になる)としており、その中にはゴルフ場利用税廃止案で有ったり、狩猟時にハンターが払う税金廃止案で有ったりと、国民生活に関連する課題が多く、12月中旬までにまとめれれるであろう税制改正大綱に盛り込まれる事を、示唆しているからです。
この前段として11月4日の参院予算委員会集中審議で安倍晋三首相は、(同税のプレー料金に占める比率が高くなっているのは事実)として、見直しが必要で有る事を述べております。
しかしながら千葉県の森田健作知事は、11月6日での記者会見で、(千葉は利用税収入が全国一で、大きな財源)として、廃止に反対である考えを明らかにしております。又、所轄官庁である総務省の高市早苗大臣は、11月7日の閣議後に(市町村にとって重要な財源)として、廃止論をけん制しております。
いずれにしてもゴルフ業界は、今後この廃止論をめぐる動きに注視して行く必要があり、利用税廃止へ向けて一人一人が、声だかに廃止を訴えて行く事が、とても大切な様に思えます。
2014年10月9日に(超党派ゴルフ議員連盟)総会が、衆議院第一議員会館会議室に於いて開催されました。総会では新役員が選出されると共に、(『ゴルフ場利用税』の廃止を求める決議)を採択し散会と成りました。新役員体制は以下の通りです。
名誉会長 |
衛藤征士郎 |
会長 |
麻生太郎 |
顧問 |
赤松広隆、高村正彦、額賀福志郎、保岡興治、山東昭子 |
会長代行 |
中曽根弘文 |
副会長 |
浅尾慶一郎、安住淳、石原伸晃、漆原良夫、小池百合子
下村博文、園田博之、高木義明、竹本直一、藤井孝男
細田博之、小坂憲次、田中直紀
|
幹事長 |
小沢鋭仁 |
事務局長 |
生方幸夫 |
※ 額賀氏の名前は(示+畐)。
文部科学省は2014年8月29日に、平成27年度税制改正要望事項を明らかに致しました。今年も(ゴルフ場利用税の廃止)が、要望事項として取り上げられており、年末の総務省との闘いへ向けた準備が整ったと言えます。ゴルフ場利用税廃止へ向けた根拠としては、
- 消費税との二重課税の解消
- 2016年オリンピック追加競技にも関わらず、ゴルフのみへの課税解消
- スポーツ基本法の理念である「生涯スポーツ社会」実現への寄与
と言う観点からなのです。
2012年のゴルフ場利用税決算額は507億円で、地方税法83条に基づいて各ゴルフ場より都道府県へ納付された総金額です。この金額の10分の7である約354億円が、各市町村へ交付されたのです。例えば2012年に千葉県の芝山町へ交付された金額は89,791,000円でした。人口7,928人の町ですから、1人当たり11,325円が交付された事に成ります。実際このお金は、町民個々人へ交付された訳では有りませんが。
因みに2011年は82,494,000円、2010年は110,343,000円でした。この様にゴルフ場利用税は、各市町村に於いて定着した交付金と成っており、ゴルフ場利用税廃止運動に対しては、各自治体を中心としたゴルフ場利用税廃止反対運動が、燎原の炎の様に広がっており、廃止運動を拒んでいるのが現状です。
現実的にゴルフ場利用税を廃止へ向けて闘って行く為には、単に観念的な廃止運動では太刀打ち出来ないと言え、何らかしらの代替え案無には前進して行かない様に思えます。この代替え案の内容を、当然ながら廃止運動側から提案するものでは無く、それは政府側が考慮すべき問題であり、政府の責任に於いて解決して頂きたい重要案件だと、突きつけて行く必要が有ると言えます。
次の大きな焦点は、年末の税制改正大綱へ、この度の文科省要望が取り上げられる事です。
2014年6月30日三大新聞をはじめとした各紙は、ゴルフ会員権の売却損にまつわる不正還付に付いて大々的に報じました。各社の見出しは、下記の通りです。
- 読売新聞_「ゴルフ会員権売却損で所得税2千万円を不正還付」
- 朝日新聞_「ゴルフ会員権売却装い不正還付 国税当局、一斉税務調査」
- 毎日新聞_「<東京国税局>ゴルフ会員権で不正還付・・・40人追徴へ」
- 時事通信_「ゴルフ会員権売却で不正還付=40人計2000万円-仲介会社が指南・国税指摘」
上記各紙報道の要点は下記の通り。
埼玉県のミッションヒルズカントリークラブの会員権を巡り、約40人の同ゴルフ場会員は、(アシストゴルフ)と言う会員権業者の勧誘を通じて、ゴルフ場破産後に会員権売買をした。その取引に於いて、ゴルフ会員権取引計算書_エビデンスの日付は、ゴルフ場破産前として作成され、当事者は税務申告をした。
この売買を通じて計上された損失額は一人平均約750万円、総額で約3億円に上り、一人で約500万円の不正還付を受けたケースも有り、総額は約2,000万円に上る。約40人の当事者は2013年から2014年にかけて、 東京国税局などの調査を受け、還付金の返還及び重加算税などを追徴課税されていると言う。
この度の事件は東京都港区_アシストゴルフに対する東京国税局の税務調査で判明したものであり、同業者は同クラブ会員名簿を入手し、勧誘活動を展開していたとの事。
ゴルフ会員権売却による損失計上は、2014年4月1日以降の取引に適用されなくなりました。これは税制改正によるものです。この度の事件は、損益通算制度そのものが、活用されていた時期に、悪用されたものです。
舞台と成った同ゴルフ場の概略は、下記のリンクよりご確認頂けます。
ミッションヒルズカントリークラブ
2014年3月に於けるゴルフ会員権の取引需要は、例年に無く活況を呈したものの、会員権市場の売買情報を活用し取引に勤しむと言う活動は、今一つ停滞気味だったと言えるのではないでしょうか。
損益通算廃止情報はゴルファーの潜在需要を掘り起こし、ゴルフ会員権売却による損出を期間内に確定したいと言うニーズは、市場を席巻しました。
2014年3月の喧騒も冷めやらぬ中、4月1日をもって発令された(所得税法施行令等の一部を改正する政令要綱)は、ゴルフ会員権売却による譲渡損を総合所得から控除出来ない事を、明確に打ち出しくさびを打ったのです。
ではゴルフアーの抱える悩み、ゴルフ会員権売却による譲渡損と譲渡益、その処理は如何様にもし難いのか、と言えば必ずしもそうとは言えず、所謂(所得内通算)は、今後活用して行くべき方策の様に思えます。
これはゴルフ会員権の売買を通じて、一方で300万円の利益が出た取引、方や300万円の譲渡損が出た取引、この二本立ての取引を行い相殺出来る事を、自主防衛として活用して行けるのではないかと考えられます。
(所得内通算)この聞き慣れない文言は、今後様々な場面で飛び交う事と思いますが、この論理の法的裏付けは、所得税法第33条の3項です。所得税法から関係条文の一部を抜粋し引用しておきます。
「譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額 ( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ) から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。」
ゴルフ会員権を取り巻く税制改正が、2014年3月20日に可決致しました。2013年12月12日に自民党と公明党による(平成26年度税制改正大綱)が提起され、税制の改正点が明らかにされたのですが、その中にはゴルフ会員権の譲渡損を損益通算の適用範囲から除外する事も網羅されておりました。
この税制改正大綱はその後閣議決定され、国会で本格的に審議される事になりました。2014年2月28日には衆議院を通過して、参議院へ送付されたのですが、3月20日には参議院の財政金融委員会を通過し、同日本会議へ送付され賛成多数にて可決されたのです。
現在は財務省サイドで政令の改正に向けた手続き中であり、3月31日には公布予定との事です。長きに渡り、ゴルフ業界の懸念材料で有った所得税の改正が、良くも悪くも行われたのです。ゴルフ会員権業界にとっては、大きなビジネスの転換期を迎えたと言えます。
個人所得課税の損益通算に(ぜいたく品)の規定が出来たのが1961年です。そしてゴルフ会員権はその対象外として、今日まで損益通算が適用されて来たのですが、ここにきて約半世紀ぶりにその終焉を迎える事に成ったのです。
2013年12月12日に明らかにされた、自由民主党と公明党による平成26年度税制改正大綱は、ゴルフ会員権売却による譲渡損を、所得控除の対象外とする事を、まとめたものとなりました。平成26年度税制改正大綱の大きな骨子は、下記の通りです。
- 平成26年度税制改正の基本的考え方
- 平成26年度税制改正の具体的内容
- 検討事項
上記の中でゴルフ会員権に付いて取り上げられている個所は、(平成26年度税制改正の具体的内容)の(2、年末での決定事項)の(個人所得課税)に於いてで、ページ数は54ページ目です。平成26年度税制改正大綱のゴルフ会員権に関する文面を抜粋しておきます。
「譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加える。
(注)上記の改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡について適用する。」
今後この内容は、来年の通常国会に於いて議論され、国会議員による多数決で結論がでる事になります。上記内容は、少なくとも来年2014年3月31日までの譲渡損に付いて、2015年時の確定申告で認める方向ですから、若干の時間的余裕が与えられた事になります。